俵万智 AI短歌についての考えを語る「入選するために作るのではなく、それを目標に自分で歌を紡ぐことに意味がある」

脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。 6月7日(土)、14日(土)の放送ゲストは、歌人・俵万智(たわら・まち)さんです。7日(土)の放送では、著書「生きる言葉」(新潮社)を4月に出版した俵さんに「AI(人工知能)」と「短歌」などについて伺いました。


俵万智さん



1962年生まれ、大阪府出身の俵さん。早稲田大学第一文学部在学中に、佐佐木幸綱(ささき・ゆきつな)さんの影響を受け、短歌を始めます。1987年に上梓された第1歌集「サラダ記念日」は280万部のベストセラーとなり、翌年、現代歌人協会賞を受賞。歌集「チョコレート革命」「未来のサイズ」「アボカドの種」などのほか、評伝、エッセイなど、多くの著書を出版。2023年には「紫綬褒章」を受章。2025年4月には新著「生きる言葉」を刊行しました。

茂木:現代、ある意味では人工知能なども出てきて「言葉が危機に瀕している」という見方もあると思いますが、俵さんはどのようにご覧になっていますか?

俵:AIの話もちょっと(本に)書きましたが、短歌を作るAIや、俳句を作るAIも出てきて、本当に嫌になっちゃうんですよ。奴らは、「5・7・5・7・7」の「5」を入れたら、もう数秒で100首ぐらいババババッと作るんです(笑)。

茂木:100首!? 俵さんは「NHK短歌」などで選者をされていらっしゃると思うんですが、「いま応募されている作品を人が作ったのか、AIが作ったのか」って、分からなくなってきていませんか?

俵:そうですね……。それは多分、これからもっともっと悩みの種になっていくと思います。でも、「じゃあ、何で私たちは短歌を作るの?」と言ったら、「NHK短歌」で入選するために作っているわけではなくて、それを1つの目標にして自分で歌を紡ぐことに意味がある。そこが、AIには真似できない部分ではあると思うんですね。

茂木:それがまさに「生きる言葉」ということですかね?

俵:そうそうそう。私たちが生きているからこそ紡げる言葉、それが「AIと差別化されていくべきじゃないかな」と思います。

6月14日(土)の放送も、引き続き俵万智さんをお迎えしてお話を伺います。


茂木健一郎、俵万智さん



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<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送エリア:TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜22:00~22:30
パーソナリティ:茂木健一郎

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