#26『I got rhythm 音楽が生まれる時』 概要と選曲リスト

是非これを見ながら聴いてください!


今月のテーマ:「CITY POPPIN’ TIME」(第4回:シティポップ2019)
パーソナリティ:松永良平(音楽ライター)


<番組のトーク・パート(概要)と選曲リスト>
― 今月は、今再び注目を集めるAOR/シティポップにフォーカスして、その背景を紐解いていきます。
今回は、シティポップの”今”に迫ります。

 1970~80年代にかけて日本で流行したシティポップは、次第にその言葉を聞かなくなっていきますが、2010年前後にまた注目が集まりました。しかし、21世紀に作られたシティポップは、70~80年代に流行したサウンドとは少し違い、90年代に流行したHIP-HOPや新しい形のJ-POP、現代のブラックミュージックやブラジルの音楽などの影響を受けた、新しい魅力があります。

1「街の報せ」cero
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 新しいシティポップの中心と呼ばれることが多いバンドceroの1曲。彼らは、最先端の海外の音楽のリズムやアレンジを吸収して、独自のサウンドを創り出しているのみならず、そこに自分たちの暮らしの目線を上手に盛り込んでいく手腕があります。

―2010年代に入ると、cero以外にも、Suchmos、LUCKY TAPES、Awesome City Club、TENDREといった、「ネオ・シティポップ」とも呼ぶべき、様々な若いバンドが登場しました。
 
M2「サマーブリーズ '86」一十三十一
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 2010年代に起こった、シティポップ・リバイバルの動きの中でも、とても重要な作品が、一十三十一のアルバム『CITY DIVE』。その中からの1曲。一十三十一はこのアルバムで、流線形というバンドのクニモンド瀧口をプロデューサーに迎え、80年代のサウンドを取り入れながら、現代の感性や技術をうまく消化しています。

M3「赤いタワーまで」シンリズム
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 父親がキリンジが好きで、その影響で楽器を始めたシンリズム。中学生の頃、父親からスティーリー・ダンの曲のベースラインをコピーするように言われ、完璧に再現して見せたという、まさにシティポップ新世代を象徴する才能の持ち主です。

M4「水星」tofubeats feat.オノマトペ大臣
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 21世紀のシティポップを考える上で、外すことができない重要な楽曲。tofubeatsが音楽で提示している「郊外」というコンセプトは、日本のシティポップを考える上で重要なものです。かつて細野晴臣が、生まれ育った麻布を離れて、埼玉県の埼玉県狭山市で『HOSONO HOUSE』というアルバムを作ったように、実はシティポップという音楽には昔から、都市と郊外の距離感を表明するという裏テーマがあります。