古田新太「こんなに“でたらめ”ができる職業があるんだ」ミュージカルの世界を志したきっかけを語る

俳優・ミュージシャンの松下奈緒がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「Grand Seiko presents My Time My Story」(毎週土曜12:00~12:25)。月替わりでゲストをお迎えして、“願いが叶ったときのこと”や“達成したときの喜び”、“心躍る瞬間”について伺っていくプログラムです。2025年1月のマンスリーゲストは、俳優の古田新太さん。この記事では「ミュージカルとの出会い」について伺った1月11日(土)放送の模様を紹介します。


(左から)松下奈緒、古田新太さん



◆心躍る瞬間「小学生のときに観たミュージカル『ふたりのロッテ』」

松下:今月お迎えしているゲストは、俳優の古田新太さんです。よろしくお願いいたします。今週も古田さんの“心躍る瞬間”について伺っていきます。今回お話いただくのはどんな瞬間でしょうか?

古田:おいらが“心躍った瞬間”は「小学生のときに観たミュージカル『ふたりのロッテ』」です。

松下:それでは時計の針をその瞬間に戻していきましょう。小学生のときにミュージカルを観劇されているんですね。

古田:学校の芸術鑑賞会みたいなものに行かされたんですけど、まったく興味がなくて、オープニングの幕が開いてすぐに寝ちゃって。だから、「『ふたりのロッテ』です」って言っているけど、ストーリーは全然覚えちゃいない。

松下:(笑)。

古田:だけど、起きたら市場のシーンで、八百屋さんや魚屋さん、牧師さんが出ていて、その人たちが急に歌って踊りだしたの。その瞬間“そんな市場なんかに行ったことねえ!”“なんてバカバカしい世界なんだ”と思って。

松下:確かに。目を覚ました瞬間に、リアリティとはかけ離れた世界を観たんですね。

古田:それで“これは面白い、何をやってもアリなんだ”と思って。その頃は“漫画家になりたい”“プロレスラーになりたい”“ロックミュージシャンになりたい”なんて思っていたけど、そのミュージカルを観たら“(俳優は)何にでもなれるんだ”と。

松下:ステージ上であればミュージシャンにもなれるし、プロレスラーにもなれるし、自分の好きなものがすべてそこで叶えられる。

古田:そして、歌って踊ってもいい。“こんなお得な商売はないな”と。

松下:それが俳優という職業へつながっていったのですか?

古田:そう。“こんなに「でたらめ」ができる職業があるんだ”って。

松下:ある意味、自由ですもんね。

古田:それで“ミュージカル俳優っていいぞ”と思って、ミュージカル俳優になりたいなと(思うようになった)。

◆やっておいたほうが得

松下:そこから古田少年は具体的に動き出したのですか?

古田:楽器はやっていたし、歌も好きだったけど、小学生だからなかなか叶わない。中学生になって演劇部に入ろうと思ったんだけど、演劇部がなくて。

松下:あら。

古田:それで、無理やり先生に「1回、体育館を貸してもらえませんか?」と頼み込んで、ミュージカルをやったんです。

松下:ええ!? それは脚本も書いて?

古田:脚本は「太った殿様」というもので。

松下:絵本ですよね?

古田:そうそう。それで、おいらは太った殿様。

松下:(笑)。

古田:お客さんを呼びたかったから各運動部のキャプテン、いわゆるモテるやつらに「お前ら、ミュージカルやるぜ」と声をかけて。そして、1人の先生を巻き込んで、木戸銭で100円を取ってやったら結構いっぱい集まったの。

松下:すごい! そのときからいろんな構想が頭のなかに生まれていたんですね。

古田:(そのミュージカルでは)くだらないギャグとかも入れて。

松下:脚本は有りのものだったけれど、オリジナリティも入れて?

古田:「太った殿様」は民話劇なんだけど、おいら(殿様)は志村さんのバカ殿のメイクをしていたから(笑)。

松下:白塗りで(笑)。既にもう今の古田さんに通じるものがありますね。

古田:中学のときからそんな感じだったけど、高校では演劇部に入って、クラシックバレエとタップをやり始めて。それとは別に、ストリートでブレイクダンスとかが流行っていたから、ウィンドミルとかバックスピンとかもやっていたの。

松下:すごい! ひと通り全部のことを……できないことがないんじゃないですか?

古田:“(ひと通り)やっておいたほうが得だな”という考えだったので。準備するより、監督に「これできる?」と聞かれたときに「できます」とすぐ言えるほうが目に留まりやすい。

松下:古田さんは、よく(若い)役者さんに「ダンスはやっておいたほうがいい」みたいなことをおっしゃいますが、そういうことなんですね。“いつでも対応できるように準備をしておく”と。

古田:監督によっては、日本刀を使って立ち回りをしているのに、急に「古田さん、ヌンチャクできる?」って(笑)。それでも「はい」と言う。

松下:古田さんが「ノー」と言っている姿を見たことがないです。

古田:ただ単に早く帰りたいんだよ(笑)。

松下:(笑)。それが理由だとしても、できないことって絶対にあるじゃないですか。でも、古田さんの場合はないんですよ。すごいなぁ。


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1月11日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年1月19日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:Grand Seiko presents My Time My Story
放送日時:毎週土曜 12:00~12:25
パーソナリティ:松下奈緒
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mystory/

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