今回お話を伺ったのは、山形県の北東部 最上地方に位置する舟形町で
マッシュルーム栽培を行う、有限会社 舟形マッシュルーム3代目の長澤大輔さんです。
旨味が強くクセが少ない「舟形マッシュルーム」。
アミノ酸や食物繊維が豊富のため、生でサラダに入れて食べるのがおすすめだとか。
元々マッシュルーム栽培は日本各地の個人農家により行われてきました。
その理由は、使用する堆肥の原料が藁であること。
稲刈りが終わった後の稲藁を堆肥にし、農家の冬場の仕事として行われるケースが主でした。
舟形町は、冬場は2m以上の積雪がある豪雪地帯。
同じようにマッシュルーム栽培が根付いていったという背景があります。
しかし、近年は栽培環境の変化により個人農家は減少の一途を辿っています。
「舟形マッシュルーム」は、40年~50年前に長澤さんのお祖父様が始めました。
当時は、洋食文化の発展により生食ではなく水煮のマッシュルーム生産が盛んでした。
その状況を逆手にとり「いつか生食のマッシュルームの需要が増える」と考えた
2代目のお父様により、無農薬で通年の栽培が可能な施設が作られました。
それが「舟形マッシュルーム」の始まりです。
さらに、「舟形マッシュルーム」は2018年に
マッシュルーム業界では初となる有機JAS認証を取得しています。
有機認証を得るには厳しい条件をクリアしなければなりません。
ですが、「舟形マッシュルーム」は元々、農薬・化学肥料などを一切使用せず、
有機資源を使って金賞を作るというこだわりがあったため、取得のための大きな変化はありませんでした。
当たり前のことを当たり前のように続けてきた結果でした。
今でも「舟形マッシュルーム」は未利用資源とされる馬の寝藁を活用して栽培しています。
また、生産されたマッシュルームは自社工場で加工して出荷まで行うため一切の無駄がありません。
さらに、使い終わった菌床は県内の農家に堆肥として還元しています。
環境負荷を少なくし、出てくる物全てに価値があるものに変えていくことを大事にされています。
「農業全般に言えることなのですが、有機資源を使って美味しい物を作り
それを無駄なく使い切るプロセスは意義のあることだと考えています。」と話す長澤さん。
環境に優しく、美味しい舟形マッシュルーム。
ぜひ一度、ご賞味ください。
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「舟形マッシュルーム」
〒999-4605 山形県最上郡舟形町長沢6831
TEL:0233-32-8064
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