2025年1月18日

西村由紀江のSmile Wind

番組で何度かお話ししている

葉加瀬太郎さん、柏木広樹さん、そして私とのトリオ、NH&K TRIO

活動は今年で7年目になります。

 

年月を重ねるほど3人で作り上げる音が熟成していくのが感じられ、

充実感と感動をおぼえます。

 

 

それぞれのオリジナル曲に加えてクラシックも演奏し、

レパートリーが少しずつ増えています。

 

中でも大切に育ててきた曲があります。

それが、アストル・ピアソラ作曲「ブエノスアイレスの四季」

 

ピアソラといえばリベルタンゴが有名。

もちろんトリオでもよく演奏します。

 

「ブエノスアイレスの四季」は、

以前から演奏したいとの太郎さんの強い思いがあり、あたためてきた曲。

2019年にトリオを結成した時から、

いつか3人で演奏したいと、熱く話してくれていました。

 

ただ、難しく深い曲なのですぐには弾けない。というか弾きたくない?

じっくり取り組んで育てたいということで、

トリオを結成した年の夏、初めて八ヶ岳に行った時に四季の中から、

まず「冬」を演奏。

 

翌年は「春」。 その翌年は「夏」。 そして「秋」と4年でコンプリート。

5年目2023年は2巡目の「冬」。

そして昨年の春にトリオの全国ツアーで四季すべてを演奏、

実に6年越しの計画が実ったということになりました。

そして満を辞して昨年夏に、八ヶ岳高原音楽堂でレコーディング。

 

1年目に冬を演奏したときは、

こんなに難しく深い曲がレコーディングできるか不安でしたが、

6年経つと自分の手の内に入っているのを感じる。

 

もちろん、さらに高みを目指す必要はあるんですが、

楽しんでレコーディングに臨むことができました。

 

八ヶ岳高原音楽堂でのレコーディングは、

いつもマイクや機材を東京から持ち込んでおこないます。

 

音楽堂はガラス張りで外の音も入ってきます。

つまり、雨、雷、蝉の声も入るということ。

 

でも密閉されていない分、私たちが奏でる音も防音壁にさえぎられないので、               
柔らかい響きをそのままレコーディングの音に閉じ込めることができるという利点も。

 

太郎さんは芸術肌で感覚的に見えるかもしれませんが、

先を見て、じっくり計画を立てるタイプ。

そして、その計画を実行し、必ず実現させるところは頭が下がる。

 

その太郎さんの計画を、前後左右から支え、

時には太郎さんに客観的な見を伝えて、

もっとよいものにしようと全身全霊で臨むのが柏木。

その2人を見ていると大いに刺激を受ける。

 

ご紹介したピアソラの「ブエノスアイレスの四季」は配信でお聴きいただけます。

前衛的で時に攻撃的、時に甘美、さまざまなシーンが登場する。

心が熱くなる、そしてロマンティックな気分に浸っていただけると嬉しいです。

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