“5分”で簡単登録、安全情報を“日本語”で取得…外務省の海外安全情報配信サービス「たびレジ」の重要性を紹介

杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。

12月14日(日)の放送テーマは、「出発前に登録を! 海外での安心を届ける“たびレジ”」。外務省 海外邦人安全支援室長の錦織有史(にしごり・なおふみ)さんから、外務省 海外安全情報配信サービス「たびレジ」について伺いました。


(左から)杉浦太陽、錦織有史さん、村上佳菜子



◆「ソフトターゲット」を狙ったテロも増加

海外旅行や出張が身近になった一方で、日本は治安の良い国とされるため、海外でも同じ感覚で過ごしてしまい、その結果、旅先で思わぬ事件や事故に巻き込まれるケースが後を絶ちません。

外務省によると、2023年に世界各地の日本大使館や総領事館などが支援した邦人は約1万人。最も多いのが窃盗、強盗、詐欺などの犯罪被害で、全体の約9割を占めています。その手口も、道端で声をかけられて気を取られている隙に財布を抜き取る行為やエスカレーター付近での接触を装ったスリ、空港やホテルでの置き引きなどさまざまです。

錦織さんは「渡航先では強盗や詐欺、薬物犯罪といった一般の旅行者を狙った犯罪だけでなく、自然災害やテロ事件、政情不安による騒乱・紛争にも巻き込まれる可能性があります」と指摘します。近年は、ライブ会場やマラソン大会など、多くの人が集まる場を狙った“ソフトターゲット”型のテロが世界的に増加しており、国籍や年齢に関係なく、誰でもトラブルに巻き込まれる恐れがあります。こうした背景から、外務省が登録を呼びかけているのが「たびレジ」です。

◆短期渡航者の安全を守る

2014年より運用がスタートした「たびレジ」は、3ヵ月未満の短期渡航をする人を対象にした無料サービスで、最新の安全情報をメールやLINEで受け取ることができます。

そもそも3ヵ月以上の長期滞在者は、旅券法により「在留届」の提出が義務づけられており、これを提出すると、大使館や総領事館から現地生活に必要な安全情報が自動的に届く仕組みになっています。「しかし、3ヵ月未満の渡航者であっても紛争やテロ、犯罪に巻き込まれる危険性はあります。むしろ、近年は旅行や出張などで短期間だけ海外に滞在する日本人が急増しているため、短期渡航の方には『たびレジ』に登録することをお願いしています」と説明します。

「たびレジ」の役割は情報提供だけではありません。例えば、滞在先でテロや自然災害、大規模事故などが発生した際には、外務省が登録された連絡先をもとに安否確認をおこない、必要に応じて迅速な支援につなげます。その一方で、「登録がないと、緊急退避が必要な場面で、重要な連絡が受け取れない可能性があります。つまり『たびレジ』は命綱なのです」と強調します。

登録は簡単で、「たびレジ」の公式サイトかLINEの「外務省領事局」を友だち追加して、案内に従うだけです。登録に必要なのは、メールアドレス、滞在国・都市、滞在期間、氏名、生年月日、携帯電話番号といった基本情報のみで、作業は5分ほどで完了します。さらに、旅行者本人だけでなく家族や職場のメールアドレスも登録が可能です。つまり、日本にいる家族が留学中の子どもの現地状況を把握したり、海外に社員を派遣する企業が安全情報を共有したりと、周囲の人々も安心できます。なお、LINEは国や通信事情によって受信できない場合があるため、その際はメールでの受信が推奨されます。

また、旅の予定はないが、気になる国がある人には「簡易登録」もオススメです。興味のある国の最新情報を受け取ることができ、渡航前の情報収集に役立ちます。

◆「たびレジ」によるサポート事例を紹介

「たびレジ」に登録すると、例えば「A市のB駅付近で爆発事件が発生。近づかないでください」「C国D島付近で地震が発生し、津波警報が発表されています。沿岸部にいる方は高台に避難してください」のように、滞在先での重大事件や事故、自然災害、感染症の発生など、危険に関わるさまざまな情報が日本語で届けられます。

ここで錦織さんは、外務省の職員が経験した出来事を紹介します。今年3月、プライベートでタイ・バンコクを訪れた際、ミャンマー中部を震源とする地震が発生しました。当時はショッピングモールの地下にいて大きな被害の気配はなかったものの、一斉にネットがつながらなくなり、周囲は混乱状態に陥ります。

どの情報が正しいのか判断できない状態で過ごしていたなか、ネットがつながり、地震発生から約1時間後に、在タイ日本国大使館から詳細情報と注意喚起が届いたそうで、「その職員によると、『現地の日本大使館からタイムリーに日本語の情報が手元に届いて、とても安心感があった』とのことです」と話します。その後、大使館から2回目のメッセージが届き、そこには飛行機や電車の運行状況、建物に閉じ込められた場合やケガをした場合の緊急連絡先の電話番号も記されていたそうです。

地震直後は情報が錯綜しやすく、現地の言葉が分からない環境では、正確な情報を得ることが難しい場面もあります。そんなとき、日本語で確かな情報が届くことは大きな支えになります。

ほかにも、渡航先で注意が必要となるイベントやトラブルについても事前に知らせてくれます。その事例として、今年10月にマレーシア・クアラルンプールで第28回日ASEAN首脳会議がおこなわれた際、「同会議開催前および開催期間中、市内中心部やクアラルンプール国際空港・スバン空港から市内へのルートにおいて大規模な交通規制が実施されます。外出時は公共交通機関の利用をおすすめします」といった情報を配信。これを受け取った利用者から「日本語で交通規制の詳細が把握できてすごく助かった」といった声がありました。

改めて、錦織さんは「『たびレジ』に登録すると、渡航先の最新の安全情報を日本語のメールやLINEで受信でき、緊急時は『たびレジ』に登録された電話番号やメールアドレスをもとに外務省が安否を確認し、必要な場合には迅速に支援します。短期間の渡航であっても、海外は日本と異なります。“自分の身は自分で守る”という心構えを持って、滞在中は自ら現地の最新の治安情報を入手し、安全対策に努めてください」と話していました。

番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「たびレジ」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず村上は“海外に行くときは「たびレジ」に登録しましょう”と注目ポイントを挙げます。続いて、杉浦は“海外でも情報収集をお願いします!”とスケッチブックに書き、「『たびレジ』について詳しく知りたい方は外務省のWebサイトをご覧ください」と呼びかけました。


(左から)杉浦太陽、村上佳菜子



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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm

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