声優・野島裕史が、自転車をテーマにお届けしている番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。5月9日(土)〜12日(日)放送のゲストは、先週に続き、元プロ・ロードレーサーでサイクルロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」大会ディレクターの栗村修さん。「自転車月間」について伺いました。
(上から)栗村さん、野島
野島:栗村さんは、一般財団法人「日本自転車普及協会」の役員でもあります。5月は「自転車月間」ですが、目的・狙いはありますか?
栗村:「自転車月間」の歴史は古く、1981年(昭和56年)5月に、自転車の安全利用の促進、自転車・駐輪場の整備に関する法律が施行されたことを記念して設定されました。当時、世の中に自転車を啓発していく目的がありました。
(「日本自転車普及協会」には)いくつかの事業があり、実は自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」の前身の大会「国際自転車ロードレース」は、“5月は「自転車月間」ですよ”ということを知ってもらうためと、自転車のよさを一般的に広めるために、開催されました。
野島:「ツアー・オブ・ジャパン」は、「自転車月間」がきっかけなんですね。
栗村:そうです。「自転車月間」の主力事業が、この「ツアー・オブ・ジャパン」なんです。1981年からですので、40年近い歴史があります。また、「自転車月間」が5月で、「自転車の日」が5月5日なんです。
野島:「子どもの日」であり、「自転車の日」でもあるという。
栗村:「ツアー・オブ・ジャパン」大会事務局を担当している「日本自転車普及協会」は、東京・明治神宮外苑で5月5日に「サイクルドリームフェスタ」というイベントを開催しています。これは、“新緑の季節”5月が、自転車にはマッチしているということで……。
野島:確かに。5月に走るのが一番気持ちいいですね。
栗村:そうなんですよ。空気も太陽も。自転車にとって本当に最高な月なんですけど、今年は残念ながら「サイクルドリームフェスタ」も「ツアー・オブ・ジャパン」も開催中止になってしまいました。でも5月の「自転車月間」自体がなくなるわけではないので、何かやっていきたいなというふうに思います。
野島:改めて、自転車に乗るときのルール・マナーを教えてください。
栗村:新型コロナウイルス問題が世の中に大きく影響を与える前からの話になりますが、近年、自転車に乗る方、特にスポーツ自転車に乗る方が非常に増えています。
基本的な自転車ルールはインターネットなどで検索すると出てきますし、改めて見直していただきたいなと思います。
当たり前なルールではありますが、“左側通行に徹する”。そして、自転車というのは、基本的に車道を走るものなんですね。特にスポーツ自転車に乗っているような方は、安全に十分注意していただきながら、車道・左車線をしっかり走ってください。
そして、自転車は軽車両です。車やバイクと同じように、交通ルールを守ってください。一時停止は守る。信号は守る。当たり前ですよね。
そして、交通標識に書かれているようなことも、しっかり守る。これを守ることが、事故なく安全に乗ることができる一番効果的な乗り方なんですね。自転車はどうしても、歩行者の延長として認識されているところがあると思いますけど……。
野島:確かに。いわゆる“ママチャリ”と言われている自転車なんかは、どうしても、そういうイメージが払拭できないですよね。
栗村:そうなんです。車の免許を取った方であれば、基本的な交通ルール・標識を理解していますが、車の免許を取ったことがない方でも自転車には乗れますよね。そうすると、どうしても歩行者の延長になってしまうのです。
ご自身で、“基本的な交通ルールをわかっていないな”と思う方は改めて、自転車は軽車両であるということを認識してください。
さて、5月16日(土)〜19日(火)の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」では、元プロロードレーサーの今中大介さんをゲストにお迎えし、コロナ禍でのトレーニングの秘訣などをお話いただきます。お楽しみに!