これからの時代の主役となる「Z世代(10代~22歳)」と「ミレニアル世代(23歳~38歳)」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どうした性質や特徴があるのか、さらにグローバルビジネスや海外進出企業も知りたいこれからの消費動向について、ミレニアル・Z世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していく。
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今回はNYのZ世代/ミレニアル世代がバイデン氏に期待することというテーマでお届けします。
<本記事を要約すると…>
●2万5000もの州兵が備える中、バイデン氏の大統領就任式が無事執り行われている。
●NYのZ世代/ミレニアル世代は、「トランプ時代よりは良くなるだろう。でもそれだけではだめ」という認識を持っている。
●環境問題、コロナ対策、貧困問題、高額な学費の問題など、バイデン氏に期待することは様々。
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綿谷エリナ:綿谷エリナのOn The Planet 。この時間は「NY Future Labミレニアル・Z世代研究所」です。
メアリー:Hi I’m Mary.
ヒカル:Hi I’m Hikaru.
テツ:Hi I’m Tetsu .
ケンジュ:Hi I’m Kenju.
ミクア:Hi I’m Mikua.
キサラ:Hi I’m Kisala and welcome to New York Future Lab 2021.
綿谷エリナ:
今夜もニューヨーク在住のジャーナリストでミレニアル世代とZ世代評論家シェリーめぐみさんと電話が繋がっています。シェリーさん!
シェリー:
エリーさん! こんばんは~!
綿谷エリナ:
こんばんは~!
シェリー:
今私たちは歴史的な瞬間に立ち会っていますよ。
綿谷エリナ:
私も中継はチラッチラッと・・・
シェリー:
ご覧になりました?
今アメリカ東部時間で1月20日の午後12時10分、
今から数分前の正午、第46代ジョー・バイデン大統領そしてカマラ・ハリス副大統領が宣誓し、無事に政権が交代したと。
いまもバイデン新大統領のスピーチ、続いていますが、このスピーチの中で「民主主義の大切さと危うさを知った後で、民主主義が勝利した」と。お互いの違いや恐れを越えてUnityを呼びかけたんですが、これは議会襲撃事件にまで発展した分断のことを言っているわけですよ。会場のワシントンの議会前のバルコニーはちょうど2週間前に襲撃事件で暴徒に占拠されたまさにあの場所ですから。
おかげで、毎回数十万人が詰めかけるナショナルモールも今日は無人です。代わりにコロナで亡くなった40万人のアメリカ人を追悼する無数の星条旗が風に揺れています。
そんな会場で、いまもまだバイデン新大統領のスピーチが行われています。
中継ちらっとご覧になった方は、バイデン氏のスピーチの前にレディー・ガガの国歌斉唱やジェニファー・ロペスのAmerica The Beautiful歌ったりと、華やかな面もあるんだけど、やっぱり今回はいつもと全く違う異例の就任式で、2万5000もの州兵が備えています。
綿谷エリナ:
2万5000!?すごい数ですね。
シェリー:
アフガニスタンとイラクの駐留兵の5倍の数だそうです。
そしてもう1つ異例の事態は、本来なら民主主義の平和な権力の移行を象徴するこの儀式を、トランプ前大統領がボイコットしたこと。
そういうこともあったんですけど、いまのところ無事に式典が執り行われています。
私たち多くのアメリカ人にとって、毎日が事件の連続。トランプ氏のツイート含め、クレイジーなニュースに翻弄された4年間だったので、、、
綿谷エリナ:
毎日何が起こるか分からない日々でしたよね。
シェリー:
ですよね。
そういう中、トランプ支持者もそうでない人も、今は「良かった」とか「嬉しい」「悔しい」とかの思いを超えて、これでようやく一息つけるというのが本音かも。
綿谷エリナ:
ここで一区切りというか、一つの大きな節目ではありますよね。
シェリー:
そうですね。これが新年だ、という人もたくさんいますよね。
さてこのコーナーNY Futurelabは、社会問題からカルチャー、トレンドまで、NYの若者たちが本音で座談会していますが、今週は就任したばかりのバイデン政権に何を期待しているのか、
まず何をしてほしいと思っているのかを聞いて見ました。まずメアリーから。
メアリー:Pass more stimulus checks. I don’t really pay rent so I don’t really need it but I know a lot of people are not having a good time of it.
