2017.10.18~ 「後悔して欲しくない。日本各地のバリアフリー温泉」

第160回 ゲストは、温泉エッセイストの山崎まゆみさんです。 

近年、山崎さんが力を入れているのは、 “バリアフリー温泉” について。

杏子「著書も出されていて…
   うちの両親が高齢になってきて、
   今年入ってからすごく気になっていて。
   この、『小田急 ホテル はつはな』良さそう〜」

山崎「バリアフリーといいますと、病院や施設のイメージ
   あるかもしれませんけど。旅館は、やっぱり健脚の私たちも
   楽しい、お料理も美味しい、お湯もいい場所を紹介しています。」

もちろん、ハード面での”バリアフリー”である、
車椅子でも入れるお手洗い、スロープがあり段差解消も大切ですが、
1人1人の体の状態に合わせた、もてなし= “心のバリアフリー”も大事だと
山崎さんはおっしゃいます。

山崎「日本家屋、観光地として段差が形状美だったりして
   全くバリアが無くなったら、私たちも、きっと杏子さんのお母様も
   行きたいと思えなくなってしまうかもしれないですよね。
   だから、ちょっと手を差し伸べてくれる、
   そういう旅館さんを紹介しています。」

杏子「なんで、こういうバリアフリー旅館に着目されたんですか?」

山崎「もともと、障がいを持っていた妹は、
   活発で明るくて、旅行も好きだったんです。
   でも日本ではなくて、海外に行ってたんです。
   妹を温泉に連れていくのは、絶対無理!と私が思っていて…
   浴場は滑るし、誰が入浴させるのか。
   いろいろ考えると旅館より海外のが楽だなって安直に考えていて。
   そしたら、2012年夏に妹が亡くなって、その葬儀から1週間くらいで
   ある健康雑誌から “足腰の弱くなった高齢者向けの温泉紹介”を
   書けないかって連絡があったんです」

『バイアフリー温泉』『入浴介助制度』など
調べていくうちに、妹さんを連れて行けたかもしれない
様々なシステムを知り、山崎さんはすごく後悔されたそう。

山崎「いつ行けなくなるか分からないですから、
   行きたいと思った時に後悔しないように行って頂きたいんです。
   『バリアフリー温泉で家族旅行』という本を書いたりして
   ライフワークでやっています。」

杏子「入浴介助っていうのがあるんですね!」

山崎「佐賀の嬉野温泉では、ヘルパーさん2人で、
   5000円で入浴介助してくださるんです。
   嬉野温泉にさえ行けば、親を温泉に入れてあげられる。」
   
『バリアフリー温泉で家族旅行』は大きな反響を呼び、
出版した2015年当時は、25軒だった旅館も、
2017年秋に発売される2冊目は、28軒のご紹介になるそうです!

日本の温泉文化を 海外に発信されている山崎さんは、
海外で逆取材を受けることもあるそうで、注目度の高さを感じます。
2009年には、パリで新潟の旅館組合の方々と
”雪国と温泉”という企画展も開催されました。

山崎「雪国観光圏の方々と一緒に手ぬぐいを作ったんですけど、
   これは、海外の皆さんに、宿泊した朝、
   こんな過ごし方をしてほしいと、漫画のように説明したものです。
   日本の温泉は素晴らしいと伝える事は大事ですけど、
   エンターテイメント性も大事にしたいなって思っているんです。」

杏子「ちゃんと、すくう、入る前に洗う、とか
   日本のいいところですよね〜」



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