第27回


ゲストは、華道家の前野博紀さん
1970年福井県生まれ。
同志社大学文学部・英文学科卒業、
草月流に師事し、
2006年に独立「花匠前野」を設立。
作品制作、花教室、個展、
フラワーパフォーマンスの活動のほか
テレビやCMなどでも活躍。
著書「花のチカラ 前野博紀の生きる道」
「花をいける、言葉をいける」
絵本「旅するクジラ」などがある。

「胸板厚!華道家というより、格闘家!リングにあげたい(笑)」と杏子。それもそのはず、“花の建築家”と呼ばれ、
高さ8メートルの竹を何百本も活けたりするため、上腕二頭筋が鍛えられるそうです。

自然相手、思い通りにはいかないですよね?「大体のデザインは決めているけど、その瞬間しかできないのが花。
そして花の命を絶って活けるから時間との戦い。まごまごしていると死ぬんで、
命だからこそ、素早く処理して再生させてあげる、だから生け花なんです。」

前野さんが華道家を目指すきっかけは、会社にあった草月展の一枚のチケット。
「大学時代はアルバイトに明け暮れ、卒業後はホテル業へ。
29歳からはビジネスインストラクターとして営業マンに指導。今を真剣に生きろーなんて叫んでいました。
でも20代の説得力のない若造の言葉は、40代、50代の年上の人には届かない、言葉って脆いなと悩んでいました。
そんなとき、たまたま会社にあった草月展のチケット。出かけていったら、大きな作品の前で幅広い年代層の人が
みんな笑顔だったんですよ。それを見たとき、音楽も人を感動させるチカラがあるけど、
花にも、宗教、国籍、年齢、男女を飛び越えた魅力がある。
その花の道ってなんだろうと考え始めたんです。それがきっかけ!」

著書「花をいける、言葉をいける」には、出陣花というのがあることが書かれています。
「武将・織田信長も奥方に花を贈ったり、近習に「蘭丸」と名前をつけたり花を愛してひとりですよ。
戦国時代だからこそ、命を見紛わないように花を切ることでバランスを取っていたのかもしれませんね。」
・・・なるほど。

そして、春の花、さくらは唯一、神様が降りてくる花木というお話もしてくださいました。


M1. Wandering Boots Collaboration with SHAKALABBITS / 杏子
M2. Sweet Soul Music / Arthur Conley
M3. The Jealous Kind / Joe Cocker


花匠前野 | 華道家 前野博紀 Official Web
http://www.kashomaeno.com