黒潮の大蛇行終息・サンマ豊漁・広島カキ全滅──2025年“海の流行語”で読み解く日本の海

11/30(日)10:00am – 10:40am OCEAN BLINDNESS ~私たちは海を知らない?~ 海に関するさまざまなプロジェクトを手掛ける日本財団の海野光行と森里川海アンバサダーとしても活躍しているアナウンサーの高橋万里恵がお送りする「OCEAN BLINDNESS ~私たちは海を知らない?~」。

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花束を贈呈されたおふたり。そう、「OCEAN BLINDNESS ~私たちは海を知らない?~シーズン2」は今日の放送で最終回でした。

そんな今回、冒頭に海野さんから番組にも関わる嬉しいトピックが。なんとスウェーデン・マルメにある「世界海事大学(World Maritime University)」で名誉博士号を授与されたそうです。おめでとうございます!
「10年ぐらい大学の執行役員をやっていて、運営にも関わっているので、その功績を評価された」とのこと。その記念講演を行ったそうですが、テーマが “オーシャンブラインドネス” だったそうです。海の専門家たちに「胸を張って海を知っているとあなたたちは言えるのか」と問いかけた強烈なメッセージは大きな反響を呼んだといいます。

そして、今回お届けしたテーマは、2025年を振り返る特別企画「海の流行語2025」。今年、海の世界で特に話題となったキーワードを一気に取り上げました。

1つ目として取り上げたのが「黒潮の大蛇行の終息」。
万里恵さんから「今回の大蛇行は観測史上最長の7年9カ月に及び、漁場の位置が変わったり、沿岸の海の温度が変動したりと、漁業にも海の環境にも大きな影響を与えてきました」と紹介。海野さんは、「海は自然に変動するもの。ですので、一喜一憂するものではなくて、このことを念頭に海洋の変動を理解する必要があるんだと思います」と語りました。

続いては、久しぶりに明るいニュースとなった「サンマの豊漁」。
今年はサンマの水揚げ量が昨年のおよそ2倍に。サンマ復活かと話題になりましたが、実は資源が本当に回復した“豊漁”ではないと専門家は見ています。黒潮の変動による親潮の入り方が関係しているとのこと。

続いて取り上げたのは、全国に衝撃を与えた「広島県の養殖カキの9割死滅」という深刻な出来事。
広島県は日本一のカキ産地として知られていますが、今年の秋、殻の中が空っぽという声が漁港で相次ぎました。万里恵さんが「来年出荷予定のカキも9割に被害が出ていて、前例のない全滅状態として大きく報じられています」と説明。その要因は、今年の日本沿岸の海水温上昇。熱に弱いカキに大ダメージを与えたと海野さんが解説。「世界の他の地域と比較しても、日本の沿岸域は2倍の温度上昇率になってるんですよ。貧酸素・貧栄養というような状況になっています」とのこと。また、兵庫県や岡山県でも同様の現象が確認されていると紹介しました。

最後は、今年大きく話題となった「日本の造船業復活への巨大投資」。
政府が官民合わせて1兆円規模の支援を行う方針を打ち出し、設備更新から人材育成まで一体で支える動きが始まりました。1990年代、日本の建造量のシェアは5割もあり、世界1位でした。しかし、現在は2割まで低下。海野さんはこの衰退に警鐘を鳴らしています。「造船業の衰退というのは、海運国家・日本にとって危機的状況。単なる産業の衰退ということではなくて、暮らしの安定や安全保障にまでこれに響く重大な問題になってきます。漁で使う船もなくなってきてしまう恐れもあり、そうなると食卓に魚があがらなくなる。造船所をどう支えて、地域とどう共存していくかは、日本がこれから海とどう向き合うのかを映し出すもの」

万里恵さんは、シーズン2を締めくくる想いとして
「日本は本当に海に囲まれていて恩恵をめちゃくちゃ受けているのに、私は番組を担当する前はあまり海と近い存在ではありませんでした。でも、旬の魚を選ぶことだけでもいいんだよと知れたし、もっと知りたいという気持ちも出てきて、自分の中で海心があふれて、本当に心に波を起こされた」と語り、海との距離が大きく変わったと胸の内を明かしました。

海野さんは「知れば知るほど、もっと知らない世界が見えてくる。海の課題に向き合うというのは、どんな未来を望むのかという私たち自身の選択の話なんだと思います」と締めくくり、番組が目指してきた“海を知って行動の一歩につなげること”の意義を語りました。

番組全編は、AuDeeやSpotifyなどのPodcastからぜひお聴きください!


今シーズンも「OCEAN BLINDNESS ~私たちは海を知らない?」を聴き続けてくださったリスナーの皆さん、本当にありがとうございました!また、次のシーズンで!!


♪今回のオンエアでお届けした楽曲♪
Radiohead「Let Down」
Ed Sheeran「Thinking Out Loud」
HAIM, Bon Iver「Tie you down」

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