【震災から6年】避難指示解除も…町民帰還しない理由

中西哲生と高橋万里恵がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「クロノス」。 3月8日(水)放送の「BREAKFAST NEWS」のコーナーでは、福島県双葉郡楢葉町の顧問を務める慶應義塾大学大学院教授の岸博幸さんが登場し、東日本大震災で被災した自治体の行政機能回復について解説しました。

東日本大震災からまもなく6年。
2015年9月に福島原発事故の避難指示が解除された楢葉町で今年2月、松本幸英町長が町職員に対し、避難先から帰還しない職員は昇給・昇格しない旨の発言をしていたことが判明し波紋を呼んでいます。

楢葉町住民の帰還状況は、岸さんいわく「(楢葉町は)福島原発から十数キロと近くにあります。風評などの問題もあり、帰還している町民は全体の8パーセントほど。大半は近くのいわき市に避難していて、そこで家を買ったり、学校へ通ったりしておりまだまだ帰還はできていません」とのこと。

とはいえ、中西も「乱暴な印象」を感じたという今回の町長の発言、その真意について、岸さんはこう語ります。

「町長は町役場の会議の場などでも、たびたび職員に帰還を呼びかけてきました。職員も当然家族の事情がありますから、(帰還が)難しいのはわかります。実は4月から、楢葉町で小学校と中学校が開校します。本格的に町民を受け入れる体制ができつつあり、ついそういう言葉が出たのでは。それくらい『町の復興のために、まずは職員が戻らないと』という強い主張あればこその発言だと思います」

先日、南相馬市を訪れたという中西は、「そこも帰還できる状況になるんですが、住民の方々の意識も全員揃っているわけではなく、都市機能も復活しないと帰るに帰れないという状況があります。商店が先に戻るのか、人が戻るのか…鶏か卵かという話ですが、みんな一緒のタイミングで移るという選択肢もあると思います」と締めくくっていました。