資格を取りたい人に諦めろ!って言う「マスター・オブ・ワイン」ってどんな資格?

(前編) スキマなゲストは、超難関試験を突破しないと合格ができない、ワイン界で世界最高峰の資格「マスター・オブ・ワイン(MV)」を取得した大橋健一さんをお迎えしてお送りしました! (2017年1月3日、10日、17日OA分)



大橋さんが取得された「マスター・オブ・ワイン(MV)」の資格を持っているのは世界で356人(2017.4月現在)、そのうち日本人はたったの2人!
その中で日本在住なのは大橋さん一人で、もう一人の田中麻衣さんはロンドン在住だそうです。

1953年に創設されたこの資格は、年間平均5~6人しか合格できない、
途方もなく難しい試験だと大橋さんが語ってくれました。

試験内容は一体どうなっているんでしょうか?

まず、受験料は30万円ほどかかります!

試験は二部構成で実技と筆記試験に分かれているとの事。
36種類のワインを三日かけてテイスティングをし、
15の論文を5日間に分けて行うそうです。
36種類のワインは、白ワイン12種類、赤ワイン12種類、
その他の種類(例:ロゼ、スパークリングなど)12種類が用意されていて、
全36種類、全てのワインの生産地、醸造の傾向、酵母の種類などが求められます。

筆記に関しては、五つの科目があり、栽培、醸造理論①、醸造理論②、ワインビジネス、世界のトレンドについて問われるとの事。
これを全て合格すると、最後に1万文字の論文が待っているそうです!
実技と筆記試験だけでは終わらない・・・。

また、この試験は6年以内に合格をしないと、受験資格を3年も失うということで、殆どの人が諦めてしまう資格だそうです。

これだけでも本当に大変な資格だという事が分かります!

そして、晴れてMVになった大橋さんにも資格を取得したい生徒さんが数名つくそうなのですが、最初にまず教えるのは、この資格を受けるのは諦めろという事なんだとか!

何で???

業界の勉強を含めると10年以上はかかる資格なので、合格をすればいいのですが、取得できない場合は人生の大半を無駄にしてしまうので、諦めてもらうほうがその人の為だという事でした。
また、経済的にも時間的にも余裕がない人は門前払いだそうです。

資格を取りたい人は、MVの連絡先を教えてもらい、連絡を取ることができるそうなのですが、素質の無い人にはMVも返事を出さずに無視をして諦めさせるそうです。

大橋さんも1~2回くじけそうになった時に、MVに電話をして相談をしたら、「あなたの周りの友人はMVとちゃんと話せている?あなただけ何故MVと話せているか分かる?」と言われ、自分は見込みがあるから話ができている事に気づいたそうです。
この言葉を聞いて、やる気がまた出てきて頑張れたとのこと。
本当に過酷ですね・・・。

大橋さんは、フランス語が専門だったそうですが、MVの為に英語も再度勉強し、2004年から本格的に勉強を始め、2009年にワイン業界に入り、2013年から試験を受け、見事2016年に合格をしたとのこと!

3年で受かるのは本当にすごい事で、早いという事でした。
さすが大橋さんです!

(後編へ続く。)