#101『I Got Rhythm~音楽が生まれる時』 選曲リスト

今月のテーマ:「寄り添うことば―山川啓介の世界」
(第1回:ヒット曲集)
パーソナリティ:濱田高志


<番組のトーク・パートと選曲リスト>

 今月は、「寄り添うことば―山川啓介の世界」と題して、今回は、作詞家・山川啓介さんに焦点を当ててお届けします。
今回は、山川啓介さんのが残した作品の中から、代表的なヒット曲をご紹介していきます。

【山川啓介さん 経歴】
 1944年10月26日生まれ。長野県出身。本名は井出隆夫。早稲田大学在学中から、創作ミュージカルの作詞を始め、その後、レコード会社のスタッフからの紹介で、作曲家のいずみたくさんが主宰する、オールスタッフプロダクションで、本格的にキャリアをスタートさせました。
 それ以降、歌謡曲、番組主題歌を筆頭に、CMソング、本名の井出隆夫名義によるこどものうた、外国曲の訳詞など、様々な分野に歌詞を提供されてきました。
 人生の機微や生きるものへの温かいまなざしを歌詞に込め、多くのリスナーを魅了した山川さん。独自の言葉のセンスは、時代を超えてなお聞き手の言葉を揺さぶる普遍的なもので、発表から時を経ても聴き継がれる名曲が揃っています。

M1「太陽がくれた季節」/ 青い三角定規
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。

 この曲は、1972年に日本テレビ系列で放送された青春ドラマ『飛び出せ!青春』の主題歌として書かれ、100万枚を超える大ヒットになりました。青い三角定規は、この曲で『第14回日本レコード大賞』新人賞を受賞しています。
 アレンジを手掛けた松岡直也さんは、ラテンフュージョンの分野で活躍したピアニストで、元々は浜口庫之助さんのバンドでピアニスト、アレンジャーとして活動していました。60年代からオールスタッフに所属し、いずみたく作品の編曲や、CMソングの作曲を数多く手がけました。

M2「ふれあい」/ 中村雅俊
 山川啓介作詞・いずみたく作曲の楽曲。中村雅俊さんのデビューシングルで、1974年に放送された中村雅俊主演のドラマ『われら青春!』の劇中歌です。当初は、このシングルのB面に収録された「青春貴族」という曲がA面になるはずだったそうですが、最終的に「ふれあい」がA面になり、ヒットチャートの1位を記録するヒット曲になりました。
 この曲の編曲を手掛けたのは、当時オールスタッフに所属していた大柿隆さんで、大柿さんは、松岡直也さん、渋谷毅さんと並んで、この当時のいずみたく作品の編曲を数多く担当しました。

M3「帰らざる日のために」/ いずみたくシンガーズ
 こちらも、山川啓介作詞・いずみたく作曲の楽曲です。「ふれあい」と同じく、ドラマ『われら青春!』のために書かれた曲で、こちらは主題歌です。編曲は森岡賢一郎さんによるものです。
 「いずみたくシンガーズ」は、いずみたくさんが、カーブ・レコードの創設者、マイク・カーブ率いる「マイク・カーブ・コングリゲーション」をお手本に作ったグループで、「徹子の部屋」のスキャットコーラスも、いずみたくシンガーズのピックアップメンバーによるものでした。

M4「戦士の休息」/ 町田義人
 山川啓介作詞・大野雄二作曲。1978年の佐藤純彌監督による角川映画『野性の証明』の主題歌で、歌は元ズー・ニー・ヴーの町田義人さん。編曲は、作曲者の大野雄二さんによるものです。

M5「聖母たちのララバイ」/ 岩崎宏美
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。

 1981年9月から翌年4月まで、日本テレビの2時間ドラマ枠『火曜サスペンス劇場』の主題歌。元々は番組のエンドロール用に1コーラスだけ制作されたものでしたが、放送後に話題になり、新たにレコードとして発売されました。
 作詞山川啓介・作曲木森敏之(今はJohn Scottと連名)。岩崎宏美さんの28枚目のシングルとなったこの曲は、日本歌謡大賞の大賞や、日本有線大賞の有線音楽賞、日本テレビ音楽祭のグランプリを獲得した曲です。

進行:濱田 高志(音楽ライター、アンソロジスト)
これまで国内外で企画・監修したCDは500タイトルを数える。
ミシェル・ルグランからの信頼が厚く、日本の窓口を務める。他、宇野亜喜良や和田誠、柳原良平といったイラストレーターの画集の編集や、手塚治虫作品の復刻、ラジオ番組の構成など、書籍、テレビ・ラジオの分野で幅広く活躍。
5/26にコロムビアから初の作品集BOX発売が予定。その監修を手がける。

5/26発売『リリシスト 〜山川啓介ソングブック』
詳細はコチラ⇒【日本コロムビアHP 商品情報】