今回は、映画から曲がひとり立ちし、
大スタンダードとなっている曲をご紹介しました。
まずは、映画『モダンタイムス』のスマイル。
1936年発表のアメリカ映画で、
チャールズ・チャップリンが監督・製作・脚本・作曲・主演を担当した喜劇映画。
内容は、資本主義社会を生きる中、人間の尊厳は失われ、
機械の一部分や歯車のようになっている世界を、喜劇と悲劇で表現した作品。
ベルトコンベアーを流れる部品に、ひたすらネジを回し続ける行員。
単純作業を繰り返していた行員は、ある日、ついに精神のバランスを崩して、
病院送りなってしまいます。
退院して間もなく、今度は、デモ隊のリーダーと間違われ逮捕されることに、、、
釈放後、他の仕事に就きますが、うまくいかず路頭に迷ってしまう。
映画を観たことのない方でも、チャップリンが機械に飲みこまれ、
大きな歯車に挟まれてしまう場面は知っているのではないでしょうか?
チャールズ・チャップリンは、1889年4月16日、イギリス・ロンドンで生まれ。
1913年、アメリカで、コメディというジャンルを確立した大プロデューサー、
マック・セネットから映画界に誘われ、25歳から映画に出演するようになります
サイレント映画の時代に、山高帽にチョビひげ姿で、
貧しくて失敗ばかりでもプライド高く生きる放浪紳士のイメージを作りあげ、
たちまち世界的な人気スターとなっていきます。
1928年、『サーカス』を製作。第1回アカデミー賞で特別賞を受賞。
1931年、トーキー映画が勢い付く中、サイレント映画の『街の灯』を発表。
1936年、『モダンタイムス』を発表。
『モダンタイムス』は、一部にセリフが入る以外は、
音楽の伴奏と効果音のみによるサイレント映画として公開されました。
1930年代は、サイレント映画からトーキー映画に移行しつつある時代。
チャップリンは、なぜ、サイレント映画にこだわったのか?
それは「世界中が分かるが映画だ」という思いがあったからです。
確かに、チャップリン映画は子供から大人まで、
言葉の壁を越えて笑える内容ですよね。
『モダンタイム』で、チャップリンは「スマイル」を作曲。
ヒロインの身寄りのない女性とのささやかな愛のシーンと、
エンディンで2人が希望に向かって歩いていくシーンで流れていました。
元々「スマイル」は、インストゥメンタルの曲でしたが、
1954年に歌詞がつけられると、ナット・キング・コールによって歌われました。
その後、ニール・セダカ、マイケル・ジャクソン、ナタリー・コール、
ボビー・コールドウェル、エルヴィス・コステロ、ロッド・スチュワートなど、
多くのアーティストに愛されカバーされています。
続いては、映画『お熱いのがお好き』のI wanna be loved by youです。
1959年公開のアメリカ映画で、監督はビリー・ワイルダー。
トニー・カーティス、ジャック・レモン、マリリン・モンロー主演のコメディ作品。
私の大好きなビリー・ワイルダー監督の作品は、
コメディながらも知的で切れ味がよく、気分がスカッとします。
映画の内容は、禁酒法時代のシカゴで、マフィア同士の抗争を目撃してまった
サックス奏者(トニー扮する)ジョーとベース奏者(レモン扮する)ジェリーが、
女装をして全員女性の楽団に紛れ込みフロリダに逃れます。
楽団に居た女性歌手でウクレレ奏者(モンロー扮)するシュガーと知り合います
一目ぼれしたサクックス奏者のジョーでしたが、女装のままでは、
どうにもなりません。
そこで、石油王の御曹司になりすましシュガーに近づきます。
ところが、シカゴのマフィアがフロリダのホテルにやってくるという、
ハチャメチャな喜劇映画です。
撮影当時、マリリン・モンローは妊娠していて、ポスターなどの宣材は、
楽団の女性に同じ服を着せて下半身を合成したそうです。
マリリン・モンローは、1926年6月、カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。
本名はノーマ・ジーン・ベイカー。
1946年、20歳の時に「20世紀フォックス」のスクリーン・テストに合格。
芸名を「マリリン・モンロー」にします。
この時、女優マリリン・モンローが誕生しました。
1953年に映画『ナイアガラ』で初主演。
腰を大きく振って歩くモンロー・ウォークを披露します。
左右の高さが違うヒールを履いて歩くスタイルは、マリリン・モンローのアイデア
その後、『紳士は金髪がお好き』『百万長者と結婚する方法』など、
主演映画が続々公開され人気女優になっていくマリリン・モンロー。
1955年、ビリー・ワイルダー監督の『七年目の浮気』に主演。
地下鉄の通気口に立ち、白いスカートがふわりと浮き上がるシーンは、
有名なシーンなのでご存知の方も多いと思います。
1959年、『お熱いのがお好き』に主演。
第17回ゴールデングローブ賞/最優秀コメディ女優賞を受賞します。
、
『お熱いのがお好き』の中でマリリン・モンローが歌っている
I wanna be loved by youですが、
元々は、1928年のミュージカル『Good Boy』のために書かれた曲で、
ハリー・ルビーとハーバート・ストサートの作曲にバート・カルマ―が詩を付け、
当時の人気歌手ヘレン・ケインによって歌われました。
映画の中では、舞台となった1920年代に流行した曲が使われていて、
1928年に作られたI wanna be loved by youをマリリン・モンローが歌いました。
マリリン・モンローは、恋多き女としても有名で3度の結婚と離婚を経験。
16歳で最初の結婚。
2度目の結婚相手、元ニューヨークヤンキースのジョー・ディマジオとは、
新婚旅行で来日しています。
日本では帝国劇場に宿泊。
滞在中の記者会見で「夜は何を着て寝ますか?」という記者の質問に、
「シャネルの5番」と答えたのは有名なエピソード。
今日は映画も音楽も素晴らしい、
自宅でゆっくり見てもらいたい映画を2本選びました。
ぜひ、ご覧になってください。
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