北朝鮮ミサイル発射失敗、アメリカとしてのデッドラインは?

中西哲生と高橋万里恵がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「クロノス」。4月18日(火)の放送では、北朝鮮のミサイル発射の真意について、デイリーNKジャパン編集長の高英起さんに話を伺いました。

故金日成主席生誕105周年の式典翌日となる4月16日に、北朝鮮が弾道ミサイルを発射。発射は失敗に終わりましたが、その意図はどこにあるのでしょうか。

「アメリカに届く長距離弾道ミサイルでは、アメリカの攻撃の気運が高まる可能性があるため、今月2回目の発射で、わりと定期的に実験をしている(中距離弾道ミサイルの)ムスダンだったら大丈夫だろうという北朝鮮の判断があったんだと思います」と話す高さん。

「アメリカを刺激したくないと考えると、発射直後に爆発させることで北朝鮮としてメンツを保ったとも考えられます」とあえて発射を失敗した可能性についても言及。

また、ミサイル発射失敗はアメリカのサイバー攻撃の結果というウワサについて、「それはないと思います。ムスダンに関しては昨年何度も失敗しています。そういったサイバー攻撃が北朝鮮のミサイルに効くのかは懐疑的です」と否定しました。

15日の軍事パレードでは、北朝鮮の新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)とみられる兵器も登場。
高さんは長距離弾道ミサイルについて、「(トランプ政権は)核がアメリカに届くのを防ぎたい。核(弾頭)と長距離弾道ミサイルの2つがセットになる(と核がアメリカに届いてしまう)ので、アメリカとしてのデッドラインは核実験よりも長距離弾道ミサイルだと思います」とコメント。

さらに、北朝鮮の今後の動きについて、「核実験もミサイル実験も見直すことはありません。問題はいつするかということですが、4月25日には北朝鮮人民軍の創立記念日があるので、このタイミングで例えば核実験を行ってくるかもしれない。そうすると米朝の緊張はいっそう高まると思います」と話していました。