ゲスト:春名風花さん
魔法の言葉 “自分 すごい!”
春名風花さんの最新刊「いじめているきみへ」
いじめる存在がいるからいじめられる存在が現れる。したがって対症療法ではなく根治療法を考えるのであれば、大元であるいじめる存在に語りかける必要がある。その思いをもって6年前、当時小学生だった春名さんは「いじめるきみ」へ呼びかけた。
いじめの善悪を問われれば、ほとんど全ての人は悪と答えるであろう。しかしいじめはなくなっていない。なぜか。
その理由を春名さんは「どんな人にも他人をいじめたいという欲があるから」と喝破する。悪魔的なごく限られた人間のみ持つ邪悪な感情というわけではなく、単純な好き嫌いに端を発する、誰もが持ちうる感情なのだと。だがだからといって、もちろんそれが肯定されるわけではない。肯定されるべきでもない。そしてそれは学校という子供たちの世界だけの話ではない。老若男女、全ての人たちが当事者になりうる話なのだ。
いじめている側は往々にして、自分がいじめているという自覚がない。だからこの呼びかけがダイレクトに届かないというジレンマがある。それを織り込んだうえで、現在進行形のいじめている人たちへ、さらにはこれからいじめる存在になるかもしれない人たちへの予防接種として、若い世代へより訴求しやすいであろう絵本というフォーマットで発信されることになった今回のメッセージ。
より多くの「いじめているきみ」にしみわたりますように。
「誰もみな 愛し愛され 生まれ来る
まずそのことを 思えば変わる」
P.S.ご自分の考えをご自分の言葉で語る、極めて聡明で素敵な方でした。親子ほどの年齢差(事実彼女より年長の娘がいます!)ですが、実に大きな学びを頂きました。