第2回目の放送となる4月11日(土)は、
Boseさん、ANIさん、SHINCOさんの3人からなるラップグループ、
スチャダラパーのみなさんがご来店。
「土曜日にブチ上がる曲!」のお持ち込みで盛り上がりました。
リリー:いらっしゃいませ。「スナック ラジオ」店主のリリー・フランキーがお届けしています。今日のお客様はスチャダラパーのみなさんです。3人は僕と会社も一緒ですからアレですが……デビュー30周年ということで……何だろう。30周年なのに、この威厳のない感じ(笑)。
Bose:本当ですね。30周年だと本当は勲章くらいのクラスですよね。
リリー:何かもらうよ、そろそろ。
Bose:「みうらじゅん賞」(第9回、2006年)はもらったんですよ(笑)。
リリー:あれをもらうのは大変!
Bose:あれはだって確率が(笑)。
リリー:「みうらじゅん賞」をもらったとき、同期は誰だった?
ANI:誰だっけ?
リリー:サミュエル・L・ジャクソン。映画「スネーク・フライト」に出ていた頃だ。
SHINCO:ピンポイントでそれ(で「みうらじゅん賞」受賞)だと思う、多分。
Bose・ANI:それです。
リリー:俺、同期はニャンまげ(日光江戸村のキャラクター)。みうらじゅん賞も、どんどん「人じゃないもの」がもらい出してきていて。この間、牛タンのあの店、何だっけ?
SHINCO:利久かな。
リリー:ううん、……ねぎし。ねぎしの白って牛タン(ねぎし・しろ4)が賞取ってた(笑)。
Bose:すごい(笑)。
ANI:ヤバい(笑)。
リリー:みうらさんになんで? って聞いたら、「うまいから」って(笑)。
SHINCO:シンプル(笑)。
Bose:そういう名誉ある賞はもらっているんですよ。
リリー:で、今日は「スナック ラジオ」に来てもらったということで……でもなかなか4人で飲みに行ったりしないもんね。
Bose:そうですね。初めて会った頃に、何度か連れて行ってもらった。
リリー:あと、こういうスナックっていうところで、なかなか日本人でヒップホップというかラップをカラオケで歌う人って、少ないじゃない?
Bose:当時はそうですね。
リリー:今もそうじゃない?
Bose:カラオケ・スナックではあまり歌われないですからね。
リリー:でも唯一スナックでカラオケで歌われているラップがある曲って、「(今夜は)ブギー・バック」でしょ?
Bose:本当に自分らも半信半疑というか、「ヒットしてるしてる」って、当時言われてはいたけど……本当に地方のスナックとかで、まったく知らないギャルみたいなのが歌っているのを見たときに、「俺達はヒットしている」って認識を……こんな所でもか!? っていう。
リリー:1回、Boseと金沢でメシを食ったんですよ。それでちょっと面白そうな店を探そうぜっていってたらフォーク喫茶「ぷかぷか」っていう、いかにもフォークゴリゴリの老舗みたいな店があって……店の雰囲気もめっちゃ古いの!
Bose:ありましたね(笑)。
リリー:「『ぷかぷか』じゃん? ちょっと入ってみよう」って。店主もそんなに愛想もよくないわけ。何だ? お前ら、外から来たのか? みたいな。で、客が俺らくらいしかいなくて。
Bose:意外と空いていて。
リリー:で、歌っちゃえばいいじゃん! ギターとか置いてあるわけ。
Bose:フリーギター、フリーマイク(笑)。
リリー:いや……でもBoseに「これ、選曲難しくない?」って。
Bose:難しい……。
リリー:これはちょっと“置きにいこう”って。とりあえず俺は(王道の)吉田拓郎さんの曲とか。
Bose:歌ってた(笑)。
リリー:そうしたら、俺らも緊張がまだ解けないうちに、若いサラリーマンで4人組みたいなのが入ってきて。いきなりサザンとか(笑)、今っぽいものをどんどん歌い出して。今のフォーク喫茶のカテゴリーがもはやわからないな、と思って(笑)。
Bose:うちら、空気を読もうとしすぎちゃって(笑)。
リリー:で、帰りに「このお店は結構長いんですか?」って聞くと「去年から」って(笑)。なんで俺らは緊張していたのか(笑)。
Bose:すごくしっかりしたオヤジがずっとやっているのかと思いきや(笑)。始めたばっかだった。「試しに始めてみた店」。
リリー:YouTubeのやってみたシリーズ(笑)。
Bose:びっくりしましたね。
SHINCO:SINCE(みうらじゅんが提唱するブームの1つ)詐欺だね、それ(笑)。
〜中略〜
リリー:ANIっていつも何かしら凝ってるじゃん? ガチャガチャに凝ってたりとか、自撮りの女の子の画像を集める、とか。今は何に凝ってるの?
