今月のテーマ:「ロジャー・ニコルス〜音の宝箱〜」
(第3回:ロジャーが手掛けるCMソング集)
パーソナリティ:濱田 高志(音楽ライター、アンソロジスト)
<番組のトーク・パートと選曲リスト>
今月は、今年生誕80年を迎える、ポップ界の音の魔術師、ロジャー・ニコルスの世界に迫ります。今回は、CMソングを中心に、ロジャー・ニコルスが様々な作詞家と組んで書いた楽曲をご紹介します。
― ロジャー・ニコルスはポール・ウィリアムズと組む前は、トニー・アッシャー、それ以降はジョン・ベティスやビル・レインと、複数の作詞家とコンビを組んで共作しています。
― まずは、トニー・アッシャーと共作した2つの楽曲を紹介します。
M1「Can I Go」/ The Collage
1967年に発表されたコラージュのアルバムから。コラージュは男女2名ずつで構成された4人組のグループです。
M2「Always You」/ The Sundowners
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。
プロデュースは、フィフス・ディメンションやアソシエイションを手掛けたことで知られる、ボーンズ・ハウ。今回お送りしたシングル・ヴァージョンは、ベースのイントロで始まりますが、アルバム・ヴァージョンはイントロにストリングがフィーチャーされています。
― 続いて、ポール・ウィリアムズと共作した楽曲をご紹介します。
M3「That's What Makes The Music Play」/ Johnny Mathis
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。
プロデュースとアレンジをロジャーが手がけ、ポール・ウィリアムズが作詞した楽曲。この曲は、『Let Me Be The One』という曲と一緒にレコーディングされ、シングルのカップリングになって発売される予定でしたが、未発売となり、未発表のままお蔵入りになりました。
そして、ほんの数年前、ジョニー・マティスのアンソロジーが発売されたときに、初音盤化されました。
― ここで、ロジャー・ニコルスが書いたCMソングを3曲ご紹介します。
M4「Crocker National Bank」/ Paul Williams and Roger Nichols
1968年に、ロジャー・ニコルスとポール・ウィリアムズが銀行のCMのために書いた曲。のちに、カーペンターズのリチャードがこの曲を気に入り、カーペンターズで取り上げて、大ヒットしました。
当初、広告の仕事を数多く手がけていたトニー・アッシャーが作詞するはずでしたが、忙しかったために、ポールが作詞をしました。
M5「Kodak - When You Got What It Takes」/ Kasey Cisyk
広告代理店”ジェイ・ウォルター・トンプソン”のクリエイティブ・ディレクターの、ビル・レインによる作詞。
M6「Nescafe - One World Of Nescafe (disco version)」/ Carol Chase
こちらもビル・レインが作詞を手掛けた楽曲。
― 最後に、こちらの2曲をご紹介します。
M7「Now」/ Kasey Cisyk
先ほども登場した、スタジオ・シンガーのケイシー・シシック。のちにカーペンターズのカレンもこの曲を取り上げ、それが彼女の最後のレコーディングになりました。
M8「Song For Herb」/ Herb Alpert & The Tijuana Brass
こちらはCM曲ではありませんが、ハーブ・アルパート率いるティファナ・ブラスによるインスト曲。