手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「井村屋えいようかん presents 防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。9月2日(土)の放送では、東京大学の廣井悠(ひろい・ゆう)教授に「火災旋風」について伺いました。
※写真はイメージです
今年の9月1日(金)で関東大震災発生から100年を迎えました。そこで9月は、当時の被害状況を振り返ります。今回取り上げたのは「火災旋風から考える~地震火災~」についてです。
関東大震災では、火災旋風が猛威を振るいました。火災旋風について、廣井教授は「炎の竜巻が家屋や人を吹き飛ばして町を焼き尽くす現象のことで、高さは150~200メートルもあります」と解説。
発生のメカニズムについては、研究機関や大学で調べているものの、いまだ解明には至っていないそうですが、「関東大震災では、少なくとも東京で100個ぐらいは発生し、なかでも東京・墨田区の被服廠跡(ひふくしょうあと)では、火災旋風が原因で約4万人の方が犠牲になったと言われています」と説明します。
また、火災旋風は渦のなかに“炎を含むもの”と”含まないもの”の2種類あると言われていますが、炎が含まれなくても風速は最大60メートルにもなり、砂ぼこりや煙を巻き込み、自転車や荷車も舞い上げられたという報告があります。
そして、廣井さんは「火災旋風は首都直下地震でも起きる可能性はゼロではない」と指摘します。東京都によると、都内の木造住宅密集地域はJR山手線の外側を中心に約8,600ヘクタールあり、23区の総面積の約14%を占めています。関東大震災に比べれば燃えにくい住宅が増えたとはいえ、地震後に火災が同時に起きて広範囲に燃え広がる恐れは十分にあると言います。
甚大な被害につながる火災旋風の発生を防ぐには、そもそもの出火対策や延焼防止対策が重要で、そのためには火災が拡大する前に消し止める必要があります。そのためにも、家に感震ブレーカーを設置したり、消火器などを使った初期消火が重要とのことです。
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9月2日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)聴取期限 2023年9月10日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:井村屋えいようかん presents 防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