【24日目】社員が教える、一番運転が難しい乗り物はコレ!!
~としまえんのオペレーターと落とし物と迷子の裏話~
24日目の本日は、㈱豊島園に40年以上勤務される渡辺さんと30年以上勤務される上野さんに、としまえんの乗り物を操縦するオペレーターのお話を伺いますした。
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放送後記では、テキストと写真でも「30日後に閉まるとしまえん」をお楽しみください!
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今日はとしまえんの乗り物のオペレーターさんについてお話をお伺いしようかなと思っています。オペレーターさんと言えば、乗り物を運転してくれている方のことです。今日はとしまえんで約30年働かれている上野さんと42年働かれている渡辺さんにお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
上野さん:よろしくお願いします。
渡辺さん:よろしくお願いします。
つるのさん:我々は小さい時からとしまえんにお世話になっておりまして、乗り物やアトラクションなどその他など色々と楽しませていただきました。その影にはオペレーターのみなさんのお力があってのことなのですが、我々にはオペレーターさんがどんなお仕事されているのか全然知らずに遊ばせていただいております。実際にとしまえんのオペレーターさんは、どんなお仕事をされていらっしゃるんですか?
上野さん:そうですね。入口でお客様にお会いして、チケットの発券をし、身長の確認をして、口頭での軽い注意の促し、座席の案内、乗車姿勢の確認、安全装置の確認、運転をし、運転終了して、お客様をお見送りして、最後に忘れ物の確認をするというのが基本的な流れとしてはルーティンですね。
つるのさん:まず仕組みを教えていただきたいんですけど。としまえんで働く時のオペレーターさんの部署というのはどういったものなんですか?
上野さん:乗り物に関しては、社内ライセンスがあります。AランクからEランクまでの社内ライセンス制度があります。
つるのさん:としまえんの中でということですか?
上野さん:そうです。
つるのさん:上野さんはどうなんですか?
上野さん:僕はほぼ乗り物を運転できるので、AランクからEランクまで全て運転はできます。
つるのさん:格好いい!もうとしまえんマスターなんですね?
上野さん:そこそこですけど(笑)
つるのさん:ちなみに働いて、最短でどれくらいでなれるものなんですか?
上野さん:どうですかね‥Aランクというのがジェットコースターとかフライングパイレーツとか大型機種を取るには、少なくとも半年から1年位経験を積まないとできないです。全ての乗り物を取るにはかなりの時間をかけないと取れないですね。1つの乗り物に3~4日間研修でつかなければいけないので、そこらへんを考えるとかなり時間がかかりますね。
つるのさん:格好いいですね。変な話ですけど、給料変わったりするんですか?
上野さん:変わらないんですよ…
つるのさん:(爆笑)
上野さん:渡辺さん、変わらないですよね?
渡辺さん:残念ながら、変わらないです。
三人:(爆笑)
渡辺さん:一緒です。
つるのさん:そうなんですね。そこは勤務年数とかになるんですかね?
上野さん:そうですね。勤務年数とか上司の評価とかですね。その辺は普通の会社さんと一緒なんです。
つるのさん:としまえんのオペレーターさんの中でランクがあるっていうのがすごい面白いですね。ちなみに、一番番運転が難しいアトラクションって何ですか?
上野さん:どうですかね。たぶん人によって違うと思うのですが、今ある機種の中では。
僕はブラワーエンジンかなと思います。
つるのさん:何が難しいんですか?
上野さん:普通乗り物ってボタンを押して、動かしたりするんですけど。ブラワーエンジンはボタンがないんですよ。ダイヤルでスピード調節をするんですよね。
つるのさん:そうなんですか?
上野さん:そうなんです。
つるのさん:あれは、運転されているんですか?
上野さん:そうなんです。運転手の技量によっては、うまく止められないとか起きうるんです。
つるのさん:そんなやばい乗り物に僕ら乗っていたんですか(笑)?
上野さん:現役でまだやっていますからね。
つるのさん:やばい!ブラワーエンジン運転できるようになったら一流みたいなところあるんですね?
上野さん:最初はすごく緊張しますよね。
つるのさん:失敗することもあるんですよね?
上野さん:もちろん。あっ行き過ぎたのでそのままもう1周行きます!みたいなのもの何回か僕も経験ありますけど(笑)
つるのさん:(笑)そうなんだ。逆に言えばすごくアナログ感があって、スリルを味わえるんですね?
