2017.8.2~ 「オーストリアへの留学失敗?!」

第149回 ゲストは、編集者、評論家の山田五郎さんです。 

今回は、大学進学で東京へと戻った時のお話から。

杏子「上智は、関東がよくって?」

山田「まあ、割とそうですね(笑)
   高校が、やたら京大に進学する生徒が多いところで。
   関西って関東に比べて、国立がすごい多いのよ!
   だから皆関西の大学に固まるのよ、それが嫌でさ。
   で、東大落ちて、上智行ったんですけど、
   皆に ”坊さんの大学か?”って言われましたからね(笑)」

山田さんは、上智大学文学部新聞学科に進学。
もともと映画が好きで、映画の授業があったことで
この学科を選ばれました。
ですが、1年生でバロック時代の美術に魅了され、
美術史を勉強したいと思うようになります。

山田「美術史の専門の学科が無いから先生に相談したら、
   “だったら、ザルツブルクでやってきたら?”
   って言われて、奨学金とか住む場所もお金かからず。
   その時、勧めてくださった教授の1人が、
   BARBEE BOYSのいまみちさんの、お父さんですよ」

杏子「えー!本当ですか?!」

山田「いまみち先生、上智に教えに来てて。
   アリストテレスとか、ギリシャ語でやったりする、
   容赦の無い人ですね〜」

杏子「息子も容赦ないですからね(笑)」

美術史の本場の1つ、オーストリアへの留学を決め、
ドイツ語の勉強をしてから現地入り。
ですが、ザルツブルクでは訛りがキツく、
挨拶すら標準なドイツ語とは異なります。

山田「もうね、留学は失敗したね」

杏子「え?」

山田「その頃、ザルツブルクで流行っていた先生が
   そこにいるから、ザルツブルク大学に行ったけど
   漠然とした美術史なら、
   日本でやっても変わらないレベルだったんですよ(笑)
   しかも、物凄い田舎で何もやることなんだよ!
   冬に舞踏会やるとか、あれ暇でやってるんですよ。
   オシャレじゃ無いし、ただの合コンなんだよね。
   面白くも無いし、延々やってんだよ!」

杏子「はは〜〜刺激が無い(笑)」

山田「そしたら、先生が
    ”美術史で一番大事なのは現物をたくさん見ることだ”って
   言われて、何日も同じ美術館ゆっくり見てましたね。
   何日も通ってると、学芸員さんが話しかけてくれたり、
   倉庫見せてくれたり。音楽も美術も、生じゃないと!」

M1. Swing Swing Sing / 福耳
M2. Remember A Day / Pink Floyd
M3. One More Night / CAN