競合はいない、その意味とは?「FABRIC TOKYO」の裏側

『お店ラジオ』にようこそ!
パーソナリティは、事業投資家の三戸政和さんと、スマレジ代表の山本博士さん。
ゲストは、先週に引き続き、株式会社FABRIC TOKYOの代表取締役CEO、森雄一郎さんでした。

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ECサイトをメインに、オーダースーツを販売している「FABRIC TOKYO」。
サービスを始めた2014年当時は、まだまだ日本の工場のIT化は遅れていたと言います。
そんな中、どのようにして工場とのやりとりをITに変えていったのでしょうか。
「最初はFAXでのやり取り。店舗を作ったあとに受注数が増えまして、徐々にシステム化していったという流れですね。ちょうど10年前って、中国の経済がものすごいスピードで盛り上がっていて、現場にITがどんどん入っていた時代なんです。それで、日本の工場も危機感があったので、IT化に対するテンションは高かった。そこで我々が、ベンチャーキャピタルから資金を調達して、システムをどんどん作って、『工場はそれを導入してください』と。工場側の負担は一切無しでいい、というやり方。すると、他社との取り引きと比べて、我々との取り引きのほうがスムーズにいく。プロセスも簡略化されていますし、余計な人件費もかからない。データ管理や紙の処理などやらなくて済む、ということで非常に良く捉えてくださって、導入が進んでいったという背景があります」
なるほど、もともと工場側もIT化に向けて意識が高かったんですね~。
とはいえ、FAXでやりとりしていたような時代。具体的にどのように進めていったのでしょうか?
「まずは、FAXで届けていた紙をPDFにして、電子ファイルで整理していく」というやり方に変えていったという森さん。
「今、10の工場と取り引きしているんですけれど、それぞれの工場で受注のフォーマットが違ったりするんですね。なので、その10の工場に合わせたフォーマットを一つひとつ作りました。システムは共通なんですけれど、アウトプットのところが全てオーダーメイドということです。ただ、今はもうその仕組みは使っていなくて、基本的に全てCADのデータを直接工場に送ります。CSVファイルみたいな感じですね。お客様の受注の情報だったり、カスタムの情報といったものが全てそこに入っています」
現在では、工場とのやりとりは完全にデジタル化されているということですね!

こういった経緯を伺うと、かなりの時間と手間がかかっていることが分かりますが、ECサイトでオーダースーツを販売するというビジネスについて、その分メリットはあるのでしょうか…?
「スーツ量販店や百貨店など参入はしてきているものの、かなり初期投資がかかるビジネスモデルになっていまして、ECサイトの開発も億単位の投資は必要ですし、工場とのつなぎ込みのシステムも数億円かけて開発するようなものになるので、損益分岐まで到達するのに何年かかるんだっていう議論になったという話はどこかで聞きました。客観的に見ると、確かにそうだなぁ~って思いましたね。ただ、この10年間、愚直にそのあたりを続けてきたからこそシステムの優位性も出ましたし、時間はかかるんですけれど、利益率は後から上がってくるようなビジネスモデルです。初期投資の回収に時間がかかるので、大手企業さんほどやりづらいかもですね」
10年経った今、広い意味での競合は存在していても、「FABRIC TOKYO」のようなユニークな企業は他にないため、「あまり競合はいない」とのことでした。
さすが、アパレル業界におけるD2Cブランドのパイオニアですね。

では、「店舗」での販売において、一般的なアパレルショップと異なる点はあるのでしょうか。
すると、「FABRIC TOKYO」の場合は、「実は接客時間が短いほうが、ライフタイムバリューが上がる」と森さん。
「じっくり買いたいというより、いかに効率的に店舗体験ができるかってところをお客さまは求めているので、そういう結果になっているのかなと思います。一般的なアパレルのお店だと、いかに良質な顧客を獲得して店舗で多く売り続けるかという『店舗売上』が一つのKPIになってくると思うんですけれど、弊社の場合は(店舗は)採寸に特化している。ただ最初のブランドとの出会いが店舗での採寸になるので、非常に重要だよね…と。そこでの良い経験だったり良いデータが、後々のお客さまのリピートだったり、顧客単価に関わってくるので、リピート率や将来のライフタイムバリューの額をKPIにしているカタチです」

最後に、「まだまだ小さな会社なので」と語る森さんに、「FABRIC TOKYO」のこの先について伺いました。
「この業界では、店員さんと会話を楽しむことを“セッション”と呼ぶお客さまが多いんですけれど、セッションが発生する買い方って根強いニーズがあると思っていて、今は我々の会社の仕事ではないと思っているんですけれども、将来的に、こだわり層のお客さまにはセッションが必要な業態もアリだと思っています。一方で、より手軽な買い方、例えば『人の手による採寸もいらないよ』っていう顧客層もいると思っていまして、そこのテクノロジーの開発なんかも今試しているところではありますね」
なかなか類を見ない業態だからこそ、この先の「FABRIC TOKYO」の進化に注目していきましょう!


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