#38『I got rhythm 音楽が生まれる時』 概要と選曲リスト

是非これを見ながら聴いてください!


今月のテーマ:「ボサノヴァの神様ジョアン・ジルベルト」
(第3回:ボサノヴァ以降の音楽)
パーソナリティ:宮沢和史

<番組のトーク・パート(概要)と選曲リスト>


― 今月は、「ボサノヴァの神様ジョアン・ジルベルト」と題して、2019年7月6日に他界した、ボサノヴァの神様ジョアン・ジルベルトの音楽の足跡を辿りながら、彼が後世に残したその音楽的遺産について、紹介していきます。
今回のテーマは、「ボサノヴァ以降の音楽」です。

― 1958年に、ジョアン・ジルベルトが発表した楽曲「Chega de Saudade」から、ボサノヴァの歴史が始まり、60年代になるとボサノヴァはアメリカに渡り、それから世界に広まっていきました。
 しかしながら60年代というと、ボブ・ディラン、ザ・ビートルズをはじめ、フォークやロックといった、素晴らしいポピュラー音楽がたくさん作られ、世界中に影響を与えた時代です。ブラジルの音楽家たちも、このイギリスやアメリカから来たムーヴメントに大きな影響を受けました。

― ブラジルのポピュラー音楽を語るうえで外せないのは、カエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルの2人です。2人とも同じバーイア州出身で、親友同士です。
 2人は、ビートルズの『サージェント・ペパーズ』のような、サイケデリックな世界に影響を受け、ガル・コスタ(歌手)やムタンチス(バンド)らと一緒に、「トロピカリズモ」と呼ばれるムーヴメントを起こします。当時発表したアルバム『トロピカーリア』は、ブラジルだけでなく世界中の若者に影響を与えました。
 しかし、当時のブラジルは、軍事政権により芸術が弾圧された時期で、のちにカエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルは逮捕され、ロンドンに亡命します。

M1「Parque Industrial」Caetano Veloso Feat. Gilberto Gil, Gal Costa & Os Mutantes
 1968年に発表されたアルバム『トロピカリア』から1曲。

― 時が経ち、1993年、盟友カエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルは、「もう1回トロピカリア宣言をしよう」ということで、『トロピカリア2』というアルバムを出します。

M2「Haiti」Gilberto Gil & Caetano Veloso
 1993年発表のアルバム『トロピカリア2』から1曲。

M3 「Tropicalism」THE BOOM
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 宮沢和史が「トロピカリズモ」のムーヴメントに影響を受け、1996年に発表したアルバム『TROPICALISM -0°』のタイトル曲です。
 
― ジョアン・ジルベルトを始め、カエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジル、ガル・コスタはバイーア州出身です。
バイーア州は昔、アフリカからの労働力として黒人が渡ってきたため、今でもアフロ文化があります。
サンバもバイーアからだんだん南下してリオに伝わったため、バイーアのサルヴァドールは、「ブラジル音楽のへそ」とも言え、ブラジル音楽を語るうえで需要です。

― ジョアン・ジルベルトは、カエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルといった、同郷の後輩らの才能を認め、期待をしているような感じがします。というのも、ジョアンはカエターノやジルの曲を進んで歌っているからです。

M4「Eu Vim Da Bahia」João Gilberto
 1973年のアルバム『João Gilberto』から1曲。ジルベルト・ジルが作曲した曲をジョアン・ジルベルトが歌っています。

M5「 No Tabuleiro Da Baiana」João Gilberto・Caetano Veloso,・Gilberto Gil,・ Maria Bethania
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 1981年に発表されたアルバム『Brasil』から1曲。ジョアン・ジルベルトと、カエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルと、カエターノの妹であるマリア・ベターニアといった、バイーア出身のみんなで作り上げた作品です。

― ここで、ジョアン・ジルベルト以外で、当時ブラジル音楽の中心人物となった2人の曲をお届けします。

M6「Roda」Elis Regina
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 ヨーロッパでの人気が高かったエリス・ヘジーナ。ジョアンやトム・ジョビンとは別のルートで、世界中にブラジルの音楽を発信した人です。

M7「Dorme Profundo」Marcos Valle
宮沢和史オススメのシンガー、マルコス・ヴァーリ。しっとりした歌い方が魅力です。