熊本地震で全壊した食事処オーナーが語る「南阿蘇村のいま」

中西哲生と高橋万里恵がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「クロノス」の中で、熊本地震で被災された方の心と体のケアを目指しお送りしている「LOVE&HOPE~ヒューマン・ケア・プロジェクト~」。 このコーナーでは熊本地震から1年がたった今、一歩ずつではありますが着実に復興に向け歩み始めている南阿蘇村・阿蘇市の様子を1週間に渡ってお届けします。4月18日(火)の放送ではごはん処「まるでん」オーナーの増田一正さんに「南阿蘇村のいま」について伺いました。

南阿蘇村の玄関口、阿蘇大橋のすぐ目の前でレストランを営んでいた増田さん。地震で自宅とお店が共に全壊し、飲食業とは別に行ってきたアウトドアガイドのチーム「アウトドアクラブ南阿蘇knot」も解散の危機に陥りましたが、ある出来事がきっかけとなり南阿蘇を見つめ直すことになったそうです。
「お店とは別に10年前からアウトドアのガイドをしていて、拠点としていた烏帽子岳(えぼしだけ)も地震と水害でやられて、一回アウトドアガイドチームも解散しようかという時もありました。そんなとき、ずっとお世話になっていた兵庫の先生が木登り体験『ツリーイング』のイベントを南阿蘇村の大きなイチョウの木がある地元の小学校で開いて、地震にあった子ども達を中心に木登り体験をしてくれたんですね。そしたら子ども達もすごい喜んでくれて、それを見ていた大人たち、父ちゃん母ちゃんもすごい喜んでくれて、それをきっかけにスイッチが入ったんです」と話す増田さん。

ツリーイングイベントを通じ、「阿蘇を離れて、他のところでアウトドアのガイドをした方がいいんじゃないかという話もあったんですけど、もう一度、もう一回この阿蘇の自然を見直して、私たちもその一員として頑張っていこう、逃げ出すわけにはいかないと思って、今アウトドアの事業をもう一回広げていこうと取り組んでいます」と決意したそうです。

増田さんは「いろいろ地震で大変で、ゼロになったんですけど、フラットになって自分を見つめ直すいいきっかけをもらったと。やりたいことを見直せって言われていると思って今はアウトドアの活動を充実させようと取り組んでいるところです」と話していました。