#35『I got rhythm 音楽が生まれる時』 概要と選曲リスト

是非これを見ながら聴いてください!


今月のテーマ:「ポップに、キャッチーに!お茶の間を沸かすコマーシャル・ソング」
(第4回:コマーシャル・ソングの未来は…?)
パーソナリティ:濱田 高志(音楽ライター、アンソロジスト)


<番組のトーク・パート(概要)と選曲リスト>

― 今月は、「ポップに、キャッチーに!お茶の間を沸かすコマーシャル・ソング」と題して、日本のコマーシャル・ソングの世界を紐解いていきます。今回は、近年のコマーシャル・ソングを中心に、「コマーシャル・ソングの未来は…?」というテーマでお届けします。

80年代に入ると、音楽のジャンルもポピュラー・ソングのみならず、民族音楽や現代音楽、ラップなど多様化していき、それに伴いコマーシャル・ソングにも様々な音楽が使われるようになってきました。また、タイアップ・ソングも増え、またバブル経済の絶頂期に向かって、作りも豪華になっていきます。
 一方、既成曲の使用料が高額なこともあって、新規録音のカヴァーや、既成曲と少し似たようなメロディで作った別の楽曲を使用することが多くありました。
 
― 平成に入って以降の、インパクトのあるコマーシャル・ソングをご紹介します。

M1「Gift〜あなたはマドンナ〜」土岐麻子
2011年資生堂の「ELIXIR SUPERIEUR」CMソングです。作詞は小野健とEPO、作曲はEPOです。EPOはÇMソングだけでCDができるほど、たくさんキャッチーなCMソングを作った人です。

M2「人生は夢だらけ」椎名林檎
 2016年にかんぽ生命のCMで、高畑充希が歌った曲の、作者によるセルフカヴァー。作詞、作曲は椎名林檎で、編曲は村田陽一です。

― 少しさかのぼって90年代を振り返ると、第2次、第3次バンドブーム、カラオケブームなどで、聴き手が個人的に歌える環境も整い、口ずさみやすいポップで、キャッチーな楽曲が人気になります。例えば、大塚製薬のポカリスエットで起用された、ビーイング系のアーティスト(織田哲郎、ZARD、FIELD OF VIEW等)歌った楽曲や、アルペンの広瀬香美の楽曲が挙げられます。

― ここで、90年代以降に登場した、つい口ずさんでしまうようなコマーシャル・ソングを紹介します。

M3「ネコ大好きフリスキー」楠木勇有行
 1993年のネスレピュリナのCMソング。作曲は井上大輔と鈴木さえ子です。「ネコ大好きフリスキー」の部分は鈴木さえ子が作り、その前後は井上大輔が作っています。作詞は嶋崎政樹、編曲はあかのたちおです。

M4「ドコモダケのうた」バンド・ダッケ?
 2006年NTTドコモのCMソング。「バンド・ダッケ?」というアーティスト名になっていますが、ムーンライダーズの岡田徹です。作詞は垣内美香、作曲は岡田徹です。

― 近年、原点回帰的な連呼型のコマーシャル・ソングが増えてきているようにも思えます。
例えば、西武鉄道の「ちちんぶいぶい 秩父」という、土屋太鳳がキレキレのダンスを披露して話題となったCMでは、キャッチーな連呼型のCMソングが使われています。

― また、最近ではゲーム音楽や映画音楽のような、派手な楽曲が多くなっており、静かな雰囲気の楽曲の方が、逆に耳を引きつけるということもあります。

M5「いてくれてありがとう(CMサイズ)」手島葵
 2014年のパナソニックのCMソング。作詞は三浦徳子、作曲は元クラフトの三井誠。メロディも歌声も歌詞も素晴らしく、CM映像の演出も素晴らしいです。

M6「お弁当を食べながら」清浦夏実
 2008年のHotto MottoのCMソング。Hotto Mottoがほっかほっか亭から離脱して、新たなブランドとして立ち上がったときのイメージを決定づけた楽曲です。作詞は岩崎俊一、作曲は菅野よう子です。