LEGENDS 岩崎宏美~シアワセノカケラ~

2021年1月


今回のLEGENDS 岩崎宏美~シアワセノカケラ~は、
『岩崎宏美ミュージックセレクションvol.4』。
「作曲家・筒美京平さん特集」をお届け。

「歌手・岩崎宏美」にとって、筒美京平さんそして阿久悠さんは、
父のであり母であり、「歌い手」としての宏美さんを形作った方々。
そんな宏美さんが選曲する音楽と共に、
筒美京平さんとの思い出を語っていただきました。

まず1曲目は、宏美さんのデビュー曲『二重奏』。
宏美さんが高校生の時にスター誕生からデビューが決まり、
作詞作曲が阿久悠さん、筒美京平さんだと知らされた時には
とても驚いたそうです。
これまで筒美京平さんは、歌本ではよく名前を見ていたけれども
お顔を拝見したことはなかった存在。
でも宏美さんが「この歌素敵!」と思うたびに
“作曲:筒美京平”と明記されていたりと、
宏美さんの好きな音楽はいつも筒美京平さんの歌だったそうです。

そしてデビュー曲が決まり、はじめてご挨拶したのが
高田馬場にあるレコーディングスタジオ。
そこで筒美さんに、
「これから歌い手になったら、
いろんな人にあなたの声の“高音”を褒められるかもしれないけど、
あなたの声の良さは“中低音”だからそれを忘れないでね。
そして、少しリズム感が甘いところがあるから
もっとリズムのある曲をたくさん聞いて、勉強なさい」
と言っていただいたそうです。
今でも宏美さんの中で生きつづけている言葉だそうです。

2曲目は、岩崎宏美さんの『私たち』。
デビュー後初のシングルとなった『ロマンス/私たち』。
どちらの曲をA面にするか、という会議は筒美京平さん、
阿久悠さん、宏美さんなども交えた“多数決”で決まったそうです。
そこで筒美京平さんは、「私たち」をA面に推薦していたとか。
今では、宏美さんのライブでとても盛り上がる『私たち』です。

3曲目は、『WISHES』。
筒美京平さんが自らピアノを弾いて、
宏美さんの歌と同時にレコーディングした曲。
ロサンゼルスのレコーディングスタジオで録音された曲で、
休憩には少しお酒を飲んでみたり…とてもおしゃれな一曲です。
さらに、レコーディングの時にはちょうど筒美京平さんのお誕生日。
みんなで一緒にケーキを囲んで撮った写真も残っているそうです。

4曲目は、『女優』。
こちらもロサンゼルスで録音した一曲。
コーラスも外国の方だったそうです。
自粛期間中にマツコさんが「この曲を100回聴いた」と
言っていたことでも話題になった一曲ですね。

5曲目は『恋人たち』。
この曲はカバーアルバム「恋人たち」に収録されています。
収録曲のほとんどが映画音楽のカバー曲ですが、
この『恋人たち』だけがオリジナルソングとなっています。
そして、2019年8月にリリースした
『Dear Friends Ⅷ 筒美京平トリビュート』でも再録。
今改めて歌ってみても“色褪せない曲”だなと感じたそうです。
宏美さんにとって、新鮮だったり、透明感だったり…。
これからもずっと歌い続けていきたい曲だそうです。
『Dear Friends Ⅷ 筒美京平トリビュート』は
筒美京平さんにも聴いてもらえたそうです。
直接お話しできたわけではなかったそうですが、
ディレクターさんがお電話で感想をお聞きした時に、
「宏美さんがとても丁寧に、歌ってくださって本当に素敵だった。
友人にもぜひこのアルバムを聴いてもらいたいから、20枚送ってくれる?」
と言ってくださったそうです。

この業界にいて、“このCDが欲しい”と思えることは
とても意味のあることのように感じますし、
筒美京平さんからアルバムをお渡しいただいた方が
いらっしゃるのかなと想像するだけで温かい気持ちになります。

宏美さんが筒美京平さんに作詞していただいた曲は80曲を超えているそうです。
宏美さんの中では、歌い手の中で一番
筒美さんに歌詞を書いていただいたと思っていたそうですが、
そのことを野口五郎さんにお話ししたら「僕、108曲」と言っていたそうで、
この人には敵わないな…と思ったそうです。

最後の曲は『許さない』
久しぶりに筒美京平さんに作詞いただいた楽曲だったそうですが、
タイミングとしては宏美さんが“岩崎宏美”に戻った第1作目。
タイトルが「許さない」となっており、
何か意味ありげなタイミングとなってしまいましたが…。
宏美さんの息子さんは、「シンデレラハネムーン」よりも好きな曲だそうです。
とてもかっこいい一曲となっています。

『岩崎宏美ミュージックセレクションvol.4』、
「作曲家・筒美京平さん特集」をお届けした今回。
いかがでしたでしょうか?
まだまだ宏美さんと筒美京平さんの楽曲はたくさんございます。
ぜひお手に取ってみてください。