モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。7月28日(金)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「ボクシング・井上尚弥選手にフォーカス!」。スポーツジャーナリストの近藤隆夫さんに解説していただきました。
パーソナリティのユージ、吉田明世
東京・有明アリーナで7月25日(火)に開催されたプロボクシングの一大イベント「WBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ スティーブン・フルトン vs 井上尚弥」。去年12月にバンタム級史上初の4団体統一王者となった井上尚弥選手がスーパーバンタム級に階級を上げ、2団体の王座防衛がかかるスティーブン・フルトン選手に挑戦しました。
結果は、井上選手が勝利しWBCとWBOの世界スーパーバンタム級新王者となり、この勝利によって、通算4階級制覇も達成しました。
◆4団体統一、4階級制覇は史上2人目
ユージ:まずは、この試合に至るまでの井上選手を振り返ってみましょう。コメントを寄せてくれたのは、スポーツジャーナリストの近藤隆夫さんです!
近藤:井上尚弥選手は昨年12月に、イギリスのポール・バトラー選手を11回KOで下し、バンタム級の4団体世界王座を統一しました。その4本のベルトを、1カ月後の今年1月に返上します。スーパーバンタム級に階級を上げて7月25日(火)、2団体世界王者のスティーブン・フルトン選手と対戦しました。
フルトン選手は無敗のテクニシャンで、かなりの実績を持っています。そのため、井上選手が苦戦をする予想もありましたが、心配は無用でした。8ラウンドTKO勝ち、プラン通りの勝利でした。これで、「ライトフライ」「スーパーフライ」「バンタム」「スーパーバンタム」と、4階級を制覇しました。
井上選手を含めて、4団体の世界王座を統一したのは過去に9人です。そのなかで、4団体統一と共に4階級を制覇している選手は過去に2人しかいません。現スーパーミドル級チャンピオンのカネロこと、サウル・アルバレス選手と井上選手だけです。
また、井上選手は先日の勝利で、世界戦でなんと20連勝しました。デビューから数えると25連勝です。その25勝のうち、22のKO勝ちがあります。KO率は実に88パーセントです。これは驚異的な数字です。
ボクシング界で世界的な権威をもつ専門誌「ザ・リング」においても「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」(※ボクシングや総合格闘技、キックボクシングなどの格闘技において、全階級で体重差のハンデがない場合、誰が最強であるかを指す称号のこと)と称される井上尚弥選手は、もはや単に世界チャンピオンだけではありません。世界が認める、トップ・オブ・トップのボクサーになっているのです。
ユージ:重量級と比べて軽量級のクラスでは「KOで決まる試合が比較的少ない」といわれていますが、そのクラスにおいて88%のKO率を誇る井上選手です。ボクシング界の新しい伝説を築き上げている1人といっても過言ではありません!
◆よりパワーを発揮できるようになった井上選手
近藤:先日の試合が、スーパーバンタム級に上げた初めての戦いでした。それがいきなりの世界タイトルマッチです。そのため、井上選手のパワー、テクニック、これはバンタム級では通用したのですが、「スーパーバンタムでは通用しないのではないか」と不安視する声もありましたが、そんなことはありませんでした。スーパーバンタムでも十分に通用することをKOで証明しました。
実はバンタム級で戦っていたときから、スーパーバンタムに階級を上げることを想定した体作りをしていました。無理に階級を上げたわけではありません。バンタムから1.8キログラム上がったことで、よりパワーを発揮できるようになっています。スーパーバンタム級こそが、井上選手の適正階級と言えるでしょう。
ユージ:体重ほんの数キログラムの差で大きな違いが生まれるボクシング界において、階級を上げたり下げたりするのは選手にとっても大変なことです。4階級目となるスーパーバンタム級こそが井上選手の適正階級ということで、さらなる活躍を期待せずにはいられません!
吉田:そんな井上選手の次の目標となるのが、スーパーバンタム級の4団体王座統一! 今回の試合でWBCとWBOの2つのチャンピオンベルトを手にした井上選手、残る団体は、WBAとIBFです。現在、その2つのベルトを持っているのが、フィリピンのマーロン・タパレス選手です。今回の試合を観客席で観ていたタパレス選手は試合後、リングに上がって、井上選手と4団体統一戦をおこなうことを約束しました。
近藤:井上選手が年内、おそらく12月に行われるタパレス戦で勝利し、2階級における4団体王座統一を果たしたならば、次はフェザー級への挑戦、そんな声もファンの間から聞こえてきそうですが、すぐに階級をアップさせることはなさそうです。
井上選手も「すぐに階級を上げることは考えていない。当分の間はスーパーバンタム級で戦っていく」と話しています。まずは4団体統一。来年はタイトル防衛戦を重ねていくことになるでしょう。
また、周囲が期待する対戦相手も多くいます。まずはバンタム級時代から井上選手を挑発し続けている、フィリピンのジョンリル・カシメロ選手、5年前に山中慎介選手と戦い、試合前の計量オーバーで物議をかもしたメキシコのルイス・ネリ選手、そして亀田和毅選手。興味深いマッチアップがまだまだあります。まずは年内におこなわれる予定のタパレスとの4団体統一戦が実現することを願い、楽しみに待ちたいと思います。
ユージ:実現すれば興味深い試合になると思います! ここから快進撃が続くと信じています! 30歳ですから、年齢的に余裕があるわけではないです。まずは、目の前の目標「スーパーバンタム級の4団体王座統一」。井上選手、期待しています!
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7月28日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2023年8月5日(土) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月曜~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世