上野さん:かもしれないですね。
つるのさん:なるほど。渡辺さん的には?
渡辺さん:私はですね、今あるやつだとブラワーエンジンはたしかに難しいと思います。今言ったようにブレーキ装置がないので全部ダイヤルのさじ加減でやっていますのであと見た感じ簡単に見えるですけど、アンチックカーというクラシックカーの形をした小さい子が乗るものなんですけど、実はこれ意外に運転が面倒臭くて…
つるのさん:どういうことですか?
渡辺さん:連続運転というのがありまして、常にお客様を1回ではなくて、1回だと動き始めてからタイマーで止まる、これの繰り返しなんですけど。ミステリーゾーンもそうなんですが、連続で1台行ってまた1台という風に区切りがないんです。お客様が並んでいたら、朝から晩までずっと操作をしないといけないです。前に送って、出発させて、帰ってきて止まって、放送してってこれの繰り返しを常にやらないといけなくて手間がかかって肩が凝るし、喉は渇くし…
つるのさん:じゃあ、ある意味そこが本当のミステリーゾーンだった訳ですね?
渡辺さん:ミステリーゾーンもそうなんですよ。
つるのさん:デンジャラスゾーンだったんだ(笑)?
渡辺さん:運転室に座っているのができないので、ほとんどもう立ちっぱなしです。
つるのさん:じゃあみんな俺ちょっとミステリーゾーン行きたくないわってなっていたんですね?
渡辺さん:もちろん乗り物によっては今日ここかよ!?嫌だなってのはありました。
つるのさん:じゃあ、今日ミステリゾーン行って来いみたいな感じになるんですか?
上野さん:割り振りの担当の人間がいて当日の役割を貼り付けるんですけど。「ああ、今日はここ…」かっていうのは正直ありますよね。
つるのさん:憂鬱になるんだ?
上野さん:朝に行ってわかるんで、ああって…
渡辺さん:その担当者じゃないとわからないんですよ。前の日に言ってしまうと休んじゃうといけないので(笑)
三人:(大爆笑)
渡辺さん:次の朝じゃないとわからないようにちゃんとなっているんです。
つるのさん:面白いですね。けど何かごめんなさいね、楽しんでしまって。今まで何か困ったこととか働いていてこんなことあったとかあります?
上野さん:トップスピンって乗り物でお客様の落とし物が多いんですよね。
つるのさん:トップスピン!今はないですけど、あれはグルグル周りますもんね。
上野さん:そうなんです。落とし物を探すのは慣れているんですけど、差し歯を落とし方がいて‥
つるのさん:何を?
上野さん:差し歯です!
つるのさん:(大爆笑)トップスピン乗るんだぞ!と差し歯を外してこいと(笑)
上野さん:いや、外さなくてもいいですけど、わざわざ差し歯を落とさなくてもいいじゃないですか(笑)
つるのさん:わざわざ差し歯を落としたわけじゃないですよ(笑)
上野さん:そりゃそうですね。
つるのさん:こんなにスピンすると思わなかったんですよ!
上野さん:ですかね。
つるのさん:だってトップスピンですからね?
上野さん:そうですね(笑)歯が落ちてしまったのでなんとかしてくれと言われて、いやそれはって思ったんですけど、あるんですね歯って。
つるのさん:見つけたんですか?
上野さん:見つけたんです。
つるのさん:へぇ。
上野さん:ありましたよって言ったら、あっ、ありがとうございます。そのままスーって行かれちゃって。
つるのさん:ちょっと待ってよ!?もう1回ハード側のトップスピンに乗せてあげたほうがいいんじゃない?
上野さん:本当ですよ(笑)
つるのさん:そうなんだ。
上野さん:あと落とし物で言うとフリュームライドという水で落ちるやつで、溜池のところに大事な指輪を落としてしまったと‥
つるのさん:ええ…
上野さん:見えるんですよ。
つるのさん:水の中に?
上野さん:はい。どうしても取ってほしいと…でもそ3月なんですよ。
つるのさん:うわ。
上野さん:誰が行くかって…僕が行くことになって。
つるのさん:そりゃそうですよね。それはどう考えても上野さんでしょ(笑)?
