#102『I Got Rhythm~音楽が生まれる時』 選曲リスト

今月のテーマ:「寄り添うことば―山川啓介の世界」
(第2回:レア曲集)
パーソナリティ:濱田高志


<番組のトーク・パートと選曲リスト>

 今月は、「寄り添うことば―山川啓介の世界」と題して、今回は、作詞家・山川啓介さんに焦点を当ててお届けします。
今回は、山川啓介さんのが残した作品の中から、隠れた名曲をご紹介していきます。

【山川啓介さん 経歴】
 1944年10月26日生まれ。本名は井出隆夫。早稲田大学在学中から、創作ミュージカルの作詞を始め、その後、レコード会社のスタッフからの紹介で、作曲家のいずみたくさんが主宰する、オールスタッフプロダクションで、本格的にキャリアをスタートさせました。
 それ以降、歌謡曲、番組主題歌を筆頭に、CMソング、本名の井出隆夫名義によるこどものうた、外国曲の訳詞など、様々な分野に歌詞を提供されてきました。
 
M1「風の子ジョニー」/ きもといづみ
 この曲の作・編曲は渋谷毅さんです。きもといづみさんは、音楽評論家の湯川れい、子さんに気に入られて、湯川さんの自宅に下宿しながら、浜口庫之助さんのリズムカレッジで指導を受けます。その後大橋巨泉さんの事務所に所属し、その縁で、番組アシスタントや、巨泉さんが組んだバンド”サラブレッズ”の2代目ボーカリストとして、「お願いがあるの」という曲でデビューしています。
 その後、ソロに転向し、ポリドール・レコードから発売されたデビューシングルが、この「風の子ジョニー」です。

― 続いて、山川敬介さんが、PICOの相性で知られる作曲家の樋口康雄さんと書かれた楽曲を2曲ご紹介します。

M2「悲しみは青い馬にのって」/ PICO
 樋口康雄さんのファースト・アルバム『abc/ピコ ファースト』に収録されている曲です。
このアルバムの曲の作曲は、すべて樋口さんが手がけていますが、作詞は伊藤アキラさん、なかにし礼さん、千家和也さん、岡田富美子さん、島津ゆう子さん、等が手がけています。その中でも、樋口さんが最も好きな歌詞が、この「悲しみは青い馬にのって」の歌詞だそうです。

M3「小さな日曜日」/ 石川セリ
 石川セリさんのアルバム『パセリと野の花』に収録されている楽曲です。このアルバムは、1曲を除く全作編曲を、樋口康雄さんが手がけています。このアルバムに収録されている「あて名のない手紙」の歌詞も、山川さんが書いています。

― 『abc/ピコ ファースト』は1972年の9月、『パセリと野の花』は1972年の11月に発売されており、ほぼ同時に制作、レコーディングされています。そのため、サウンドや世界観が似ており、双子のようなアルバムと言えます。

M4「永遠の1ページ」/ ari
 2003年3月19日に発売された、鉄腕アトムのトリビュートアルバム『MUSIC FOR ATOM AGE♪』から。アトムの誕生日は2003年4月7日なので、それに合わせて作られたアニメ版第3作のスタートと連動して制作されたアルバムです。
 このアルバムのプロデュースは、実は濱田高志さん。この歌の歌詞は、濱田さんが山川さんに直接お願いして書いて頂いたそうです。

M5「PLANT A TREE〜そこに一本の木〜」/ 南こうせつ
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。

 南こうせつさんが1997年に発表したアルバム『心の虹』から。「PLANT A TREE PLANT LOVE」のテーマソングとして書かれました。


進行:濱田 高志(音楽ライター、アンソロジスト)
これまで国内外で企画・監修したCDは500タイトルを数える。
ミシェル・ルグランからの信頼が厚く、日本の窓口を務める。他、宇野亜喜良や和田誠、柳原良平といったイラストレーターの画集の編集や、手塚治虫作品の復刻、ラジオ番組の構成など、書籍、テレビ・ラジオの分野で幅広く活躍。
5/26にコロムビアから初の作品集BOX発売が予定。その監修を手がける。

5/26発売『リリシスト 〜山川啓介ソングブック』
詳細はコチラ⇒【日本コロムビアHP 商品情報】