作品名「ふくろうダチョー」
1962年生まれ
社会福祉法人 嬉泉(アトリエAUTOS)所属
40年ほど前、市川さんはある職員と一緒に近くの窯場に行くことがあった。そこはお寺の住職さんが営む窯で、その時作った鶏や馬の首つきコーヒーカップが学園で陶芸を始めるきっかけとなった。コーヒーカップに動物の首をつけるという、通常の概念を打ち破る感性を持ち、感じたまま、ためらわず、大胆に表していく。
作品のタイトルは「大韓アラジン」「マレーの壺」「バンコクはにわ」と、作家自身により命名されている。市川さんは旅行が好きで、そこで出会い感じたものが作品となるからだ。バンコクからマレー鉄道に乗ってマレーシアを縦断した時、車窓から「タイにもお化けがいると思って」と、闇夜を見つめていることがあった。お化けの顔がつく壷も、そんな彼の独自のモチーフである。
旅行の哲学も持っている。そこが最南端であること。海があり、山があり、静かで人影がなく、田舎であること。出会ったものをイメージ化し、スケッチブックに描き、立体にしていく。台湾で椰子の木と海を見て南を感じ、「海だあ~、台湾来たんだなあ~」と辺りはばからず感嘆する彼は、“構えず出会い、濁りなく表す”という生き方を体現している。
段々色ギャラリー
https://www.dandan-iro.com/
嬉泉(アトリエAUTOS)
http://www.kisenfukushi.com/autos
「感性のコラージュ 障がい者アート展」
会期:令和2年8月27日(木)~9月2日(水)※最終日は16時まで
会場:京王百貨店新宿店6階 京王ギャラリー