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神田さんは、1967年生まれ。東京都出身。
ベートーヴェンの『運命』から ラヴェルの『ボレロ』まで、
オーケストレーションをたった1台のエレクトーンで奏でる!という、
電子楽器の常識を覆したエレクトーン奏者として、国内外で活躍されていらっしゃいます。
エレクトーンといえば、ポピュラーミュージックやジャズなどの分野が多い中、
クラシックを奏でる神田さん。
2006年からは、クラシック専用ホールでのリサイタルを続けてこられています。
神田「視覚と聴覚が合わないって、お客様によく言われます(笑)
エレクトーンの進化に従って、生々しい楽器の音を出せるようになり、
それで私も、『皆さんにクラシックを聴いていただけるんじゃないかな』と思って
クラシック専用ホールで、リサイタルを開催するようになりました。
今一番新しいエレクトーンですと、1082種類の楽器の音、
それに加えて様々な打楽器の音が出ますので、ほぼ無限に素材がある、という形です。」
エレクトーンの発祥は日本で1つ1つ手作業で生み出されており、とても丈夫な楽器。
鼓、京劇の掛け声、中東のエキゾチックな打楽器など、世界中の音がつまっています。
そのため、エレクトーン奏者にとって、数多ある音を組み合わせるセンスは重要です。
更には、かつて聴いた音楽を再現することや、
今まで聴いたことのない音楽を作り出すなど、演奏方法もさまざまです!
2009年から、仙台クラシックフェスティバルに連続出演。
2013年と2014年には、霧島国際音楽祭にも出演。
これらはエレクトーン演奏家として史上初の快挙でした。
そして、2021年には、エレクトーン史上初となる
東京文化会館大ホールでリサイタルを成功させています。
神田「フルオーケストラでも余るステージに、私とエレクトーンだけで、ちょっと寂しくて。
お客さんも、これ大丈夫?って思っていたそうなんで(笑)
でも始まれば、壮大な音がバーンッと鳴りますので、音楽の世界に浸って下さったかと思います。
演奏は時間かけて練習すると、ある日突然、なんでも出来るようになりますが…
楽譜を作るのには、ものすごい時間がかかりますね。
エレクトーンの楽譜って売ってはいますが、自分流の演奏がしたくなると
オーケストラの総譜を元に自分用の楽譜を作っていきます。
10本の指と、一本の足で収まるようにする作業が…もうパズルです!
ページは100ぺージを超えることもありますが、
ipadであれば、目の瞬きで楽譜をめくれるので、ウィンクが上手くなりました(笑)」
神田さんは現在、全国の小中学校への訪問コンサートもされています。
目の輝きに幸せを感じ、音楽を続けてきて良かった瞬間、という神田さん。
神田「音楽は学ぶというよりも感性を養って、心の栄養になりますから
限られた機会でも、いい音楽に触れてほしいなぁと思います。」
来週も、神田さんにお話伺います。
お楽しみに!
M. 富貴晴美:HAKONECTION / 神田将