シェリー:もっと個人に現金を給付してほしい 。私は家賃を払う必要がないけれど困っている人はたくさんいるから。
キサラ:もっと人に、Keep them in line to wear the mask.
シェリー:キサラは、皆がマスクをするように強く打ち出してほしい。ケンジュは?
ケンジュ:ただトランプの前の普通に戻るだけだと思う。だけとその普通はいいとは思わないけれど、トランプの時代よりは良くなると思う。
シェリー:バイデン政権になると以前の確立された権力体制に戻るということね。ではもっとどうしてほしい?
ケンジュ:Climate change…
シェリー:環境の対策をね。
ケンジュ:あとfree educationとhealth care。
シェリー:教育の無償化と健康保険改革して欲しい。保険がない人がいっぱいいるからね。
ミクア:College. Why is college so expensive?
シェリー:大学が高過ぎるのを何とかして欲しい。今ミクアはちょうど大学に願書出しているところなんだけど 。なんで大学ってこんなに高いの?ということですが…
ケンジュ:でもバイデン なんかマスクを義務化するとか色々改革はやるみたいなのでトランプの時よりはマシになるんじゃないでしょうかね。みんなまだバイデン の実力がわかっていないから、まずちゃんと仕事をしてもらってそれからどう評価するかそういうまだ段階なのかな。
シェリー:最後にテツは?
テツ:He created a lot of harmful bills, laws and legislation that hurt a lot of black and minority communities across the America so. I hope he changes.
シェリー:バイデン 氏はこれまでの長い政治生活の中で、黒人やマイノリティにとって有害な法律をたくさん通してきた。年をとって変わってくれているといいけれど。
シェリー:
NYの若者の意見ですけど…
トランプ時代よりは良くなる。でもそれだけではだめだと。これまでの民主党政権に戻るのがいいとは思ってないんですね。
以前もお伝えしたように、トランプを倒すためにバイデンに投票した若者のパワーは大きかったわけですが、彼らは決してバイデンがベストと思っているわけではない、と。
その理由は、テツが言っていたように、バイデンも体制側としてマイノリティに不利になる法律を通してきた。というのは彼に限らず、アメリカの政治や制度は長い間マイノリティを犠牲にして進んできたものでもあるわけです。
それを変えようと進んできていて、こうした制度的差別を変えようと燃え上がったのがBLMだった、というのもあるからね。
だから一般市民、特にマイノリティや低所得者層にメリットをもたらす方向に進まないと、若者の気持ちはすぐに離れてしまうのかなあと思います。
綿谷エリナ:
うーん。どうなっていくんですかね…
シェリー:
だけどね、バイデン氏今日すごく過密なスケジュールの中で、今日中に15もの大統領令を出すと言っているんですよ。
綿谷エリナ:
え!!
シェリー:
議会を通さなくてもできる最重要事項とトランプ氏が就任初期に覆したオバマ時代の法律などを復活させると。
最重要事項は今日中にやる、と。
その中には、パリ条約への復帰、中東諸国への入国禁止法の撤回、マスク義務付け、家賃や学生ローンの返済の延長などコロナ対策などが入っていると。
また、これはまだ先なんだけど、、一人15万円の給付金を含む200兆円の景気刺激策も既に提案されていて、急ぎ議会で審議される見込みである、と。
そういう意味で、とにかくやろうとしているんですね。
綿谷エリナ:
意気込みをすごくかんじますよね。
シェリー:
そうなんです。まさに一刻も無駄にできない今、スピーディな滑り出しができるかが、バイデン政権の今後のカギになることは間違いなさそうです。
綿谷エリナ:
今後もますます目が離せませんね。
今週もありがとうございました。
シェリー:
ありがとうございました!
綿谷エリナ:
そしてNY Future Lab、JFNアプリAuDee そしてSpotifyでもぜひチェックしてみてくださいね。次回もお楽しみに。