これからの時代の主役となる「Z世代(10代~22歳)」と「ミレニアル世代(23歳~38歳)」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どうした性質や特徴があるのか、さらにグローバルビジネスや海外進出企業も知りたいこれからの消費動向について、ミレニアル・Z世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していく。
☆シェリーさんのPresident記事はこちら
https://president.jp/articles/-/34524
今回は
《オンラインでの期末試験ってどんなの?》
《NYは6月半ばにロックダウン解除と言われてるけど、どう思う?》
<本記事を要約すると…>
●オンライン期末試験が各高校大学で実施されているが、テスト中のネット回線不調などにより、テストがしっかり行えず、大変な目に遭う学生が続出!NYで社会問題となっている。
●貧富の差がそのままdigital divideとして、ネットアクセスの格差となっている。NYの公立高校では、1割がホームレスとするデータもあり、ネット環境格差がそのまま教育格差にもなっている。
●「6月半ばにはロックダウン解除」と言われているが、Z世代は「どうせまた延長するのでは?」と思っている
●Z世代はやはりEmpathy(共感・同情)がキーワード。(今までもチャリティに積極的、など情報をご紹介してまいりました。)他人を思いやる心が、このコロナ禍でより強くなる可能性も。
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ニューヨークのミレニアル世代とZ世代が気になっている話題をみんなでおしゃべりするNY Future Lab
綿谷エリナ:綿谷エリナのOn The Planet この時間は「ニューヨーク・フューチャーラボミレニアル・Z世代研究所」です。
今週もニューヨーク在住のジャーナリストでミレニアル世代とZ世代評論家シェリーめぐみさんと電話が繋がっています、もしもしシェリーさん。
シェリー: エリーさん! こんばんは!お元気ですか?
綿谷エリナ:こんばんは!元気です。シェリーさんは?
シェリー:おかげさまで元気です!
日本は緊急事態宣言解除になりましたが、ニューヨーク市はまだロックダウン中です。
「日本がちょっと羨ましい」っていう気もしています。
綿谷エリナ:世界のどこかで前進しているという話を聞くと、少し明るい気分にもなりますよね?
シェリー:そうですね!少しずつ、ね。
さて、NYフューチャーラボ、今夜はNYの Z世代のキサラ、ケンジュ、ミクアにzoomで話を聞きます。
でね、ニューヨークは学期末試験の季節なんですよ。三人ともちょうどテストが終わったばかりなんですけど、そしてやはりオンラインで受ける試験が結構あったそうです。ていうかほとんどかな?
オンラインでテストを受けるってのがどんなだったか、大学生のケンジュと高校生のミクアに聞いて見ました。
ケンジュ:オンラインのテスト、ウェブサイトで答えを出すんだけど、ただmultiple choiceでAとかBとかを・・・
シェリー:ああ選択式のテストだ。で始まる時間とかが決まってるの?
ケンジュ:始める時間はいつでも始められるけど、始まった時間からリミットがるの、どのくらいできるのか
シェリー:うん、そっか。
ケンジュ:そしていつ始めるかにもリミットがある。例えばその日だけ…。 その日のうちにやらなきゃいけなくて、始まったらカウントダウンが始まるから、それがゼロになったらもうそれ以上はできない。
シェリー:誰かが別に見ているわけじゃないんでしょう?
ケンジュ:いや誰も見てない。
シェリー:ズルでききちゃうじゃん(笑)
ケンジュ:いっぱいできるからすごい便利。
シェリー:ミクアはどんなテスト?
キサラ:ファイナル(期末試験)は結構大変で、算数で書いて写真とってemailでプロフェッサーに送って
シェリー:紙に書いたテストの答えを写真に撮って送るの?
キサラ:だけどファイルが入れなくて…
シェリー:それがうまく送れなくて
キサラ:ファイナルgradeがすごく悪くて、I got so confused!
シェリー:混乱しちゃったのね。
キサラ:あともう一人biologyの先生が、オンラインテストmultiple choiceで
シェリー:選択式のテストね。
キサラ:なんかWi-Fiがdisconnectして
シェリー:Wi-Fiが途中で切れちゃったから
キサラ:テストが終わっちゃって全然ダメだった。
綿谷エリナ:えー!
