世界35ヵ国・地域に展開するグローバル企業!味の素株式会社の“DX”に向けた取り組みをCDOが言及「“デジタルを使って何をするか”が重要」

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。3月22日(土)の放送は、味の素株式会社 執行役専務CDOの香田隆之(こうだ・たかゆき)さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)香田隆之さん、笹川友里



香田さんは1989年に味の素株式会社に入社し、アミノ酸などの発酵技術を用いた素材製造を中心に技術畑を経験。その後、タイ味の素社アミノ酸工場長、北米技術センター長、アメリカ味の素社上席副社長、生産統括センター長を経て、2015年に執行役員生産戦略部長に就任し、2019年に常務執行役員としてDXに参画。2021年に執行役常務CXO兼DX推進部長、2022年4月より執行役専務としてCDOを兼任しグループ全体のDXを推進しています。

◆「味の素社」の歴史

味の素株式会社は、当時東京大学の教授だった池田菊苗(いけだ・きくなえ)博士が“湯豆腐に昆布を入れるとなぜおいしくなるのか”を突き詰めた結果、アミノ酸の1種であるグルタミン酸ソーダが、4つの基本味である甘味、塩味、酸味、苦味とは違う、もう1つの味があることを発見し、それを「うま味」と命名。これを二代目・鈴木三郎助(すずき・さぶろうすけ)が調味料として世の中に広めていこうと考え、1909年に世界で初めて「うま味調味料」を製品化しました。

現在は、35の国や地域で事業展開され、売上は約1.5兆円。24ヵ国に116の工場を持ち、約3万5,000人の従業員を抱えるまでに成長しています。

事業内容としては食品事業をはじめ、サプリメントやスキンケアなど、アミノ酸の研究から波及したさまざまな事業に加えて、現在は半導体製造に必要不可欠な素材「味の素ビルドアップフィルム®(ABF)」も生産しており、香田さんは「皆さんがお使いのコンピューターのなかにもABFが使われたチップが入っています」と説明。このようなアミノ酸を徹底的に研究して生まれた事業やサービスを「アミノサイエンス®」と銘打ち、幅広く展開しています。

そこで笹川が、味の素社が社会のなかで目指していることについて伺うと、「会社のパーパス(志)として“アミノサイエンス®で人・社会・地球の Well-being に貢献する企業”を掲げています」と香田さん。また、これを達成するための経営の基本方針を、CSV(Creating Shared Value/自社の強みを用いて社会的課題の解決を目指す考え方)に因み、ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)と呼び、「社会課題の解決にはビジネスチャンスがある一方で、事業をおこなううえで社会に貢献しなければ意味がありません。この2つを両立させて、社会に対して我々がどのように存在価値を示していくか。これが1つの大事な考え方です」と語ります。

◆DXで働き方にも変化

笹川が、味の素社におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みについて尋ねてみると、香田さんは「あくまでも、我々が掲げている会社のパーパスを実現するための手段の1つということで、“DXとしてのゴール=会社のゴール”と位置付けています。そして、これは(従業員の)皆さんにもよく言っていますが、DXの“X”、つまり、いかにトランスフォーム(進化)していけるかを大事にしています」と力を込めます。

さらには、「当社の場合、私は二代目のCDOなのですが、先代が初めてDXに着手し、そのときに(DXについて)1から4まで定義しました。1は社内オペレーションの変革、2は今のビジネスパートナーと一緒に変革の輪をより広げること、3は他の人も呼び込んでビジネス自体の変化にもつなげていくこと、最後の4は、我々が社会にどうやって貢献できるのか。これらを各部署が同時並行的に取り組んでいます。長い取り組みになると思いますが、ゆくゆくは自分たちが発信したことで社会変革していきたいと思っています」とも。

とはいえ、香田さんは近年のDXの取り組みに手応えを感じているそうで、「デジタルツールを使うなど、DXが皆さんのなかで当たり前になりつつあることを実感してきています。いろんなアイデアや意見も出てくるようになって“ようやくここまできたかな”という感じですね」と振り返ります。

今後については「DXが生産現場だけでなく、法務部門など、ありとあらゆる人々が当たり前に使っていく時代がそこまで来ているので、我々はそこを目指さないといけない」と言います。

さらに、DXによる働き方の変化についても言及し、「例えば、生産の現場はさまざまなデータがオンタイムで出てきて、すぐにフィードバックできることは、もうみんな実感していると思います。

例えば、以前はオペレーションの状況を紙に記録し、それを後で見ていましたが、今はペーパーレスで作業でき、現場の責任者は会社にいなくてもそのデータをチェックし、異常がないことを判断できて(現場の)工程もどんどん進んでいきます。このように(DXによって)働き方も大きく変わっていく。そういう意味では、デジタルの活用によって働き方や組織運営、さらには要員構成などもだいぶ変化してきていると思います」とのこと。

最後に、笹川が「長らく生産現場を実際に見てきた香田さんがCDOに就任された本質的な意味を、どう捉えていらっしゃいますか?」と尋ねてみると、香田さんは「(DXにおいて)デジタルを使うことがゴールではなくて“デジタルを使って何をするか”が重要です。事業の大事なユニットプロセスや工程を熟知している人間が、デジタルをどう使うのか(を考えることが大事)。そのために、ウチの会社は二代続けて情報・デジタルの専門ではない人をCDOにしたと思うのです。なので、私自身は、ウチの会社にはこのやり方が合っていたのかなという気がします」と話していました。

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3月22日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年3月30日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里

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