DEAN FUJIOKA「何かが切り替わった感じがした」音楽のキャリアにおいて“ターニングポイント”となった楽曲とは?

ジョージ・ウィリアムズ、安田レイがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生放送ラジオ番組「JA全農 COUNTDOWN JAPAN」(毎週土曜 13:00~13:55)。8月12日(土)の放送は、DEAN FUJIOKAさんが登場。7月26日(水)リリースのベストアルバム『Stars of the Lid』のお話や、9月23日(土・祝)開催の「DEAN FUJIOKA Live 2023 “Stars of the Lid” at 日本武道館」の意気込みを伺いました。


(左から)ジョージ・ウィリアムズ、DEAN FUJIOKAさん、安田レイ



◆音楽活動のターニングポイント

――DEAN FUJIOKAさんは、今年で日本での音楽活動10周年を迎えました! 振り返ってみて、特に印象に残っている瞬間はありますか?

DEAN:自分は手作りで音楽活動を始めて、最初は作り方も分からないし、オペレーションの仕方も音楽ビジネスのことも分からなかったけど、やる以外の選択肢がなかったんですよ。

それが2008年か2009年頃で、そこからファーストアルバムをインドネシアで作り始めて気付いたら……まるで無酸素運動みたいな日々を過ごしていくなかで、やっと自分が思ったことを具現化できるような手ごたえを感じてきました。

それに“自分が歌う”っていうところにおいても一貫性みたいなものを感じられるようになってきて、それが「Echo」っていう曲を作ったときに、すごく自分のなかで何かが切り替わった感じがしたんですね。そこが音楽のキャリアにおいてのターニングポイントだったかなと思いますね。

◆表現活動のステートメントとなる1曲

――日本での音楽活動10周年を記念したベストアルバム『Stars of the Lid』が7月26日(水)にリリースされました。なぜこのタイトルになったのですか?

DEAN:プラネタリウムや夜空を見上げると、星座がたくさんあるじゃないですか。(昔の人は)星の1個1個に想像力を使って名前をつけたり、神話・物語を作りましたよね。自分も音楽を作り続けて、1曲1曲に名前をつけて、それぞれの物語がある曲たちがベスト盤に入っている、というのが、そういう星たちとすごく似ているなと思って。だから、このタイトルがぴったりだなと思ってつけました。

――アルバムの曲順はリリース順ではないそうですね。どのように決めていったのですか?

DEAN:いろんなパターンをたくさん考えたんですけど、(今回のアルバムが)2枚組になるのは当初から分かっていたので“メビウスの輪”みたいな形状を作りたかったんですよね。

だからこそ、1枚目はこの曲で始まり、この曲で終わって、2枚目はこれで始まってこの曲で終わる。だけど(聴いているうちに)気づいたら“どっちが1枚目か分からない”とか、ループで聴いたときに“どこで1枚目と2枚目が切り替わったのかが分からない”というような錯覚というか、経験ができるようなベストアルバムを作れたら、ずっと楽しんで聴いてもらえるんじゃないかなと思って、今回の曲順になりました。

――10年間で音楽への向き合い方はどのように変わりましたか?

DEAN:さっきの星座群の話とか、メビウスの輪ともつながるんだけど、例えば、人間の歴史において、もともと天動説が信じられてきたなかで、途中で“それは科学的に間違っているでしょ”となって、今度は地動説が有力な説になって。

でも、(天動説を唱えてきた人たちからしたら)信念を貫いて証明したい……みたいな、すごく大きな常識の転換期が人類の歴史上にあったわけですよね。それが、自分の音楽活動のスタンスにオーバーラップしたんですよ。

というのも、音楽って“虚構だからこそ持てる美しさ”みたいなところがあるじゃないですか、“嘘だからこそ結晶化できる美しさ”みたいな。でも、逆に真実が持つ鋭さ、厳しさがあるからこそ、説得力を持っていたり共感できるものになり得るわけです。

それら相反するものが、メビウスの輪のようにつながって輪ができるからこそ、嘘・虚構を使って何か作品を作ったときに、その説得力の強さとか真実性みたいなものが生まれる、というイメージが(できるようになった)。

しかも、この10数年において“時を積み上げていく”ということの意味に気付けたというか、今回のベストアルバムで、新曲として一番最初に作ったのが(Disc.01)1曲目の「Final Currency」っていう曲で、世の中には日本円とかUSドルとか、いろんなCurrency(通貨)がありますけど、自分にとっては“時間”こそがFinal Currencyだなって明確に思えるようになって。それでこの曲ができたので、自分の音楽活動・表現活動のステートメントになったと思える1曲になりましたね。

――9月23日(土・祝)には「DEAN FUJIOKA Live 2023 “Stars of the Lid” at 日本武道館」が開催されます。現在、どのような心境ですか?

DEAN:もともと、いち音楽ファンとして観に行った武道館というステージに立たせてもらうっていうのが……なんでしょうね。ステージに立つ意味みたいなものは(ライブを通じて)作り上げていくものなのかなとも思うし、それをファンの方だったり、いろんな仲間たちと一緒に共有できることに、すごく感謝したいですね。

次回8月19日(土)の放送は、ゴスペラーズの村上てつやさん、酒井雄二さんをゲストに迎えてお届けします。

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8月12日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2023年8月20日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:JA全農 COUNTDOWN JAPAN
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜 13:00~13:55
パーソナリティ:ジョージ・ウィリアムズ、安田レイ
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/cdj/