シェリー:なかなかね、聞いてると大変でしょ?
綿谷エリナ:本当ですね!自分の実力じゃないところでトラブルがあるとねえ…
シェリー:ね~。オンラインテスト、ケンジュは1科目だけで楽だったと言ってたけど、ミクアは大変な目にあってる。
最初の写真を撮って送る方のテストは送り直して何とかなったそうですが、もう1つwifiが切れちゃった方はやり直しがきかなくて、結局今学期の他の課題などを総合した成績がつくことになったそうです。さらに普段学校にいる時は、何かあったらすぐ先生を呼べるけど、オンラインだとそうはいかなくて、本当に不安で大変だったみたいなんです。
実はこういう生徒、たくさんいたみたいで、ニューヨーク中で大きな問題になっている。
さらに大きな問題はdigital divide。日本でもいわれてるかな?
貧富の差によってデジタル機器にアクセスできるかどうかで差がついてしまうという意味。これがパンデミックになってハッキリ現れてしまっているんです。Wi-Fiにアクセスできるかどうか、みたいなところが大きな差になってしまってね。
ニューヨーク市では30万台のパソコンを生徒に無料配布して対応していますが、多くの家庭がwifi環境も含めテストを受けられるような環境ではないため、何千人もの生徒が試験を受けられなかったという情報もあるほど。
例えば、ニューヨーク市の公立校の1割がホームレスなんです。私も初めて知ってびっくりしました。そのために、何千人もの人が卒業できなかった、という話もあります。
綿谷エリナ:そうなんだ…。そういう子たちは卒業できないですもんね…
シェリー:そうなんです。日本でもいろんな問題が起きていると思うけど、パンデミックによって世界中でこういう問題が起きてきますよ。
さて、学校がいつ開校できるのかはまだ定かではありませんが、ニューヨーク市のロックダウンの方は6月なかばくらいには解除になるのではないかと期待されています。
それについてどう感じているのか聞いて見ました。
ケンジュ:その時になってまたextendって言われちゃうと思う。
シェリー:期待させておいてやっぱりまだですって言われそうな感じがする? キサラもミクアもそう思う?
ミクア:まあ。何回も言ってたもん。
シェリー:何回も言ってたもんね。これからロックダウンが終わって、何が一番変わると思う?
ケンジュ:ソーシャルディスタンシングがまだ続くと思う。例えば人が神経質になると思う。
キサラ:まだマスクつけると思う。そしてもっと皆cautiousになって助けようとすると思う。感じがもっとよくなると思う。
やっぱりみんな長く中にいたから、いろいろなことを考えるようになって、そしてなんかI feel like everyone is able to go outside as I said being aware of each other people are gonna hopefully be kind to each other.
シェリー:途中から英語になっちゃいましたが、キサラが言いたかったのは、「長いロックダウンの後で、みんながお互いのことをもっと考えるようになって、もっと親切に助けるようになる、そうなってほしい」と言っていましたね。
以前にも、アメリカのZ世代はempathyが強い、他人を思いやる気持ちが強く、チャリティなども活発にやる世代という話をしましたが、多感な時期にこういう大変な体験をしたことで、それがもっと強くなるかもしれません。これは日本のZ世代にも言えるのでは?
綿谷エリナ:そうかもしれないですね!共感とか連帯感とか、そういうの大切な価値観として持っている気がしますよ。
シェリー:そうですよね。で、いまこのEmpathy、いまビジネスの世界でも重要になってきています。顧客や従業員に対しても、共感が重要になってくるという話なんですけど、この話はまた別の機会にさせて頂きます!
綿谷エリナ:楽しみにしていますね!
さて、これまでと変わらず、ラボのみんなやシェリーさんへのメッセージもお待ちしています。
シェリーさんありがとうございました。
シェリー:ありがとうございました!
綿谷エリナ:NY Future Lab、来週もお楽しみに。