防災をより身近なものとしてとらえるために、
東京の各自治体の防災の取組みについてお伝えしています。
自治体ごとの防災対策は、それぞれの地域の特徴や注意すべき点などを踏まえて、
さまざまな独自の取り組みが行われています。
今回は世田谷区です。
世田谷区の防災上、留意すべき点について災害対策課長に伺いました。
留意点は3点あります。
ひとつめは、(2019年の)台風19号の被害もありましたが、
多摩川の浸水想定区域の水害対策で、氾濫などへの対策が必要です。
ふたつめは、首都直下地震に対する対応です。
主に火災や建物倒壊といった、住宅地であるが故の特徴をとらえた対策が必要です。
みっつめは、住宅地であるが故の、特に震災時の対策です。
都心区で働いている人は日中時間帯は(区外へ)流出するため、残された人たちで避難所運営をどのようにするかが課題。
家族との連絡の取り方も重要で、周知啓発を進めています。
多摩川の水害、首都直下地震での建物倒壊や火災、そして震災時の避難所の運営。
この3つの課題に対して、世田谷区ではどのように考え、取り組んでいるのでしょうか。
ひとつめの水害(への対策では)、多摩川の流域地域の危険性、
つまり自分の住んでる場所がどのくらい浸水するか分かるような
ハザードマップを作成し(区内の)全戸に配布しました。
自分の置かれているところがどのような状況で、
それを避難につなげられるよう避難フローのようなものを作り、
オリジナルの避難の仕方をまとめられるようにしました。
二つめの震災については、
火災に関しては、感震ブレーカーなどの周知啓発や、
身の回りで火災が起きた場合の逃げ方。たとえば大きな公園へ逃げるなど、逃げ方の周知をしています。
そして、建物の倒壊。耐震化などについては、区の補助制度を周知しています。
三つめの住宅地であるが故の対策ですが、避難所運営は難しい課題ですので、
継続的に地域のみなさんと一緒に課題を考えていかなければならないと考えています。
家族との安否の取り方については、防災マップを作成し「171」など伝言板の活用方法などを掲載しています。
特に防災マップについては、
震災だけでなく水害のハザードマップもあわせて普段からよく見ておいてほしいと話していました。
また、大地震や台風などの災害時に、どのように情報を得ることができるかについても、
いざという時に慌てないよう、確認しておきましょう。
最後に、避難についてこのような話もしてくださいました。
避難所に行くことだけが避難ではありません、ということを言ってきています。
避難所へ向かうだけでなく、自ら避難するということもありえます。
また、避難所はホテルではありませんので、
自分の備え、たとえば、持病がある人は薬など、生活をするための備えをしたうえで避難所へ。
避難所では、区民同士で助けあってもらいながら運営していきたいと思っていますので、
自助と共助という視点で協力をお願いします。
被災して気持ちが落ち込んでいるときに積極的に動きたくないという気持ちは十分理解できるけれども、
みなさん同じ気持ちで避難所へ来ているので、ぜひ助け合ってほしいとのことでした。
≪関連URL≫
◎世田谷区HP「救急・防犯・防災」
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kurashi/005/index.html