2023/11/5  森林の二酸化炭素吸収量を測ってみよう!

林学博士、西野文貴さんプロデュースの「里山ZERO BASE」と連動したラジオ番組 『Sato Note』(interfm 毎週日曜 8:00~8:30on air♪)

  1. おはサト~!
    3連休、最終日、皆さんいかがお過ごしですか?

    今週のサトノートの
    ワクワクキーワードは
    🌳「森林の二酸化炭素吸収量を測ってみよう!」


    「なんだか難しそう🤔」と思った方もいるかもしれませんが、
    ご安心を!
    サトノートには、"林学博士・ドクトル西野氏”
    なんでも突っ込み、鋭い質問をする"万里恵さん”がいます😆‼️

    1105_4.jpg

    やってきたのは、
    里山ゼロベースの活動拠点、
    千葉県・
    きみつのさんぽ道にある「スギ・ひのき林」

    ドドーーーーーン!
    目の前にあるのは、立派なスギの樹!😆

    1105_11.jpg

    まずは、体積を調べます。
    先ずは、高さ!
    10m少しまで図れる「樹高棒」(通称:にょい棒)を使います。
    目でみて、何メートルか分かるようにカラフル使用に✨

    今は、まだ、ドクトルの身長くらいですが、
    これを、少しずつ伸ばし・・・

    1105_1.jpg

    1105_5.jpg 1105_12+.jpg
     
    どんどん、伸ばしていく!(地味だけど大変な作業!!😵)

    万里恵さん:こんなことやってんだ!!

    ドクトル:12メーターまで延ばせた!
        これを遠くからみて、+何メートルかを観測。
        20メーターくらいある!

    夏場の計測は、それはそれは、かなり大変なのだとか。。。
    調査って、、、大変ですね。
        
    続いて、幹の周りを測ります。
    (人間でいう、お腹周り!)
    1105_2.jpg

    胸高直径といって、胸の高さの直径、だいたい
    1.2~1.3mくらいのところを測っていきます。
     
    幹回りの周囲は大体、1メートル3センチ。
     
    ******************
    ◆樹齢40年の杉で計ってみる◆
    樹高 20m
    周囲 103cm
    直径 33cm (周囲÷3.14)
    材積 0.8㎥㎥
    ******************
     
     
    スギやヒノキは日本に多く生息しており
    林野庁森林総合研究所と呼ばれる国の機関が
    たくさん調査をしており、計算式があるので、
    それに当てはめて、計算をしていきます!

    (※真面目モードなお2人!)
    1105_7.jpg
     
     
    ●材積から炭素の量を算出
    材積0.8㎥に、容積の密度(既存の研究から出た値を使用→314kg/m3)、
    炭素の含有率(通説として炭素は樹種によらず全体の半分を占めている→0.5)をかけると=125.6  

    すると・・・
    この40年の杉には、125.6㎏炭素があります!


    続いて・・・
    ●炭素(C)を二酸化炭素(co2)に変換
    化学式で炭素に3.67かけます。
    125.6×3.67=およそ460

    すると・・・
    この40年生のスギは今までに、
    460㎏の二酸化炭素を吸収していた計算になります!
     
    ※ただし、今日はシンプルにするため割愛しましたが、
    本来なら「枝や根っこ」の材積も計算するので
    この数字よりもう少し、二酸化炭素を吸収している計算になります。
     
     
    ●では、人間が1年間で吐く二酸化炭素の量と比較してみましょう。
    人間が1年間で吐くco2の量は 320㎏
     
    この杉が1年間で吸収するco2の量は、
    単純計算で、460㎏を40年で割ると=およそ1年間で平均11.5㎏の吸収量と出ました
    320kg(人間1年間の二酸化炭素吸収量)÷11.5=27.7 約28


    人間が1年間で吐く二酸化炭素を吸収するには
    40年生の杉が、およそ28本必要、という計算に!

    (この結果を聞いた万里恵さんの表情にご注目!)
    1105_6.jpg
     
    皆さん、改め考えてみて、いかがですか?
     
     
    万里恵さん:樹齢40年のスギで計算してきたけど
          樹齢1年と、樹齢100年の木だと、違う?
     
    ドクトル:するどい質問!
        二酸化炭素を吸収するピークは、人間と同じで、20年くらい。
        その後、20年~40年でゆるやかに下がっていく。
        40年くらいから、ぐっと減っていくイメージ。
        コンスタントに同じ量を吸っているわけではない、
     
        全国のスギや桧は、樹齢が約70年を迎えると聞く。
        二酸化炭素の吸収量を考えると、
        70年経った木をどんどん伐採して、
        新しい木を植えていく、そんな時期にきているのでは?と思う。

    1105_8.jpg
    万里恵さん:植えることで、CO2を吸収できることも分かった。
     
    ドクトル:さらに、今回は、スギやヒノキの20歳の木に比べると
        ブダ、スダジィは、そんなに吸わない。
        だけど、マラソンでいく長距離選手みたいに
        コンスタントに二酸化炭素の吸収をしていく。
     
    万里恵さん:どっちがいいんだろう?
     
    ドクトル:僕としては、「森」という漢字のように「木」の下に「林」があるように
        林床といって、中がミルフィーユのようになっていて、
        たくさんの光が受けられて、みんなで酸素を出して
        二酸化炭素を吸収していった方が、おそらく森全体としては
        広葉樹の方が、長いスパンを考えていくと、いいんじゃないかなと思います。
        
        さらに、下草があることで、大きな雨が降ったときも
        土砂崩れが起きにくく、生物多様性にも貢献することを考えると
        これから先、やっぱり、広葉樹の森が必要だと思う。
     
    万里恵さん:確かに、色んな面を考えると
          もっと広葉樹の森があってもいいですね!
     
    ドクトル:その地域の動植物を含めてみんな守れることを考えると
          目に見えない、数値化できないけど
         面白さと大切さがそこにあると思う。
     
    万里恵さん:同じように見える森だけど、
          針葉樹と広葉樹の森は違うんですね~
     
     
        

    *****************************

    番組では「あなたが里山でやりたいアイデア」や
    「ドクトル西野への質問」を募集中!
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