ANI:スタンプ。
Bose:これ、説明難しいよ……街にスタンプっていうのがいろいろあって……。
ANI:そう、それを。
リリー:LINEのスタンプとかじゃないんだよね?
Bose:リアルなやつです(笑)。スタンプラリーを子どもがやるじゃないですか。あれをいろいろやるんだよね。
ANI:いろいろ、無作為に。
リリー:駅とか観光地にあるスタンプでしょ?
ANI:あと、サービスエリアとか。
Bose:あと、最近コンビニにも結構あるんですよ。例えば女の子が好きそうなセーラームーンみたいなものをスタンプで集めると何かもらえる、とかやっているんですけど。ANIはそういうのも集める(笑)。
リリー:スタンプは何なの? スタンプ帳に押していくってこと?
ANI:自分のオリジナルのスタンプ帳に押しているんですよ。
Bose:これ客観的に見ると、おじさんが普通の何でもないノートを持って、コンビニにスタンプだけ押しに来るんですよ……ダメでしょ(笑)?
リリー:普通、例えば鉄道マニアの人が駅のスタンプを集めるとか。大体スタンプ(好き)の人って、コンセプトを持ってやっているわけじゃん? 何かそういうのはあるんですか?
ANI:ないです。とにかくスタンプがあったら押していきたい。
Bose:だからちょっと見わけが難しいというか(笑)。ちょっと具合の悪い人かな? っていう目で見ちゃうというか(笑)。
SHINCO:昔、子どものときタンスにシールをどんどん貼っちゃう感じに近いのかな。
ANI:楽しいです。ノートを埋めたいんです、スタンプで。
リリー:ANIは本当に若いときからそうだけど。何かに夢中になっていないと気がすまないんだね(笑)。
ANI:多分そうです。
Bose:しかもわりとタダで遊べるやつが好きだよね(笑)。
ANI:そう。あまり趣味にお金をかけたくないんですよ。結局そうなってくると、お金を持っている奴が勝つ時代になってくるじゃないですか。
SHINCO:それ、子どものときから変わらない(笑)。
リリー:ANIがガチャガチャに凝っていたときがあったじゃん? あれ、お金がかかるじゃん?
Bose:あれ、めっちゃかかる!
リリー:あのとき、会社(リリーもスチャダラパーも所属する事務所)の会議でANIがガチャガチャをやりすぎて前借りを頼んでいるけど、どうする? って。その無益な会議に俺は出た(笑)。
Bose:なかなか高いから、1個が。3、400円とか。
ANI:ガチャガチャって300円でしょ?
Bose:でしょ? だってそれをたくさん詰めて……何の袋だったっけ?
ANI:オッシュマンズとか……上がキュッとなるやつに入れて。
リリー:怖っ(笑)!!
ANI:パンパンになってました、「枕になるかも」って(笑)。
リリー:でも何かに夢中になっていないと退屈だもんね。そして、このスナックは音楽が持ち込みになっております。そして土曜日にブチアガる曲のオーダーが入っていると思いますが……その前にここTOKYO FMが開局50周年。
そんな由緒ある開局50周年のアニバーサリーソングを、デビュー30年のスチャと結成30年のライムスターで作ったという……TOKYO FM、ほかに誰かいるだろう? と……これだけいろいろなパーソナリティがいるというのに(笑)。
Bose:30っていうのがちょうどよかったみたいで。お互いやったこともなかったんですよ、スチャとライムスターっていうので。
リリー:福山(雅治)君だって30周年だよ!
Bose:本当そうだ! でまぁ頼まれたの。じゃ、はいって言って。はいやりますって(笑)。
リリー:スチャとライムスターで50周年を祝う。せっかくのお祝いごとですから、その曲から行きますか。じゃ、紹介してください。
Bose:スチャダラパーからのライムスターで「Forever Young」。
〜中略〜
リリー:スチャもデビュー30周年で、これ何? アルバム3枚同時って、3形態?
