今月のテーマ:「芸術のロック」
(第1回:プログレッシヴ・ロックとは)
パーソナリティ:スターレス髙嶋(髙嶋政宏)
<番組のトーク・パートと選曲リスト>
今月は、「芸術のロック」と題して、前衛的でアート感覚あふれるロック、「プログレッシヴ・ロック」を特集します。今回のテーマは「プログレッシヴ・ロックとは」です。
― プログレッシヴ・ロックは、1960年代後半のイギリスに登場したロックのジャンルの1つで、キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエス、エマーソン・レイク&パーマー、ジェネシス、ソフト・マシーン、キャラヴァン、キャメル、ゴング、、、など、多くのアーティストがいます。
音的には、実験的・革新的なロックとして、シングルでななくアルバム全体で聴かせるような音楽で、ロックに、クラシックやジャズ、フォークなどを融合させて、素晴らしいサウンドを繰り広げました。
― さて、日本の音楽シーンで、「プログレッシヴ・ロック」という言葉が最初に使われたのは、1970年に発売されたピンク・フロイドのLPアルバム『原子心母』の帯で、「ピンク・フロイドの道は、プログレッシヴ・ロックの道なり!」というキャッチーなコピーが付けられていました。
M1「Atom Heart Mother(原子心母)」/ Pink Floyd
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。
ピンク・フロイドは、1967年にデビューし、サイケデリック・ロック、ブルース、フォークなどを織り交ぜたロックに、けだるさと幻想的なサウンドを含む音楽性が特徴で、のちに『狂気』や『ザ・ウォール』といった作品で、世界的な名声を得ています。
20分を超えるこの曲は、ロックとオーケストラが融合した壮大な曲で、爆弾の音やバイクの音などが盛り込まれており、かなり前衛的な作品になっています。
― 「プログレ」といえば、髙嶋さんも大好きという「キング・クリムゾン」。「スターレス髙嶋」という名前は、キング・クリムゾンのアルバム『レッド』の最後に収録されている楽曲「スターレス」が由来になっています。
1969年のデビューアルバム『クリムゾン・キングの宮殿』は、「恐ろしいほどの傑作」と呼ばれており、ロバート・フリップが集めたメンバーのエゴとテクニックがぶつかり合いながらも、見事に融合した奇跡のアルバムです。
M2「21st Century Schizoid Man(21世紀のスキッツォイド・マン)」/ King Crimson
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。
キング・クリムゾンを代表する1曲。ギターとメロトロンのロバート・フリップが主宰を務めていますが、活動は中断期間を挟みながら50年に及び、現在も続いています。
― 続いてご紹介するのは、超テクニシャン、「イエス」です!
クラシック寄りのサウンドで、例えば、ギターのスティーヴ・ハウは演奏の際にチョーキングは使わず、ハンマリング・オンやプリング・オフといったクラシックの奏法しか使わない変わり者です。そんな技巧派集団でクラシカルといいながらも、そのサウンドは親しみやすく、スピード感と気持ちのいいコーラスが魅力です。
M3「Roundabout」/ Yes
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。
イエスは1969年にデビューし、代表的なアルバムは、1871年発表の『こわれもの』、72年の『危機』などがあります。彼らもクリムゾン同様に、メンバーを変えながら、今でも活動を行っています。
この「ラウンドアバウト」は、アルバム『こわれもの』に収録されています。
進行:スターレス髙嶋(髙嶋政宏 / 俳優)
1987年に映画『トットチャンネル』で俳優デビュー。同作及び映画『BU・SU』で、第11回日本アカデミー賞新人俳優賞、第30回ブルーリボン賞新人賞、第61回キネマ旬報新人男優賞などを受賞。以降、映画、テレビ、舞台と幅広く活躍。主な出演作に【映画】『マスカレード・ホテル』、『キングダム』、『空母いぶき』、【ドラマ】大河ドラマ「おんな城主 直虎」など。