日曜日の昼下がり、静かな通りに佇む一軒の店「your time」に集うお客様たち。カウンター越しには、それぞれの個性あふれる物語が聞こえてきます。パーソナリティのチャンカワイがお届けするTOKYO FMの番組「ヱビスビール presents Color Your Time」。

7月23日（日）、7月30日（日）放送回のゲストは、元力士でタレントの豊ノ島さんです。自分時間「my time」にまつわる物語をひも解いていきます。

（左から）チャンカワイ、豊ノ島さん

◆娘や妻の支えが自分を強くした

豊ノ島：自分は左アキレス腱断裂という大きなケガをしまして。当時の師匠に「もう引退します」というお話をして、師匠からも了承を得て、その日に家に帰ったら娘から「お相撲辞めないでね」っていきなり言われたんですよ。

チャンカワイ：なにも言ってないのに!?

豊ノ島：ええ、なにも言っていないのに。これはもう「娘にこんなことを言われたからには、まだまだ頑張らなきゃ」と思って、幕下陥落から関取にまで巻き返したんですけど。

チャンカワイ：相撲って孤独との闘いみたいな印象を持っていましたけど、いろんな応援や力が周りにはあるものなんですね。

豊ノ島：それで言うと、白鳳関と優勝決定戦で相まみえたことがあるんですけど、周りの期待が大きすぎて、逆に孤独感をものすごく感じてしまったんですね。土俵に向かう花道を通っていくときに、みんなから「頑張れ！」って言われることが、プレッシャーすらも超えてただただ孤独なんですよ。

応援の声は確かに聞こえるんですけど、結局は土俵にあがったら一人じゃないですか。「うわー、孤独だなぁ」って感じて。「誰のために闘いますか？」なんて聞かれても、「いや、自分のために闘います」って言うようにしていたんですけど、ケガをして復帰してからは「娘や妻の支えがあったから、自分は孤独ではないんだ」「支えというものが自分を強くした」、そんなふうに思うようになりましたね。

（左から）豊ノ島さん、チャンカワイ

◆今、一番のモチベーションとは？

チャンカワイ：タレントに転向して、日常生活は全然違うものになりましたか？

豊ノ島：そうですね。娘の誕生日が7月6日なんですけど、今まではだいたい大相撲夏場所で名古屋に行っていたんですよ。今年から東京で一緒にお祝いできるようになったのが嬉しいですね。

チャンカワイ：お家でお祝いされたんですか？

豊ノ島：はい。飾り付けなんかもして（笑）。

チャンカワイ：うわー、素敵。

豊ノ島：「何かしてほしいことってある？」って聞いたら「飾り付けをしてほしい」って言うので、学校に行っている間に妻とふたりで飾り付けをしていたんですよね。そうしたら、その日は5時間授業だったことをすっかり忘れていて、飾り付けの最後の段階で帰ってきちゃったんですよ。「ただいま〜」って（笑）。でも、喜んでくれました。

チャンカワイ：それは良かった！ 今の仕事に対する情熱やモチベーションって、どこにあるんですかね？

豊ノ島：やっぱり、相撲界を離れることで家族は不安であったと思うんですけど、家族を食べさせていかなくてはならないって言うのが、まあリアルな話になりますけど、一番のモチベーションになりますね。




＜番組概要＞
番組名：「ヱビスビール presents Color Your Time」
放送日時：日曜 14:55～15:00
パーソナリティ：チャンカワイ