Bose:3形態作ったんですよ。中身は同じなんですけど。おまけにCDが付いているんですけど……。
※「シン・スチャダラ大作戦」(S盤 / D盤 / P盤) 2020年4月8日発売
ANI:おまけが違うんです。
Bose:1つ目は和楽器でスチャダラパーの曲をカバーして。
リリー:京風らーめんの(店舗とかで流れていそうな)(笑)?
SHINCO:それです。京風らーめんと、マッサージ……オイルマッサージとか。
Bose:2つ目はオルゴールバージョン。3つ目がボサノバ系。
リリー:わざわざスーパーの丸正でかけてもらうようなやつを(笑)。
Bose:うちらのファンで、けっこう町の有名な鍼灸師になっているおじさんとかいるはずじゃないですか? その道で。ずっとそれを聴きたいなっていう曲を……。
SHINCO:ラップじゃうるさいけど(笑)。
リリー:お前ら! うちの会社(リリーが代表を務める事務所にスチャダラパーは所属)を潰すつもりか(笑)。そんなくだらないことのために3枚も……中身一緒だろ? これ。
ANI:そうなんです。
Bose:ウケると思うんですよね。ピンポイントすぎる(笑)。
~「今夜はブギー・バック」(S盤『ゆったり畳で和みスチャ』インスト盤 / 和楽器)を聴く~
ANI:琴バージョン。
Bose:これけっこうキイてくるんですよ。
リリー:ジワるね(笑)。これ蕎麦屋でかかるといい。せせらいでいる……。
リリー:じゃ、ちょっと次の琴じゃないやつ。
~「今夜はブギー・バック」(D盤『たっぷりダラっとオルゴール』インスト盤 / オルゴール)を聴く~
Bose:オルゴールも本当、自然に聴けますよ。これもウケるんですよ。
リリー:これ清里とかに売っている(笑)!
Bose:そうなんですよ、これすでに売っているんじゃないかな? っていう。
リリー:このオルゴールバージョン、誰かの葬儀でかかったら……偲ぶ。
SHINCO:そっちのニーズもあったか!
Bose:意外とこれバレないんだよね。あとボサノバがあるんですよ。これまたちょっとまた変わっていて。……これヴィレヴァン(ヴィレッジヴァンガード)とかでかかってるでしょ?
~「今夜はブギー・バック」(P盤『のんびり100パー ラテとボサ』インスト盤 / ボサノバ)を聴く~
ANI:よくマジのおじいさんのギタリストが、最近のヒット曲を……。
SHINCO:弾いてみた(笑)。
リリー:ヴィレヴァン臭すごいな、これ(笑)。
Bose:でもすごいんですよ。上手なんですよ、このギタリストの人。
リリー:これいいね。ちょっと街はずれのイタリアンとかでかかってそう。
Bose:バレないと思う。でもバレないって(笑)。
SHINCO:バレちゃまずいのか? っていうのもありますけど(笑)。
リリー:誰かが会話の途切れに「……これ、スチャダラじゃない?」みたいな。
SHINCO:台無しになる(笑)。
Bose:それをちょっと狙いたいですよね。
リリー:これデートでもイケるね。
Bose:いいと思う。スッとこれをかけ出して……素敵なボサノバを聴いているなと思ったら(笑)。
ANI:ゆっくり指輪のケースを出して(笑)。
Bose:インスタとかに上げて欲しい、それ(笑)。
リリー:これ3種類使えるじゃん。俺、多分ボーナス盤のほうしか聴かない。
SHINCO:そういう人が増えちゃうんじゃないかなって気もして(笑)。
Bose:いると思うんだよな。寝るときとかね。
リリー:自分の風化を進めるっていうのはすごいよね。自分達の曲をダメージ加工しているという。だってヒップホップを(スーパーの)丸正サウンドにするって、なかなか考えつかないよね。
Bose: Zeebraの曲もあまりなっていないと思うから、先にやっちゃおう! と。
リリー:気がついたら、スーパーで買い物をしながら口の中でボソボソちょっとラップはするの。1、2、3~。
Bose:これを聴いて、ついついね(笑)。
リリー:でもそうやってスチャが30周年になる……日本もヒップホップがこれくらい成熟したっていうことでしょ?
Bose:そういうのを面白がりたいという。ライムスターは、もちろんこんな企画はやらないんですけど(笑)。
ANI:やらないですよね(笑)。
※アルバム・ツアーの詳細など、詳しくはスチャダラパー オフィシャルHPをご確認ください。
http://schadaraparr.net/
★4月18日(土)は、アルバイト女子店員2人(!?)をお迎えします。どうぞお楽しみに!