「鍵」もデジタル化の時代!? 「スマホ」で入退室可能になる法人向けスマートロック「Akerun」を紹介

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。5月3日(土・祝)の放送は、株式会社Photosynth(フォトシンス)の代表取締役社長・河瀬航大(かわせ・こうだい)さんが登場。法人向けスマートロック「Akerun」について伺いました。


(左から)河瀬航大さん、笹川友里



河瀬さんは2011年に筑波大学理工学群卒業後、株式会社ガイアックスに入社し、ソーシャルメディアの分析・マーケティングに携わります。2014年に株式会社Photosynth(フォトシンス)を創業、代表取締役社長に就任し、スマートロックAkerunを主軸としたIoT事業を手掛けます。経済産業省が所管するNEDOが初めて認定した公認SUI(Start Up Innovator)第1号でもある。また、「Forbes 30 Under 30 Asia 2017」では、アジアを代表する人材としてConsumer Technology部門で選出。現在は筑波大学非常勤講師も務めています。

◆スマートロック「Akerun」誕生のきっかけは?

株式会社フォトシンスは、スマートロックを活用したクラウド型入退室管理システム「Akerun」を法人向けに展開する企業です。既存のオフィスのサムターン錠に後付けで導入でき、取り付け後は社員証、交通系ICカード、スマートフォンなどを鍵として使え、外側からそのまま入退室できるようになります。導入社数は累計7,000社を突破しており、現在は都内のオフィスワーカーの8.4%が使用しています。

番組では、河瀬さんが実際にAkerunを用いた解錠のデモンストレーションを披露。それを見学した笹川は「遅延もなく(かざしたら)すぐに開くんですね!」と驚くと、河瀬さんは「開発チームが力を入れたポイントの1つです」と声を大にします。

このスマートロックを開発しようと思い立ったのは、約10年前にガジェット好きの友人たちが集まった飲み会で「鍵の管理が大変」という話題で盛り上がったことがきっかけだと言います。

「ふと考えてみると、カバンに入れるものでアナログなものがどんどんなくなってきているなかで、鍵のギザギザってセキュリティのパスワードがむき出しになっているような状態ですし、落とせば誰でも出入りできてしまうので『鍵もデジタルに置き換わるのが当たり前になるかもね』という話で盛り上がったんです。当時は3Dプリンターが(低価格でも)買えるようになってきていたので、自分たちで『(スマートロックを)作ってみようか』というところから始まりました」と振り返ります。

◆多角的に事業を展開

続いて、フォトシンスの事業内容について伺うと、シェアを広げているAkerun関連では、サムターン錠に被せるように貼り付ける「Akerun Pro」と、簡易工事だけで自動ドアや電気錠などに設置できる「Akerun コントローラー」を主力商品として展開。それ以外にも、ギグワーカープラットフォームを通じてコミュニティスペースの運営などを提供するサービス「Migakun(ミガクン)」や、最近では「Akerunデジタル身分証」をローンチするなど、事業の多角化を推進しています。

なかでも笹川も興味を示した「Akerunデジタル身分証」については、河瀬さんは「Apple社とのパートナーシップを通じて、スマートフォンのウォレット機能に身分証を組み込むことができるようになり、これがあれば物理的なカードを発行しなくても、これですべての認証ができます」と解説。

また現在、デジタル身分証のなかでも「デジタル学生証」の開発に一番力を入れていると言い、「本来であれば、学生証も物理的なカードを発行する必要があり、3〜4月の忙しい時期に学生から証明写真を回収し、それをプリントして発行する作業が必要になりますが、それをアプリから一瞬にして学生証を生成することができます。これがあれば、個人の身分証にもなりますし、(学校の)入退室も可能になり、図書館の利用やコピー機、さらには決済にも使えるようになります。そんな細微にいたるまで開発していきたいと思っています」と意欲を見せます。

◆“働き方改革”の影響で事業が拡大

現在、全国的に進められている「働き方改革」は、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自ら選択できるようにするための取り組みですが、「働き方改革に関連して『Akerun』がすごく伸びているかなと感じています」と河瀬さん。

例えば、近年急速に発展しているコワーキングスペースでは、“自由に出入りできる”“利用分に応じた決済が可能”といった仕組みが必要で、そのためにスマートロックが不可欠な存在になっているとし、「こうした場面でも『Akerun』を使っていただいていると感じています」と力を込めます。

最後に、今後の展望について伺うと、「上場して3年が経ちましたが、まだまだシェアを上げていきたいですし、ニーズも増やしていきたいと思います」と話していました。

次回5月10日(土)の放送は、引き続き河瀬航大さんをゲストに迎えてお届けします。「Akerun」の強みや特徴についてなど貴重な話が聴けるかも!?

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5月3日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年5月11日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里

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