上野さん:(笑)コスチュームセンターから海水パンツを借りて、アヴッてなりながら潜って、はいどうぞって渡したら、またありがとう!ってそのままスーって行かれて…
つるのさん:過酷だ…。
上野さん:そういう意味で僕はありがとうって言われる縁がないんでしょうね(笑)
三人:(大爆笑)
つるのさん:徳が足らなかったんですかね(笑)?
上野さん:かもしれないです(笑)
つるのさん:渡辺さん、大変だったなとかそういうのあります?
渡辺さん:私はシャトルループでコンタクトを落としちゃったっていう方がいて。
つるのさん:それは無理!
渡辺さん:ところがですね。
つるのさん:ないないない。
渡辺さん:何回も探したんですけど、結果的に見つからなかったんですよ。
つるのさん:それはそうだ。
渡辺さん:そこから1時間から2時間経ったら出てきたんですよね。
つるのさん:ええ!?
渡辺さん:どっかに潜っていたんですよね。
つるのさん:コンタクトレンズって見つけられないでしょ?
渡辺さん:それが見つけられたんです!
つるのさん:それはシャトルループの中にあったんですか?
渡辺さん:あの1回転、帰りを含めて2回転するシャトルループで落ちずにシャトルループの中にあったんです。
つるのさん:ハード?
上野さん:(爆笑)
渡辺さん:いや、ハードかソフトかは覚えてないんですけど(笑)
つるのさん:あんなの見つけられないでしょ(笑)
渡辺さん:まだお客さんがいらっしゃる時間帯だったので、園内放送をかけたんです。コンタクトを落とされたお客様、シャトルループまでお戻りくださいと。そしてお客様にお渡しして。
つるのさん:戻ってきたんですか?
渡辺さん:お客様も本当にあったんだということで。上野君のとは違って、かなり感動していました。
つるのさん:やっぱりほら?これはキャラの違いですよ(笑)
上野さん:いいな。
渡辺さん:感動はしていたんですけど、傷だらけでした。
つるのさん:それは無理だよね(笑)
渡辺さん:そんなこともあるんだなっと。お客様も我々ももう無理だって思っていたものが、意外に見つかるということもありました。
つるのさん:遊園地といえばやっぱり迷子とか、つきものだと思うんですけど?
渡辺さん:迷子の子は沢山います。何回放送してもお母さんどこに行っちゃったんだろう?と。これはちょっとした笑い話なんですけど、プールで迷子の子が来まして当時いた女性スタッフがあまりにも長い時間引き取りに来ないので、だんだん放送している声が大きくなってしまったんですね。「●●ちゃんを保護しています。」という放送を何回しても来ないので…そのうちそのスタッフの声があがってきたら、迷子の子が放送している時に「うるさい!」って言ったという話。
三人:(大爆笑)
つるのさん:お前のために言っているんだよって(笑)
渡辺さん:あんたが迷子になるから言っているんでしょって(笑)迷子はもう頻繁にあります。
つるのさん:そうですか。
渡辺さん:ただ本当に慣れてしまってね、迷子同士で遊び始めてしまうっていうのもありますね。
つるのさん:それだけ安心していたんですね?
渡辺さん:そうですね。
つるのさん:としまえんのオペレーターさん達の力を。
渡辺さん:親御さんもたしかにそうだと思います。としまえんにいるんだから危なくはないなという見方をしているのかなと思います。
つるのさん:としまえんなら大丈夫っていう何か安心感がありますもんね。
渡辺さん:お年寄りの方で木馬の会という年間フリーパスがあるんですけど、わざわざお嫁さんや娘さんを連れてきて、お父さんこれに入りなさいと言って、そうすると外で歩いて散歩していても安心だと。
つるのさん:たしかに。
渡辺さん:車は走っていない。連絡先は明確、看護師はいるということで(笑)安心して散歩できるんです。
つるのさん:アフリカ館があった時なんかは、アフリカの中も歩けましたからね(笑)
三人:(爆笑)
つるのさん:あそこは歩いたらダメか(笑)
渡辺さん:あそこは歩いたらダメです。ジープですから。
つるのさん:自分だけか(笑)
上野さん:やっていたんですね(笑)?
つるのさん:2回位降りたことがあります(笑)
上野さん:(爆笑)
つるのさん:としまえんが閉園するということで、最後にオペレーターとしてこれをしておきたいなってあります?
