日本から北朝鮮に向けてミサイル500発!? アメリカの制裁攻撃とは?

中西哲生と高橋万里恵がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「クロノス」。 北朝鮮の人民軍創建85周年を迎える4月25日(火)の放送では、北朝鮮がどんな行動を起こすのか軍事アナリストの小川和久さんに話を伺いました。

このたび人民軍の創建85周年を迎えた北朝鮮。アメリカの空母、カールビンソンが日本海に向かうという情報も発表されていますが、北朝鮮が核実験や長距離弾道ミサイルの発射という挑発に出るリスクはあるのでしょうか。

小川さんは「何があってもおかしくないですね。ただ、これはどこの国にとってもそうなんですが、本当に戦争はやりたくないですから、やらずに譲歩を強いることができればベストです。そのための圧力はギリギリまで強めていくでしょう」と話します。

もしも北朝鮮が核実験やミサイル発射などの挑発に出た場合、アメリカは制裁として攻撃するのでしょうか。

「核実験の兆しが見えて、確実にやるなと思ったら軍事的な行動をとるとアメリカは言っています。豊渓里(プンゲリ)の核実験場に対するトマホーク(巡航ミサイル)のピンポイントでの攻撃は有りうると思います。アメリカは横須賀にいる12隻のイージス艦と、朝鮮半島周辺に常にいる、巡航ミサイル154発を積んだ専用の原子力潜水艦で日本から北朝鮮に狙いをつけています。常に500発くらいが狙っているんですよ。核実験場に対し、アメリカ本国から2隻のイージス駆逐艦が来ていて、豊渓里の実験場沖400キロの地点にいるんです。そこから撃てば30分で確実に落ちます」と話す小川さん。

また、アメリカは先日、アサド政権が化学兵器を使用したとしてシリアをミサイル攻撃しました。小川さんによると、この攻撃は北朝鮮の態度にも影響を与えているそうです。
「シリアは化学兵器を使ったということで、アメリカは一応攻撃する大義名分があります。これは見せしめと、中国とロシアがどういう態度をとるのか試したという意味があります。中国は非難しなかったし、ロシアの非難は表面的なものです。北朝鮮からすると、中国とロシアにも包囲されているという受け止め方になっていると思います」とのこと。

さらに小川さんは、北朝鮮について「アメリカだって北朝鮮が多少でも反撃する能力を持っているので、あまりやりたくないんです。本気でやるんだったらこういうものが飛んでくるよというのを見せる、さらにダメ押しとして(米空母)カールビンソンの派遣を13日に発表するんですが、まだ北朝鮮の近くに行かなかったのは、北朝鮮の態度がやわらぎ始めたからなんですよ。中国が北朝鮮に関与を強めて、核実験や弾道ミサイルの発射強行をやめさせようとしているのが見えているからです」と態度の軟化を指摘していました。