2016.05.04〜 「食を通じて仏教を伝える、料理僧。」

第84回 ゲストは、浄土真宗東本願寺派 緑泉寺の住職、青江覚峰さん。

収録の時は、作務衣を着用されていた青江さん。
「お寺でいうところの、ジャージですね。
 お食事作ったり、お掃除したり、
 そういう日常の業務を行う服です。」


青江さんが住職を務める緑泉寺は、
浅草にあり、青江さんの生家でもあります。

しかし、青江さんは、
カリフォルニア州立大学フレズノ校で、
MBAを取得されています。

「一言で言えば、継たくなかったんです。
 家業がある人間がかかる、
 はしか、みたいなもので。
 継がないためには、海外に行けばいいんだって
 思って、アメリカで一生を過ごそうと。」

青江さんがアメリカに滞在されていたのは、
2000年~2003年。
当時、2001年にはアメリカ同時多発テロが起こりました。
多くの方が犠牲になり、青江さんの友人も被害にあいました。

「お金を稼いで、ルートに乗った自分がかっこいいと
 思っていたんですけど、それが崩れたんです。
 いつどこで、人生が終わるかわからない。
 そう思ったら、生き辛いなって思ったんです。」

その時、”自分は何者なんだろう”と考え、
日本人であるというところに行き着いたそう。

「日本人の文化的背景である、仏教や神道を
 僕は食わず嫌いをして、お寺を継がなかった。
 でも、改めて、これを知らないと、
 次のステップに進めない、と思ったんです」

青江さんは、その後帰国。住職になられました。

「同じようなことを、311の震災で代表の友光が感じて。
 お寺では、神社では、何ができるのだろう、と考え
 寺社フェスを企画したんです」


そんな青江さんは、料理僧でもあり、
食育にも取り組まれています。
料理僧とは、青江さんが作った造語です。

「小学校1年生の夢は、コックさんでした。
 小学校6年生のときに、お坊さんになりますに変わったんですよ、、笑」

もともと僧侶というものは、話したり書いたり、
言葉で仏教を伝えるものです。
しかし、俳句と通して仏教を伝えていた、句佛上人の生き方に感銘を受け、
自分の得意な分野で仏教を伝えていいのだ、と感じたそう。
「じゃあ自分にとっての表現のツールは、料理だ、と思って。
 料理を通じて、仏教を感じ、味わっていただきたい。」


M1. 10 Years After / 福耳 
M2. God Only Knows / Joss Stone 
M3. In Heaven / Gregory Porter