音楽プロデューサー、八島敦子さんがレギュラー出演する
リニューアルした「ジャズ&ヴォーカル・ナイト」
今回は月に1度お送りするジャズ・ヒストリー・シリーズの第1回
「ジャズの誕生 それはニューオーリーンズから始まった」
ジャズが生まれたニューオーリンズは、アメリカ南部のメキシコ湾に面した港町。
スペイン人、フランス人、イギリス人、黒人、白人と黒人の間にうまれたクレオールまで
さまざまな人種がこの町で共に暮らしていました。
言語、習慣、建築、ファッションなど独自の文化や習慣がうまれ、ジャズも誕生したのです。
最初にお送りしたのは、
♪聖者の行進 by Kid Ory's Creole Jazz Band
アメリカでは1861年から1865年に南北戦争があり、
コルネット、トランペット、サックス、トロンボーンなどの管楽器+ドラムスで
士気を盛り上げる軍楽隊が養成されました。
戦争が終わると楽器が街に流入し、故郷に戻った人たちがバンドを結成、演奏をはじめました。
1897年にはニューオーリンズに、Storyvilleという歓楽街が誕生
ラグタイムが人気を集めます。
ここでお送りしたのは、スコット・ジョップリンによる ♪Maple Leaf Rag
続いて映画「スティング」でおなじみ、マーヴィン・ハムリッシュ ♪The Entetainner
ニューオーリンズでジャズの発展に欠かせないのが、
黒人や黒人と白人の間にうまれたクレオールでした。
クレオールというと八島さんは、ジョー・サンプルを思い出すそう。
2014年に他界する前、2012年にジョー・サンプルは、自身のルーツをテーマにした
2枚の素晴らしいアルバムをつくりました。
「クレオール・ジョー・バンド」のアルバムからは♪ClreoleJoe
ドイツのNDRビッグバンドと共演したアルバム「チルドレン・オブ・ザ・サン」からは
♪Island Of The Mind
1900年から1925年までがニューオーリンズ・ジャズの全盛期と言われていますが、
自分がジャズの創始者だと自称していたのが、ジェリー・ロール・モートン。
ここで、彼の曲♪Black Bottom Stomp by Jelly Roll Morton's Red Hot Peppers
ジャズが広がる牽引力となったのは、ルイ・アームストロング。
1901年生まれのルイは、問題を起こしがちな子でしたが、少年院でコルネットを習い上達、
当時ニューオーリンズ最高のコルネット奏者と言われたキング・オリバーが
シカゴに行くことになり、オリバー本人から代役を頼まれるほど。
その後シカゴで、キング・オリバーと一緒にバンドを始め、
ルイ自身のバンドを結成、ニューヨークでも活躍ジャズの頂点を極めます。
曲は、♪Chimes Blues by King Oliver's Creole Jazz Band
そして、♪Doctor Jazz by Louis Armstrong
最後は、ニューオーリーンズのジャズの父として、ジャズ文化を伝え続け、
ハリケーン・カトリーナ被害の後には被災したミュージシャンを支援しようと、
エリス・マルサリス・ミュージック・センターの建設に力を注いだエリス・マルサリス。
ウィントン、ブランフォードなどマルサリス・ファミリーの長でもある伝説的なピアニスト。
彼は惜しくも今年、4月1日にコロナで命を落としました。
エリスへの最大の愛と敬意を込めて
「A Night at Snug Harbor, New Orleans」のアルバムから♪Jitterbug
来週は、八島さんはお休み。
ディスクユニオンの坂本涼子さんの出演で、
行方均さん監修による「ジャズ100年の100曲」
エントリー・リストからのピック・アップ、第3回をお送りします、お楽しみに。