LEGENDS 岩崎宏美~シアワセノカケラ~

2021年2月

今回のLEGENDS 岩崎宏美~シアワセノカケラ~は、
ゲストに歌手の藤田恵美さんをお迎えしてお届けいたしました。

藤田恵美さんは、幼少の頃より劇団ひまわりに所属し、
子役からご活躍。
宏美さんはそんな劇団ひまわりのレッスン内容に興味津々のご様子でした。
元々は引っ込み思案で人前に出るのが苦手だった幼い頃の藤田さんを、
お父さんが勝手に劇団ひまわりへ応募したことから。
お父さんができなかった思いを娘に託す形で
藤田さんの芸能生活が始まりだったそうです。

そして1997年には、Le Coupleとしてリリースした『ひだまりの詩』が
180万枚のヒット。
藤田さん曰く、「目まぐるしく日常を変えた」一曲となりました。
宏美さんは当時、友人とラーメンを食べに行った際に
店内でこの『ひだまりの詩』を聞き、
思わず食べるのも話すのもやめて聞き入った思い出があるそうです。
ちなみに藤田さんは、回転寿司屋さんで聞いたとか。
心地良すぎたのか、何やらお寿司の新鮮な勢いが
あまり感じられなかったそうです。

2001年には洋楽カバーアルバム「camomile」を発売。
そのアルバムは香港を中心に人気を集めました。
そして2003年、新型肺炎 SARS の大流行や、
アジア経済危機で落ち込んでいる時期には「耳で聴く薬」 「心が落ち着く」と、さらに評判を呼び、香港、台湾で大ヒット。
ほぼ同時に、シンガポール、マレーシア、インドネシアなどへ拡がり、
各国でプラティナディスク やゴールドディスクを獲得されました。
当時、この反響を初めて聞いた時には“浦島太郎のような気持ち”になったとか。
海外での反響は日本にいると半信半疑だったそうですが、
現地に行ってみると具体的な感想をいただいてやっと、
本当だったんだと思ったそうです。

そんな藤田さんは去年の6月にカバーアルバム
『ココロの時間』をリリースしました。
邦楽カバーアルバム「ココロの食卓」から12年、待望の第2弾。
今もなお支持され続けている、70年代フォーク・歌謡曲のいぶし銀のような
名曲たちをカバーされています。
藤田さんよりちょっと上の世代の男性がこのアルバムを聞いて、
あの頃を思い出したり、昔やっていたギターをもう一度手に取ってみたり…
といったことがあったらいいなという思いも込めて
作られたアルバムだそうです。
レコーディングでは、ベースはいつものようにスタジオで。
そしてその音源に楽器を重ねていく作業を、
ホールを借りて行っていたそうです。
しかし、半分ほど収録をしたところで緊急事態宣言が発令。
「明日から閉鎖です」と言われてしまったそうです。
そこから新たに音の響きのある広い場所を探して、
使われていないライブハウスをお借りすることができ、
無事収録も終えられました。

そんなこともありながら完成した藤田さんの歌声からは
ゆったりとした心地良さが感じられます。
緊急事態宣言を受けて、
「このアルバムを聞いた方々が、少しでも気持ちがゆったりとできたら」
という思いも込めながら歌ったそうです。
お休みの日にゆったりと聞きたくなる、癒しの一枚となっています。