#39『I got rhythm 音楽が生まれる時』 概要と選曲リスト

是非これを見ながら聴いてください!


今月のテーマ:「ボサノヴァの神様ジョアン・ジルベルト」
(第4回:21世紀ブラジル)
パーソナリティ:宮沢和史

<番組のトーク・パート(概要)と選曲リスト>


― 今月は、「ボサノヴァの神様ジョアン・ジルベルト」と題して、2019年7月6日に他界した、ボサノヴァの神様ジョアン・ジルベルトの音楽の足跡を辿りながら、彼が後世に残したその音楽的遺産について、紹介していきます。
今回のテーマは、「21世紀ブラジル」です。

― 80年代のブラジル音楽というと、特に大きなムーヴメントはありませんでした。
当時のブラジルのポピュラーミュージックは、アメリカの商業音楽に大きな影響を受け、アレンジも当時の流行りのサウンドが主流となり、ブラジルらしさが少し影を潜めた時期と言えます。

― それが90年代に入ると状況が変わります。それまではサンバでさえも、エレクトリックベースとシンセサイザーの音を使ったものになっていましたが、その流れから脱却するかのように、ヒップホップアーティストやロックバンドが、サンバのグルーヴを取り入れたり、サンバの楽器をフィーチャーしたりと、若者が自国ブラジルのルーツを見直し、ミックスしていく時代になります。

― ところで、アート・リンゼイというミュージシャンをご存知でしょうか?彼はアンビシャス・ラバーズというグループにいたアメリカ人アーティストです。彼は、ブラジルに所縁があり、よくブラジルとアメリカを行き来していました。90年代に色々なブラジルアーティストのプロデュースを手掛けました。

M1「Bahia, Minha Preta」Gal costa
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 バイーアの歌手ガル・コスタが1993年に発表したアルバム『チェシャ猫の微笑』から1曲。このアルバムは、アート・リンゼイがプロデュースした作品です。

M2「Eu Vou Junto」miyazawa kazufumi
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 アート・リンゼイがプロデュースした宮沢和史のアルバム『miyazawa』から1曲。
アート・リンゼイは、譜面を見ながら指示するわけでも、たくさんの楽器が弾けるわけではありませんが、アーティストがのびのびと、新しい演奏にチャレンジできる空気感を作る力がありました。

― ここで、2000年代のブラジル音楽を2曲お届けします。

M3 「Sete Pulos」Jail Oliveira
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 ジャイル・オリヴェイラはサンパウロの人で、ジャイル・ホドリゲス息子です。サンパウロの、リオとは違う都会のクールさがあります。この曲は2003年のアルバム『3.1』から。
 
M4「Malemole^ncia」CéU
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 2005年のアルバム『CéU』から。こちらもサンパウロのアーティストです。

― ジョアン・ジルベルトは、1991年のアルバム『ジョアン』からしばらく作品が出ていませんでしたが、2000年に『声とギター』というアルバムを出しました。

M5「Eclips」Joao Gilberto
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとバージョンが異なる場合があります。

 アルバム『声とギター』より1曲。このアルバムは、前作のゴージャスなサウンドとは対照的に、弾き語りのみのミニマルな作品になっています。プロデューサーは、ジョアンと同じバイーア出身のカエターノ・ヴェローゾです。