現在開催中の万博で話題なのが、「火星の石」。
こちらは火星に取りに行ったものでは無く、
隕石として地球に落ちてきたものなんです。
その隕石が見つかったのは、なんと南極。
極寒の地が、なぜ宇宙のかけらを呼び寄せる場所になったのでしょうか?
展示されるのは、日本の南極観測隊が2000年に南極・やまと山脈付近で
発見した隕石です。
ラグビーボールほどのサイズで、重さはおよそ13キロ。
火星由来の隕石としては世界最大級とされています。
分析によって、この石はおよそ1300万年前に火星から飛来し、
数万年前に地球に到達したと考えられています。
なにがすごいのかというと、
内部には「水がないと生成されない粘土鉱物」も含まれているところ。
つまり、かつて火星に水が存在していた証拠としても注目されています。
ではなぜ「火星から来た」と分かったのか?
ヒントとなったのは、1970年代にNASAが火星探査機「バイキング」に
よって得たデータです。
バイキングが測定した火星の大気の成分と、隕石に閉じ込められていた
ガスの成分が一致したことで、「火星の石」であることが分かったんです。
ではなぜ南極で火星の隕石が見つかるのか?
実は南極は、隕石が見つかりやすい最高の場所なんです。
いくつかの理由があるのですが、まず初めに、氷に閉じ込められた隕石が、
氷の流れに乗ってゆっくり沿岸へ運ばれます。
山脈などで氷の流れが止まると、氷が風や昇華で削られて隕石が表に出てきます。
隕石は黒っぽいので、白い氷の上で非常に目立ちますよね。
なので発見しやすいんです。
また、極寒のため腐ることもありません。隕石がいい状態で保たれるんです。
日本の南極観測隊は1969年にやまと山脈で初めて隕石を発見し、
これまでになんと、1万6000個以上の隕石を収集しています。
今回の万博では、「火星の石」に加えて、「月の石」「小惑星イトカワの砂」
「小惑星リュウグウの砂」も展示されています。
本日の選曲
M1 正体 / オレンジスパイニクラブ
M2 惑星ループ / Eve
M3 Universe / Official髭男dism