急増する「ニセ警察詐欺」被害額“660億円以上”…特殊詐欺の被害防止を目指す「#みんとめ」とは?

杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。

12月21日(日)の放送テーマは、「撲滅ニセ警察詐欺。『#みんとめ』であなたのお金を守ろう!」。警察庁 長官官房参事官の渡辺幸次(わたなべ・こうじ)さんから、ニセ警察詐欺の手口と対策法について伺いました。


(左から)村上佳菜子、渡辺幸次さん、杉浦太陽



◆“オレオレ詐欺”の主流の手口? ニセ警察詐欺の実態

警察官などを名乗り、捜査を口実に現金をだましとる「ニセ警察詐欺」が急増しています。この詐欺の特徴は、自宅の固定電話や携帯電話に突然かかってくることです。そして、警察官を装い“捜査のため”などともっともらしい理由を並べて、現金を振り込ませます。2024年後半から被害が目立ち始め、統計を開始した2025年1月から9月末時点で、警察が把握しているだけでも被害件数は約7,600件、被害額はなんと約661億円にのぼります。

ニセ警察詐欺は“身分をかたる”という点でオレオレ詐欺と共通しているため、統計上はオレオレ詐欺に分類されますが、今年9月末までの9ヵ月間に確認されたオレオレ詐欺のうち約7割がニセ警察詐欺であり、今や主流の手口になりつつあります。

また“詐欺被害”というと高齢者のイメージが強いものの、ニセ警察詐欺では20代・30代といった若い世代が被害を受けているケースが目立っており、しかも1件あたりの被害額が一般的なオレオレ詐欺よりも大きいことも特徴です。

高額な被害につながる理由について、渡辺さんは「子どもや孫を名乗る従来のオレオレ詐欺では“示談金として100万円が必要”といった、緊急でも払えそうな少額を提示します。一方、ニセ警察詐欺の場合は口座にあるすべての金額を振り込むように要求されます」と言います。一見すると「そんな話はおかしい」と思えそうですが、犯人の手口は非常に巧妙です。その一例を渡辺さんが紹介してくれました。

まず急に「2時間後からこの電話は使えなくなる」といった自動音声ガイダンスが流れ、相手を強く動揺させます。焦って指示に従うと、通信事業者を名乗る人物につながり、「あなた名義の携帯電話が犯罪に使われている」と告げられ、やがて警察を名乗る者に電話が引き継がれます。

その後、犯人は被害者を信頼させるためにSNSへ誘導し、ビデオ通話に切り替えます。画面に映るのは、警察の制服と帽子を身に着け、背後に警察のエンブレムを掲げたニセ警察官。警察手帳を見せるだけでなく、「あなたに逮捕状が出ています」と告げて、逮捕状の画像をSNSで送られてくるケースもあります。なかには、被害者本人の名前が印字された逮捕状が使われた事例もあります。

突然、逮捕状を突きつけられれば誰でも動揺します。「身に覚えがない」「自分は関係ない」と必死に訴えるなかで、犯人は「無実を証明するため」と言葉巧みに誘導していきます。そして、「あなたのお金が犯罪に関与しているか判断する」「捜査の結果、無実が証明できれば全額返金する」などと言って振り込みを要求してきます。そして、そのまま指示に従ってしまうと、口座にあるすべてのお金をだまし取られることになります。

加えて「最近は、インターネットバンキングの利用者が増えています。確かに便利ですが、立ち止まって冷静に考えるまもなく、すぐに送金できてしまいます。これも被害額が大きい要因の1つだと考えられます。実際、ニセ警察詐欺による被害額の約半分は、インターネットバンキングを利用して振り込まれたものです」と渡辺さんは補足します。

◆「#みんとめ」とは?

詐欺の手口は時代に合わせて変化していますが、唯一変わらないのが“電話で接触してくる”という点です。特に近年は、国際電話を使ったケースが急増しており、いわゆる特殊詐欺で犯行に利用された電話番号の約7割が国際電話番号だったといいます。

こうした被害を防ぐため、警察庁が推進しているのが「#みんとめ」です。これは「みんなでとめよう!! 国際電話詐欺」の略称で、国際電話からの着信を直接受けない仕組みを広めることで、特殊詐欺の被害防止を目指す運動です。

具体的な方法は、海外に住む人と固定電話で通話する機会がない場合、国際電話不取扱受付センターへの申し込みがおすすめです。Webサイトや電話から5分もあれば手続きができ、費用もかかりません。操作に不安がある場合は、最寄りの警察署でも手続きをおこなうことができます。

一方、携帯電話の場合、もっともシンプルな対策は「国際電話番号や見知らぬ番号からの着信を無視すること」です。国際電話番号は「+(プラス)」の記号から始まるため、着信があった際、画面に表示された番号がプラスで始まっていた場合は無視しましょう。

さらに、スマートフォン向けの防犯アプリを活用する方法もあります。最近では、一部有料のものもありますが、国際電話の着信を規制できるアプリも登場しており、有効な対策の1つとされています。どれを選べば良いか迷ったときは、公益財団法人 全国防犯協会連合会のWebサイトで、防犯機能付き電話や防犯アプリが一覧で紹介されています。

なお、国際電話不取扱受付センターの連絡先や、全国防犯協会連合会のホームページについては、警察庁の「#みんとめ」特設サイトでもまとめて確認することができます。不安なときは、警察相談専用電話「#9110」に相談するのも有効です。

最後に、ニセ警察詐欺を見抜くための重要なポイントを押さえておきましょう。

・電話で「あなたが捜査対象になっている」などと伝えてくる
・SNSなどの通信アプリで連絡を要求する
・警察手帳や逮捕状をビデオ通話などで見せてくる
・個人のスマートフォンに突然ビデオ電話をかけてくる

このうち、1つでも当てはまったら、すぐに電話やビデオ通話を切り、最寄りの警察署へ相談しましょう。

改めて、渡辺さんは「国際電話で警察官を名乗り、お金をだまし取るニセ警察詐欺が増えています。クリスマスや年末年始、家族や友達が集まる機会に、ぜひみんなで話題にして被害に遭わないよう、国際電話番号からの着信をブロックする対策を広めていきましょう。『#みんとめ』のご協力をよろしくお願いします」と呼びかけました。

番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「ニセ警察詐欺と『#みんとめ』」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。村上は“みんなで止めよう国際電話詐欺『#みんとめ』”とポイントを挙げます。杉浦は“騙されないで! ニセ警察詐欺”とスケッチブックに書き、「ニセ警察詐欺について詳しく知りたい方は、警察庁のWebサイト。『#みんとめ』について詳しく知りたい方は、特設サイトをご覧ください」とコメントしました。


(左から)村上佳菜子、杉浦太陽



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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm

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