トランプ大統領、メキシコ国境沿いの壁は現実的にムリ!?

中西哲生と高橋万里恵がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「クロノス」。 5月1日(月)放送の「BREAKFAST NEWS」のコーナーでは、4月29日に就任から100日目を迎えたアメリカ・トランプ大統領の現状についてジャーナリストの仲野博文さんにお話を伺いました。

新政権発足後100日間は俗に“ハネムーン期間”と呼ばれ、一般的にメディアや有権者などとの関係も比較的良好で高い支持率を示す傾向がありますが、トランプ大統領にはこの期間がなかったと仲野さん。特にメディアとの関係は悪く、「ハネムーンというよりずっと戦争状態が続いている」と言います。
先日はメディアが主催する恒例の夕食会に欠席する一方で、東部ペンシルベニア州では支持者を集めた集会を敢行。そこでは、アメリカ第一主義は大成功だと自画自賛した上に相変わらずメディアの言っていることは全部フェイクだと話していたことが伝えられ、これには仲野さんも「メディアとの関係はこれからもよくなる兆しは正直まだまだ見えてこないですね」とコメント。

現在もアメリカ国内、ワシントンやニューヨーク、シカゴといった大都市でも新政権の政策に対するデモが続いており、トランプ大統領の支持率も依然として低いまま。
4月後半にギャラップ社が行った最新の調査でトランプ大統領の支持率は41%。最も高かった就任直後、それでも45%しかありませんでしたが、一時3月末には39%まで落ち込んだことを考慮すると若干の上昇はしています。
上昇した理由について、仲野さんはシリアへのミサイル攻撃や北朝鮮に対する動きではないかと見ていますが、それでも若干の変化しかないことに「大きな支持率アップに軍事行動が繋がっていないということもはっきりしていますね」と見解を示していました。

しかし、最も大きな問題となっているのは政策面。
当初打ち出していた政策が進んでいないケースが多々あり、例えばメキシコ国境沿いに作ると豪語していた壁は暗礁に乗り上げているのですが、その一番の理由はお金。はじめは7000億から8000億の予算が見込まれていたものの、蓋を開けてみると数兆円かかるということで、アメリカ政府も難色を示しています。現段階では、2020年までのトランプ大統領一期目で壁を建設することができるのか、という話になっているようです。
さらには、当初公約に掲げていた北米自由貿易協定からの離脱は180度転換。先日、残る方向で考えていることを示しており、これには有権者からがっかりの声があがっています。多くの問題を抱えているトランプ大統領ですが、今後もこういったことが積み重なり支持率がさらに低下すると「もしかすると大きなニュースがさらに出てくる可能性はあるかと思います」と仲野さんは締めくくっていました。