これからの時代の主役となる「Z世代(10代~22歳)」と「ミレニアル世代(23歳~38歳)」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どうした性質や特徴があるのか、さらにグローバルビジネスや海外進出企業も知りたいこれからの消費動向について、ミレニアル・Z世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していく。
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今回はBlack Lives Matterの今
<本記事を要約すると…>
●黒人女性のロゴがパッケージに印刷されていたパンケーキミックス「Aunt Jemima」のデザインを、すべて変えることになった。その他人種差別を想起させるパッケージを使用した商品の多くが、デザインの変更を決めている。そしてこの動きの発端はTikTokだった
●こういう商品をネットでどんどん指摘して、販売できなくすることをネットのキャンセルカルチャーという。そのパワーは限りなく大きい。
●白人の中にも、自分がいかに恵まれていたか自己認識する人もいる。
●全米の7割がBLM運動に賛同している今、過去に差別的発言をした経営者・管理職の中には職位を剥奪される者も!
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綿谷エリナ:綿谷エリナのOn The Planet この時間は「NY Future Labミレニアル・Z世代研究所」です。
ケンジュ:こんにちは名前はケンジュです。
テツ:こんにちはテツです。
メアリー:メアリーと申します
ミクア:こんにちはミクアです。
キサラ:こんにちは私はキサラです and welcome to New York Future Lab!
今夜もニューヨーク在住のジャーナリストでミレニアル世代とZ世代評論家シェリーめぐみさんと電話が繋がっています、
もしもしシェリーさん。
シェリー: エリーさん! こんばんは~!NYは蒸し暑いですよ~毎日…。
綿谷エリナ:そうなんだ!こちらも湿気がすごいですよ。
シェリー: 多分同じ感じだと思います。今年はね、マンハッタン、観光客がいないので、かなり不思議な感じです。
綿谷エリナ:信じられない!
シェリー:そんな夏なんですけども、NYフューチャーラボは今夜も4人のZ世代、ミクア、キサラ、ケンジュ、メアリー、ミレニアル世代、テツの5人でお送りします。
このところずっとブラックライブスマター運動の話をしていて、先週は運動の結果、ニューヨーク市警の予算が減らされたという話をしました。
それ以外にもアメリカの文化に大きな影響が出始めています。例えば、これまでアメリカ人が何も考えずに買ってきた商品が変わり始めているんです。
綿谷エリナ:例えば???
シェリー:まず、アメリカ人が大好きなパンケーキを家庭で手軽に作れるパンケーキミックス、Aunt Jemima という名前の商品ですが、、、
綿谷エリナ:あー!わかるわかる!
シェリー:その商品の、何がどんな風に、なぜ変わったのか。まずミクアに聞いて見ました。
ミクア:They are changing the logo and I think the name too because it’s pretty much stereotypical racial history or, I think it’s like a black woman cooking and being like basically kind like a house slave.
シェリー:Jemimaおばさんのパンケーキなんだけど、このパッケージの絵がかつての奴隷を思い起こさせるというか、家の中の奴隷の女性のイメージがすごくあるということで、パッケージデザインを全部帰ることになったんだよね。
ミクア: And then the other companies are like all of the sudden kind of do the same thing. I think it’s like Uncle Ben’s
シェリー:これの影響で他の会社も、例えばアンクル・ベンのライスとか、バターとかアイスクリームのネーミングなんかも、人種差別と感じられるものは、ネーミングやパッケージは変更になることになったんだよね。でこのAunt Jemimaのことを最初に言い出したのは、TikTokだったって知ってた?
ケンジュ:俺もTikTokで見たけどそれだったのか。
シェリー:こういうのsocial mediaのキャンセルカルチャーって言われるけど本当にすごいよね。
ケンジュ:すごいポイントアウトするから、これがダメこれがダメって全部。
シェリー:あとはメアリー何か知ってる?
メアリー:That was also like they decided to take off Gone With The Wind from HBO like but to re-release it with the context because it’s history.
シェリー: 最後にメアリーが言っていたのは、"Gone With The Wind "、「風と共に去りぬ」という、南北戦争をテーマにした壮大なラブストーリーでアメリカ映画を代表する名画。
しかしこの中には、人種差別的なシーンや会話がたくさん出てくるというので、映画のストリーミングサービスから外されたんです。今後は歴史的な背景をきちんとフォローした上で改めてリリースされるらしいです。
綿谷エリナ:どんな風になるんでしょうね?
シェリー:ね。同じように様々な人種差別的なイメージを持たせるものはどんどんキャンセルされて、姿を消して行こうとしている。こういう、奴隷を思い起こさせる商品がスーパーにあるだけで、黒人は嫌な気持ちになったり、知らず知らず自尊心を失っているのは間違いのないこと。
こういう商品をネットでどんどん指摘して、販売できなくすることをネットのキャンセルカルチャーというけれど、そのパワーはすごい!
特に、人種差別に限らないんだけど、アメリカ人の7割がブラックライブスマターに賛同している今、この消費者のパワーには勝てないので、企業もどんどん実行して行く。
さらにそれだけでなく、大企業では過去に人種差別的な態度や発言をした経営者や管理職は、どんどんそのポジションを追われているんです。
綿谷エリナ:あ、そうなんですか?
シェリー:はい。アメリカではもちろん人種差別は違法です。ただ、こうした差別偏見は未だに水面下で存在している。例えば採用の時、履歴書から黒人っぽい名前だとハネちゃう、みたいなことも起きています。
まるで一時の#me too ムーブメントのように、「人種差別を否定しない会社は、人種差別をしているのと同じ」という見方をされるようになっている。
また、テツの会社では興味深いことが起こっているようです、聞いてください。
テツ:I work at a pretty white company. I was actually upset because I never thought that we can talk about this topic at work actually.
シェリー:テツの会社は白人が中心で、差別の話などはあまりできない雰囲気で、それが不満だったそうなんですね。
テツ:Our CEO, he had no idea about any of this stuff was going on. He’s just he’s from a poor family and worked this way up. So in his mind he told me he doesn’t understand what the privilege is because he never had a privilege himself.
シェリー:社長は白人の出身で貧しい家庭の出身だったから、白人に特権があるなんて考えたこともなかったそうなんです。
テツ:But then, he’s also religious so his church like brought in they had like a long conversation about why he’s privileged even he can’t see it.
シェリー:でもとても信心深い人で、ある日教会の人がなぜ白人に特権があるかという話をしてくれて、すごく納得して、全く別の人になっちゃったそうなんです。
テツ:For him like he’s awoken. He’s literally woke up from a long nap and now he’s like trying to do a right thing and he really believes it. It’s a pleasant surprise to hear it.
シェリー: テツの会社のCEOはまるで長い昼寝から目覚めたようになって、それからはマイノリティのための奨学金を立ち上げようとか、様々なアイデアを実行するようになったそう。嬉しい驚きだったと言っていましたが、先週もお伝えしたようにブラックライブスマター運動を盛り上げているのは、こうした「目覚めた白人」 たち。だからこそこれからも長続きして、社会を変えてくれるのではという期待が持てる。でも、かと思えば、全く逆の上司の話も耳にするから、なかなか難しい。
だけど、少しずつ前に進んでいるということだと思います。
綿谷エリナ:自分が恵まれているかどうかを判断するのって、難しいことですよね。
シェリー:そうですね。それを振り返る機会になっていると思います。
綿谷エリナ:なるほど。 シェリーさんありがとうございました。
そして引き続き、 シェリーさんやラボのみんなへのメッセージもお待ちしています。
ニューヨーク・フューチャーラボ、来週もお楽しみに。