上野さん:言い換えれば94年の歴史を、我々の代で終わらせることができるので、本当お客様に精一杯楽しんでいただいて、としまえんって本当に良い所だったんだよっていうのを10年20年30年40年先でも伝えられるようなことをやっていきたいなと思っています。
つるのさん:最後にオペレートしたい乗り物って何かあります?
上野さん:もし最後の日に運転できるなら、僕はエルドラドがいいですね。
つるのさん:エルドラドですか?
上野さん:僕が最初にライセンスを取った乗り物なんですよ。
つるのさん:あれはランクはいくつなんですか?
上野さん:当時はCランクでした。今はBランクなんです。
つるのさん:下がったんですね。
上野さん:僕が最初に取って、初めて運転したのがエルドラドなんでどうしても思い入れが強いので運転したいです。
つるのさん:走馬灯のように思い出が蘇ると?
上野さん:そうです。泣いちゃうかもしれないです。
つるのさん:いいですね、そういう話は。渡辺さんはどうですか?
渡辺さん:私も上野君と同様に一番最初に運転した乗り物が一番印象深いんですよ。ですから私は、ダックスフンドというダックスの背中にみなさんが乗ってワンワンと言いながら1周2周と回る乗り物です。
つるのさん:そんなのあったかな?
渡辺さん:昔、あったんですよ!小さい子の乗り物なんですけどね。それが一番最初に運転したので思い出深いんですけど、もうそれ自体がないので。私も今はもう立場が変わっているので、普段オペレーションはしないんですけど、42年間の節目としてやっぱり最後はどこかの乗り物を運転したいなと思いますね。
ダックスは今ないけど、どこか運転したいなと。私が今まで一番沢山ついたのがコークスクリューだったので、コークスクリューを運転しようかななんて今は思ってますけど。
コークスクリューは一番最初にとしまえんに来た時は、今ミラーハウスになっているところが物販店でパンツを売るという話だったんですよ。
つるのさん:パンツ?
渡辺さん:下着を売る。
つるのさん:どういう意味ですか?
渡辺さん:漏らしてしまうといけないから。
つるのさん:そういうことですか。
渡辺さん:その位、過激だと聞いていたんですよ。実際、そんな感じではないんですけど‥
つるのさん:誰も漏らさなかった?
渡辺さん:誰も漏らさなかったんですけど(笑)出来た当時は、絶叫系マシーンと謳っていたので、そこを長い間ついていたので、最後はコークスクリューを運転してみたいかなと思っていますね。
つるのさん:運転してみたいなっていいっすね!僕らの乗ってみたいなと違いますもんね。
上野さん:つるのさんは、何か運転してみたい乗り物ってあります?
つるのさん:運転したい!?
上野さん:もしできるなら?
つるのさん:それは、(略して)フラパイでしょ?
上野さん:フラパイですか(笑)
つるのさん:運転してみたいならフラパイですよ!
上野さん:フライングパイレーツは見晴らしがいいから気持ちいいですよね。
渡辺さん:ちょっと天気がいいと富士山が見えてしまうので。
つるのさん:あそこから富士山ですか。色々な思い出がありますけど、こういう話をすると付きないですね。乗り物もしかり、本当にオペレーターのみなさんにもお疲れ様でしたとお伝えしたいと思います。遊ばせてもらってありがとうございました。
というわけで今日のお話にでてきた写真(渡辺さんのお話にあったダックスの写真)なんかも『30日後に閉まるとしまえん』のTwitterに掲載していきたいと思いますので、是非ともご覧ください。あとはみなさんの思い出、写真などがあれば「 #としまえんでの思い出」こちらの方に付けていただいてつぶやいてください。あと番組の感想、聞きたいことなどは「#30日後に閉まるとしまえん」を付けていただいて送ってきていただきたいなと思っています。上野さん、渡辺さん、ありがとうございました。
上野さん・渡辺さん:ありがとうございました。
つるのさん:お疲れ様でした。
<今日のとしまえんでの思い出>
ケイ・ユカさん
としまえんに行くようになったのは、沿線に引っ越した高校生になってからです。
大人になってからはあじさいや桜を見に行っていました。
30日後に閉まるとしまえん
閉園まで あと7日
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