2021年3月27日

西村由紀江のSmile Wind

今までに番組で、「花」や「卒業」を春にとりあげことがありましたが、
「春」そのものを取り上げたことはありませんでした。

そこで今回は「春」にまつわる曲をお送りしました。

春と聞いて思い出す曲は数え切れないほどあります。
たとえば森山直太郎さんの「さくら」や
童謡の「さくらさくら」などありますが、
今日はクラシックの中で春を表した曲をお届け。


まず、タイトルにずばり「春」と入っている曲の代表は、
ヴィヴァルディの「春」です。

イタリアの作曲家でヴァイオリニストのアントニオ・ヴィヴァルディが作曲した
「春」「夏」「秋」「冬」と題された4つからなる
ヴァイオリン協奏曲「四季」の1曲で、
爽やかな印象の「春」は特に人気が高い曲です。


続いては、ヨハン=シュトラウスの「春の声」。

オーストリアの作曲家、
ヨハン・シュトラウス2世が作曲したウィンナ・ワルツで、
ニューイヤーコンサートで定番の音楽です。
晩餐会で親交のあった作曲家でピアニストのフランツ・リストと同席した際に、
余興で即興的に演奏されたものをまとめ上げた作品だと伝えられています。


続いては、グリーグ「春に寄す」です。

ノルウェーを代表する作曲家、エドヴァルド・グリーグのピアノ曲で、
祖国を離れて欧州への演奏旅行の途中で書かれた作品です。
「遠い祖国の春への思い」が感じられます。


最後は、メンデルスゾーンの「春の歌」。

メンデルスゾーンが15年間にわたって書き続けたピアノ作品集
「無言歌集」に収められた作品です。

「春の歌」は、JRいわき駅、5、6番線の発車メロディーに使われていますね。


春といえば、花が美しい季節でもあります。
タイトルに「花」と入っている曲といえば、
ランゲの「花の歌」、チャイコフスキーの「花のワルツ」があります。


ドイツのピアニスト、グスタフ・ランゲのピアノソロ曲「花の歌」。

ランゲは400曲以上のピアノ曲を作曲しましたが、
いずれもサロン音楽風の小品(規模の小さい作品)がほとんどです。
そのランゲの作品のうちで現在最もポピュラーな曲が
「花の歌」と言われています。


チャイコフスキーが書いたバレエ音楽『くるみ割り人形』より「花のワルツ」。

チャイコフスキー最後のバレエ音楽となった『くるみ割り人形』の中でも、
「花のワルツ」は、単独のオーケストラ曲としても
人気を得るようになりました。

最後は花の名前が入っている曲、
「野ばら」というタイトルの曲は2つあります。
シューベルトの「野ばら」とウェルナーの「野ばら」です。


ドイツの文豪ゲーテの詩に曲を付けたシューベルトの「野ばら」。

シューベルトが18歳、無名時代の作品で、4分の2拍子の軽快な印象です。


シューベルト版と並び日本で有名なのが、
ハインリッヒ・ウェルナーの「野ばら」。

こちらもゲーテの詩に曲が付けられたものですが、
8分の6拍子で、ゆったりとゆれる感じがします。


どちらもゲーテの詩に曲を付けたものですが、
2人の作曲家がゲーテの詩から得た感じ方の違いが、
表現されているのかもしれません。


実は私も「野ばら」という曲を作っています。
1992年発表のアルバム『MOON』収録曲されているので、
ぜひ聴いてみてくださいね。




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