第158回
ゲストは、温泉エッセイストの山崎まゆみさんです。
山崎さんが温泉ライターとして活動するようになったのは、
小学館のアウトドア雑誌『BE-PAL』での
“混浴紹介の連載” がきっかけでした。
山崎「編集部に出入りしていた時に、
大げさに言うと、”君脱げる?”って言われて(笑)
お風呂って、きれいに撮影すると美しいんですけど、
人が入っていないと寂しくて、、、、
だから、”温泉に入りながら、文章書ける?”って事なんです」
杏子「どきっとした(笑)あ〜そうですよね、
大きさとか雰囲気も人がいないとわからないですもんね。」
山崎「そうなんです。その時に、縁を感じたんです。
私の両親が、子供に恵まれなくて、長岡から車で1時間ほどの
栃尾又温泉という”子宝の湯”に通っていたんです。
それで、私ができたっていう話を聞いてたので、ご縁だな〜って。
でも、脱ぐのか悩んで、父親に電話したら
”減るもんじゃない、チャンスだ、どんどんやれ”って言ってもらいまして(笑)」
全国の混浴巡りでは、温泉についてだけでなく
温泉地での出会いを綴っていきました。
山崎さんはその後、”混浴”に関する著書を、たくさん書かれています。
山崎「本当最初の仕事が、混浴だったから、ここまで続けてこれたんです。
歴史を辿れば、犬猫猿鳥など色んな動物が集まっている温泉を
人間が見て入るようになっていくので、
混浴は温泉街のオリジナルのお風呂なんですよね。
図らずも、混浴巡りをした事で、すごいお湯に出会っていたんですよ。」
様々な混浴の中でも、東伊豆にある北川温泉にある混浴は
目の前に岸辺があり、大海原からの朝日を感じながら
湯船に浸かることもできます。
”出雲の国風土記”の中にも、老いも若きも男も女も
温泉を崇めて皆んなで入っていたという記述が書かれているほど、
温泉には歴史があり、日本の文化があります。
そんな温泉の文化、出会いを紹介し続ける山崎さんですが、
2016年の夏に手術をされた経験を公表されています。
山崎「当初、これだけ温泉に入っているんだから健康だろうと。
そう思って頂くことが商売だろうと、思っていたんです。
でも、女性特有の病気を持っていて、貧血と痛みがあったので
いつも鎮痛剤を持って歩いていたんです。
余りに症状が辛くなって手術をしました。
こっそり復帰しようと思ったんですけど、手術して退院して。
15cmの大きな傷跡も不安だったし、湯治に行く事にしたんですね。
だったら、そこで感じられた温泉の力を
伝えることがベストだと思ったんです。だから公表する事にしました」
西洋医学が入る前から、日本人の身近にあったのが温泉での治癒でした。
その力を信じ、公表へと繋がったのだとか。
M1. 花火 / 忘れらんねぇよ
M2. Wouldn't It Be So Nice / Beach Boys
M3. Take Me To Your Heaven / The Wilson Brothers